食材
アケビの皮
akebi peel / Akebia spp.
アケビの皮は、アケビの果肉を包む厚い皮。山形県大蔵村の訪問記には、形を生かした肉詰めや味噌のせ、茹でて和える料理が記録され、料理によって苦味の現れ方にも幅がある。
写真で見る

熟して裂開した Akebia quinata の果実。紫色の厚い果皮が開き、内側の白い果肉が見えている。料理に使われるアケビの皮は、この果肉を包んでいる厚い部分である。
写っているもの: Akebia quinata部位・状態: 裂開した成熟果と厚い果皮
写真: Jpbrigand/ CC BY-SA 4.0/ 原画像/ 台帳の原画像
写真の範囲と来歴
被写体の確認: 原典の記載による同定。写真原典は被写体を Akebia quinata と記載している。アケビ属にはほかの種もあるため、この写真はその一種の例として見る必要がある。専門家による再同定は行っていない。
掲載画像: Wikimedia Commons の1920px版。苦味研究所では切り抜き・色調変更なし。 表示用には幅1200px上限のWebPを配信し、台帳の原画像は上のリンクから確認できます。
食材 / ingredient-akebi-peel
↑苦味を読む
林野庁の広報誌に載った山形県大蔵村の訪問記は、筆者がそれまで抱いていたアケビの食べ方のイメージが覆される場面から始まる。食べるのは黒い種を含んだ半透明の果肉だと思っていたところ、現地では果肉をあまり食べず、それを包む厚い果皮をさまざまに調理すると聞いたのだ。ここで果皮は、食べ終えたあとの殻ではなく、形と厚みを生かして調理する食材として現れる。
その一度の夕食に並んだのは、肉詰め、きのこあんかけ、茹でた果皮のずんだ和え、きのこ味噌のせ。掲載レシピでは、縦二つに切ったアケビを皮側から焼き、しんなりしたところへ豚肉ときのこの味噌をこんもりとのせ、七味またはチーズで仕上げる。器のような形を残して具を受け止めることも、刻んで惣菜にすることもできると記されている。
この記録で興味深いのは、同じ夕食のアケビ料理でも、筆者が苦味を感じなかったものと、ほんのりと苦くアケビらしいと感じたものがあったことだ。アケビの皮を、いつも同じ強さで苦い食材とひと括りにはできない。少なくともこの食卓では、料理になったときの苦味の現れ方に幅があった。ただし、これは一人の料理研究家による一度の訪問と食味の記録で、村全体の食習慣を測った調査でも、料理別の苦味を数値化した官能試験でもない。
農林水産省の山形県の郷土料理記録は、アケビの皮を食べる食文化を紹介し、その味わいをほろ苦いと表現する。ここで確認できるのは、山形県の料理紹介における果皮の味の記述であって、すべてのアケビや料理で同じ強さの苦味が出るという測定結果ではない。資料は山形県の紹介であり、果皮の植物種、栽培条件、料理別の苦味強度は示していない。
秋田大学の公開卒業研究要旨では、果皮を10条件で比べ、1%食塩を加えて3分加熱し8時間水に浸漬した試料が順位法で最も良い順位だった。著者は別に、食塩を添加した加熱や水浸漬によって苦味がある程度低減されたと総括する。順位法の結果を苦味低減の特定最適条件と読むことはできず、評価者数、苦味尺度、統計検定もこの要旨には示されない。
この説明の根拠
この本文で確認した範囲: 大蔵村で果肉より果皮をさまざまに調理すると筆者が聞いた記述/一度の夕食に登場した四つのアケビ料理/掲載レシピに記された肉味噌のせの材料と調理工程/料理によって苦味の感じ方が異なったという筆者の食味記録
この本文で確認した範囲: 山形県の郷土料理紹介における果皮のほろ苦さと保存利用を記述するため使用
アケビ種子油及び果皮の調理学的特性と栄養学的評価に関する研究
この本文で確認した範囲: 果皮下処理の10条件比較、食塩水加熱と水浸漬の条件、資料上の限界を記述するため使用/著者が総合考察で苦味のある程度の低減を総括した範囲と、特定最適法を示さない限界を記述するため使用
構造化された主張 — 節を開くと、主張ごとの確度・根拠・限界が読めます
感覚(2)
範囲: 同記事の筆者による大蔵村での一回の食体験
注記: 訓練パネルや苦味強度尺度による官能試験ではない。
データを表示
ingredient-akebi-peel —has_sensory_attribute→ "料理によって苦味を感じないものから、ほんのり苦くアケビらしいものまであったという筆者の食味記録"範囲: 農林水産省『うちの郷土料理』が山形県の皮の味わいとして記す表現
データを表示
ingredient-akebi-peel —has_sensory_attribute→ sensation-bitter加工・調理でどう変わる(5)
範囲: 料理構成の骨格候補。材料の地域差は未確認
注記: 出典未接続。分量や調理条件を示すものではない。
出典未接続 — この主張はまだ裏取りされていません。一般知識水準の仮置きであり、確定情報ではありません。
データを表示
dish-akebi-peel-miso-itame —includes→ ingredient-akebi-peel範囲: 林野庁『林野』2015年10月号掲載レシピ
注記: 掲載レシピでは果皮を器のように使い、豚肉ときのこの味噌をのせる。一般的な味噌炒めとは工程が異なる。
データを表示
dish-akebi-meat-miso —includes→ ingredient-akebi-peel範囲: 同記事で筆者が大蔵村の夕食に見た料理
注記: 列挙された料理は一度の訪問記録で、地域の全料理を網羅する一覧ではない。
データを表示
ingredient-akebi-peel —is_eaten_as→ "肉詰め、きのこあんかけ、茹でた果皮のずんだ和え、きのこ味噌のせ"範囲: 秋田大学の公開卒業研究要旨に記載された、アケビ果皮の下処理比較
注記: 公開PDFは卒業研究要旨で、官能評価者数・統計検定・苦味尺度の詳細を示さない。順位法の結果を苦味低減の特定最適条件とは扱わない。試料が冷凍保存されたとの記載は本文にない。
データを表示
ingredient-akebi-peel —is_documented_as_having→ "果皮の下処理比較で、1%食塩を加えて3分加熱し8時間水に浸漬した試料が順位法で最も良い順位だった"範囲: 秋田大学の公開卒業研究要旨の総合考察における、果皮の下処理比較についての記述
注記: 卒業研究要旨の総括であり、どの処理が苦味低減に最適か、評価者数、苦味尺度、統計検定は本文から確認できない。試料が冷凍保存されたとの記載は本文にない。
データを表示
ingredient-akebi-peel —is_documented_as_having→ "食塩を添加した加熱や水浸漬による下処理で、苦味がある程度低減されたという著者の総括"文化(2)
範囲: 一般知識水準の候補。地域差・名称差は未確認
出典未接続 — この主張はまだ裏取りされていません。一般知識水準の仮置きであり、確定情報ではありません。
データを表示
ingredient-akebi-peel —is_used_as→ "苦味を含む野菜・食材"範囲: 林野庁『林野』2015年10月号の料理研究家による訪問記
注記: 大蔵村全域を対象にした食文化調査ではなく、筆者が現地で聞いた話として読む。
データを表示
ingredient-akebi-peel —is_documented_as_having→ "山形県大蔵村で、果肉よりも果皮をさまざまに調理して食べるという地域の話"