柿の甘渋性分類(PCNA/PVNA/PCA/PVA)
概念 / concept-kaki-astringency-type-classification
persimmon astringency-type classification (PCNA/PVNA/PCA/PVA)
模式図 — 写真ではなく、根拠をもとに苦味研究所が組んだ説明図

模式図(苦味研究所作成)· CC BY 4.0
柿の四つの型——渋が「抜ける」しくみで分ける
園芸学の標準分類(完全甘柿 PCNA・不完全甘柿 PVNA・不完全渋柿 PVA・完全渋柿 PCA)を、渋(可溶性タンニン)がどのように抜けるかの違いで四枚の札に並べ、中国の完全甘柿(C-PCNA)が別の遺伝のしかたをすることを帯に記した図。渋味は苦味とは別の感覚である。
根拠: ev-w40c-pcna-1 · ev-w40c-pvna-1 · ev-w40c-pcapva-1 · ev-w40c-pcapva-2 · ev-w40c-cpcna-1
このページの内容(3 節)
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柿の栽培品種は、果実がどのような様式で渋味を失う(脱渋する)かに基づき4つの型に分類される。完全甘柿(PCNA、Pollination Constant Non-Astringent)は果実発育の初期段階で可溶性タンニンの蓄積が停止し、その後の果実肥大に伴う希釈によって脱渋が進む型で、神崎(2016)はタンニンを蓄積する能力を欠損した変異体とみなし、劣性形質・一遺伝子支配の質的形質と整理している。日本最古のPCNA品種は17世紀に記録が残る'御所'とされる。
不完全甘柿(PVNA、Pollination Variant Non-Astringent)は、種子で生産されるアセトアルデヒドの働きによって果実発育後期に可溶性タンニンが不溶化し脱渋が進む型である。神崎(2016)によれば、この形質は複数の遺伝子に支配される量的形質で比較的後代に遺伝しやすいため、PVNA品種は日本各地に広まり品種数も多いという。日本最古のPVNA品種は13世紀に発見された'禅寺丸'とされる。
これに対し渋柿には2つの型がある。完全渋柿(PCA)は種子形成の有無にかかわらず成熟後も果肉全体に強い渋味が残る型、不完全渋柿(PVA)は種子ができても脱渋が不十分で、種子周辺だけに褐斑(ゴマ)が生じるものの果肉全体としては渋味が残る型である(神崎2016)。山田ら(2012)が報告した新品種'太天'では、系統適応性検定試験の一部の地域で熟期に強い渋味が確認され、PVA品種と判定されている。この事例は、PVA品種の脱渋の程度が地域や年次によって変動しうることを示す。
中国原産の完全甘柿'羅田甜柿'の脱渋型はC-PCNAと呼ばれ、日本のPCNAとは異なる遺伝様式・機構を持つとされる。神崎(2016)によれば、PCNAが劣性形質であるのに対しC-PCNAは優性形質として遺伝する。またPCNAでは果実発育初期にタンニン合成系のうちフラボノイド合成に関わる遺伝子の発現が低下するのに対し、C-PCNAではこれらの遺伝子が発育後期まで発現し続ける一方、タンニン蓄積に関わる遺伝子の発現が低下するという違いが指摘されている。'羅田甜柿'は1982年に中国原産の甘柿品種として報告された。
この説明の根拠
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機構・受容体(4)
注記: 神崎(2016)。
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concept-kaki-astringency-type-classification —has_currently_proposed_mechanisms→ "PCNA(完全甘柿)は果実発育初期に可溶性タンニンの蓄積が停止し、その後の果実肥大に伴う希釈によって脱渋が進む。タンニンを蓄積する能力を欠損した変異体とみなされ、劣性形質・一遺伝子支配の質的形質である。日本最古のPCNA品種は17世紀に報告された'御所'とされる。"注記: 神崎(2016)。
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concept-kaki-astringency-type-classification —has_currently_proposed_mechanisms→ "PVNA(不完全甘柿)は種子で生産されるアセトアルデヒドによって果実発育後期に可溶性タンニンが不溶化し脱渋が進む。複数の遺伝子に支配される量的形質であり、比較的後代に遺伝しやすいためPVNA品種は日本各地に広がり多くの品種が存在する。日本最古のPVNA品種は13世紀に発見された'禅寺丸'とされる。"注記: 神崎(2016)。山田ら(2012)は新品種'太天'について「系統適応性検定試験の一部の場所では熟期に強い渋みがあったことからPVA品種であった」と実例を報告しており、PVA品種で脱渋の程度が地域・年次により変動しうることを示す。
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concept-kaki-astringency-type-classification —has_currently_proposed_mechanisms→ "PCA(完全渋柿)は種子形成の有無にかかわらず成熟しても果肉全体に強い渋味が残る。PVA(不完全渋柿)は種子ができても脱渋が不十分で、種子周辺だけに褐斑(ゴマ)が生じ、果肉全体としては渋味が残る。"注記: 神崎(2016)。'羅田甜柿'は1982年に中国原産の甘柿品種として報告され、日本導入後の形質調査でPCNAとは異なる型(C-PCNA)であることが判明した。
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concept-kaki-astringency-type-classification —has_currently_proposed_mechanisms→ "中国原産の完全甘柿'羅田甜柿'の脱渋型はC-PCNAと呼ばれ、日本のPCNAとは異なる遺伝様式・機構を持つ。PCNAは劣性形質だがC-PCNAは優性形質として遺伝する。PCNAでは果実発育初期にタンニン合成系のうちフラボノイド合成に関わる遺伝子の発現が低下するのに対し、C-PCNAではこれらの遺伝子が発育後期まで発現し続ける一方、タンニン蓄積に関わる遺伝子の発現が低下する。"