食材
棒茶
Boucha (Kaga boucha)
棒茶は、石川県金沢市を中心に飲まれる、茶の茎を焙煎して作るほうじ茶の一種。加賀棒茶・金沢棒茶とも呼ばれる。
食材 / ingredient-boucha
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棒茶は、茶の茎を焙煎して作るほうじ茶の一種で、加賀棒茶や金沢棒茶とも呼ばれる。市販品の香気分析では、ピラジン類が主要な香気成分として上位を占めた。ピラジン類は焙煎・ロースト香に関わる成分として説明され、棒茶の香りを考える手がかりになる。
同じ茶樹の茎と葉を比べた分析では、ピラジン類、ゲラニオール、リナロールが棒茶に多い傾向を示した。これはピーク強度の比較であり、成分の絶対量を測った値ではない。焙煎前の茎は葉よりアミノ酸が多く、著者らは糖との反応で生じるピラジン類の多さの一因と考察している。
棒茶の原料である茶の茎は、葉と比べてタンニン・カフェインが約2分の1少なく、アミノ酸は2倍多いという分析がある。この論文は、タンニンが少ないことから茎は渋味に乏しく味が淡白になると推定した。焙煎した茎を扱った別の研究では、中程度に焙煎した茎の香りを"Bitter aroma, burnt roasted aroma"(苦い香り、焦げた焙煎香)と記録し、浅く焙煎した試料は"Preferable roasted aroma"(好ましい焙煎香)と評価した。三重県産の原料による実験で、石川県産の棒茶そのものではない。
この説明の根拠
この本文で確認した範囲: AEDA分析でピラジン類が上位を占めたという香気成分の順位を対応させた。/茎と葉の比較で三成分が棒茶に多い傾向と、ピーク強度比較の限定を対応させた。/焙煎前の茎のアミノ酸量と、著者らによる反応過程の考察を対応させた。
Comparison of Flavor Components between Kukicha (Stalk Green Tea) and Sencha (Green Tea)
この本文で確認した範囲: 茎のタンニン・カフェイン・アミノ酸量と渋味の乏しさの推定に使用
この本文で確認した範囲: 焙煎強度による香り記述の違い(Bitter aroma等)と試料の地域限定に使用
別名: 加賀棒茶(ja)
関連をたどる
棒茶 →の一種である→ ほうじ茶
構造化された主張 — 節を開くと、主張ごとの確度・根拠・限界が読めます
組成・含有(4)
範囲: 同一茶樹由来の茎(棒茶原料)と葉(葉ほうじ茶原料)、および市販棒茶10点・葉ほうじ茶6点(平均価格500円/100g前後)。
注記: GC-MS(市販品比較時はSPME法)によるピーク強度比較。
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ingredient-boucha —has_composition→ "同一茶樹に由来する茎と葉をそれぞれ焙煎して比較したところ、2-エチル-3,5-ジメチルピラジンのピーク強度(内標準シクロヘキサノールとの面積比)は棒茶(茎)0.61、葉ほうじ茶0.42で、棒茶は葉ほうじ茶の約1.4倍だった。その他のピラジン類も棒茶に1.5倍程度多く含まれていた。ゲラニオールは棒茶が葉ほうじ茶の約4倍、同じテルペン化合物のリナロールも棒茶に4倍程度多く含まれていた。市販の棒茶10点・葉ほうじ茶6点の比較でも、2-エチル-3,5-ジメチルピラジンとゲラニオールはいずれも棒茶に多い同様の傾向が確認された。"範囲: 同一茶樹由来の茎と葉(焙煎前)。
注記: 図-10は棒グラフによる比較で、本文中に明記された倍率(約1.5倍)のみ収載し、グラフからの目視での実数値読み取りは行っていない。
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ingredient-boucha —has_composition→ "焙煎前の茶の茎は葉と比べてアミノ酸を約1.5倍多く含んでいたことが確認された(図-10)。ピラジン類はアミノ酸と糖のMaillard反応で生成することが知られており、著者らはこのアミノ酸量の違いが棒茶(茎)に葉ほうじ茶より多くのピラジン類が生成する一因と考察している。"注記: 茎を焙煎したほうじ茶が「棒茶」と呼ばれる、という論文冒頭の定義に基づく。
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ingredient-boucha —is_a_type_of→ ingredient-hojicha範囲: 市販の茎茶(1991年、100g当たり300円の市販品)と対照の中級煎茶(同500円)、13C-NMRによる呈味成分比較
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ingredient-boucha —has_composition→ "棒茶の原料となる茶の茎は、葉と比較してタンニン・カフェインの含有量が約2分の1と少ない一方、アミノ酸は2倍多く含まれる。茎はタンニンが少ないため渋味に乏しく、味が淡白になると推定された。"感覚(2)
範囲: 市販棒茶(石川県内の日本茶専門店より収集)。
注記: PDMSコーティング攪拌子による香気吸着・GC-MS/AEDA分析(におい嗅ぎ評価によるFDファクター決定)。
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ingredient-boucha —has_sensory_attribute→ "GC-MSおよびAEDA(Aroma Extract Dilution Analysis)による市販棒茶の香気成分分析で、最もFDファクター(香りの強さの指標、AEDA法で香りを検出できた最大希釈倍率)の高い成分は2-エチル-3,5-ジメチルピラジン(FDファクター4096)であり、2-エチル-3,6-ジメチルピラジン(1024)、2,3,5-トリメチルピラジン(256)、ゲラニオール(256)、リナロール(64)、フラネオール(64)がこれに続いた。ピラジン類は焙煎・ロースト香、ゲラニオール・リナロールは花の香り、フラネオールはカラメルの香りとされる。"範囲: 三重県水沢産おおいしだ茎、森田式自動連続ほうじ茶機による焙煎、Table Iの試料記述
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ingredient-boucha —has_sensory_attribute→ "三重県水沢産のおおいしだ茎を150℃・12分で焙煎した中炒り試料は、論文中の香り評価記述で"Bitter aroma, burnt roasted aroma"(苦い香り、焦げた焙煎香)と記された。同じ原料を130℃・10分で焙煎した浅炒り試料は"Preferable roasted aroma"(好ましい焙煎香)と評価され、焙煎前の荒茶は"Fresh greenish, toasted laver-like"だった。"文化(1)
範囲: 石川県金沢市。
注記: 著者らが参考文献(米沢喜六『加賀茶業の流れ』1976年、北国出版社)に基づいて記述した歴史記述であり、当該一次資料そのものは今回未確認(孫引き)。
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ingredient-boucha —has_historical_origin→ "明治35年頃、金沢市の林屋新兵衛が荒茶精選からの出物(仕上げ工程で選別された茎)の利用方法を研究し、味が薄く出が少ない茎を焙煎して売り出すことを考えたのが棒茶のはじまりとされる。昭和58年には株式会社丸八製茶場が棒茶を昭和天皇に献上し、これを契機に高級な棒茶が販売されるようになったとされる。"