クロロゲン酸

化合物 / compound-chlorogenic-acid

chlorogenic acid

模式図 — 写真ではなく、根拠をもとに苦味研究所が組んだ説明図

左の札は四本の横棒。クロロゲン酸の生豆と焙煎豆、カフェインの生豆と焙煎豆で、それぞれ右に含有率の範囲。クロロゲン酸は焙煎豆で短く、カフェインは焙煎豆で長い。右の札は焙煎度との関係の三行。下に「含量が減ることと苦味がどう変わるかは別の問い」の帯。

根拠の数値を図にしたもの(苦味研究所作成)· CC BY 4.0

クロロゲン酸 — 焙煎で減り、カフェインは増えて見える

タイ北部のアラビカ豆で測った生豆と焙煎豆の抽出液中の含有率を棒で比べた図。クロロゲン酸は生豆 2.46〜3.82% から焙煎豆 0.78〜1.75% へ、カフェインは生豆 0.43〜0.82% から焙煎豆 1.76〜4.15% へ(有意水準 0.05。生豆 6 種・焙煎豆 6 種、うち 5 種は市販品)。別の報告は浅煎り(180°C)・中煎り(200〜220°C)・深煎り(230°C)の比較で、総フェノールが深煎りで有意に低く(p < 0.01)、クロロゲン酸が焙煎で減って分解物のカフェイン酸が増えることを示す。成分の量の話で、苦味は測っていない。

根拠: ev-northern-arabica-chlorogenic-caffeine · ev-w35b-singchai-fulltext-quant · ev-doichang-roast-chlorogenic · ev-w35b-singchai-doichang-heat-degradation

このページの内容(6 節)
  1. 説明
  2. この説明の根拠(2)
  3. 別名
  4. 関連をたどる
  5. 組成・含有(1)
  6. 加工・調理でどう変わる(1)

苦味を読む

タイ・チェンライ県ドイチャーン産アラビカ(ハニープロセス、カップスコア80超)を対象にした2025年の研究では、浅煎り(180°C)・中煎り(200-220°C)・深煎り(230°C)の比較で、Folin-Ciocalteu法による総フェノール含量とUPLCによるクロロゲン酸含量が焙煎度の上昇とともに有意に低下し、分解物であるカフェイン酸含量は逆に上昇した。豆の明度L*値はクロロゲン酸含量と正相関(r=+0.9101)、カフェイン酸含量と負相関(r=-0.9360)を示した。ただし単一農家産の1ロットのみを対象としており、ヒト官能パネルは実施されていない。

別産地・別分析法による確認として、北タイのหนองน้ำดำ村産および王室財団運営地域産アラビカを扱った2023年の研究も、焙煎の熱によりクロロゲン酸が分解し、生豆より焙煎豆でクロロゲン酸含量が下がるという同方向の傾向を報告している。ただしこの研究自体はBelay and Gholap (2009)を引用した解釈に基づくもので、独自に機構を解明したものではなく、分析法もUV-Vis分光光度法とドイチャーン研究のクロマト系分析とで異なるため、両者を定量的に直接比較することはできない。

同じหนองน้ำดำ村・王室財団運営地域産アラビカの生豆6種・焙煎豆6種を対象にしたUV-Vis分光光度法(330nm)による定量では、生豆のクロロゲン酸含量は2.46-3.82%だったのに対し、焙煎豆では0.78-1.75%に有意に減少していた。同じ試料でのカフェイン含量は焙煎豆で1.76-4.15%となり、生豆より有意に増加した。抽出はモカポット(12g豆/120ml水、約6分)を用い、検量線はBelay and Gholap (2009)法に準拠(R²=0.9998・0.9996)しているが、著者ら自身、先行研究より低いクロロゲン酸値が出た一因として抽出時の加熱条件の違いを挙げている。

この説明の根拠

  1. Quality characteristics of Coffea arabica cultivated in Thailand in response to roasting levels profiling its functional material applications

    Lourith N; Kanlayavattanakul M / 2025 / 学術論文 / 全文確認

    この本文で確認した範囲: 焙煎度上昇に伴うCGA低下・カフェイン酸上昇とL*相関を確認した

  2. การวิเคราะห์หาปริมาณกรดคลอโรจีนิกและคาเฟอีนในเมล็ดกาแฟอาราบิกาจากหมู่บ้านหนองน้ำดำและภายใต้การดำเนินของโครงการหลวงในภาคเหนือ (Determination of Chlorogenic Acid and Caffeine Content in Arabica Coffee Beans from Nong Nam Dam Village and under the Royal Project Foundation Operation in Northern Thailand)

    Singchai B; Chaocharoen W; Sridakul K; Bualom C / 2023 / 学術論文 / 全文確認

    この本文で確認した範囲: 分析法の違いによる直接比較不可という限界を確認した/生豆2.46-3.82%と焙煎豆0.78-1.75%の全文訂正値を確認した/抽出条件・検量線R²値と著者の限界言及を確認した

別名: กรดคลอโรจีนิก(th)

関連をたどる

コーヒー焙煎 →変化させうる→ クロロゲン酸

クロロゲン酸 →における含有量が測定されて…→ コーヒー(抽出液) →感覚応答としてを示す→ 苦味

構造化された主張 — 節を開くと、主張ごとの確度・根拠・限界が読めます

組成・含有(1)

クロロゲン酸コーヒー(抽出液)における含有量が測定されている支持あり

範囲: UV-Vis分光光度法(330・272nm、70%エタノール抽出)による定量、標準検量線との比較

注記: หนองน้ำดำ村は必ずしもドイトゥン/ドイチャーンと同一産地ではないが、北タイの王室プロジェクト運営下アラビカという文脈で本クラスタに接続する。要旨のみ確認(全文PDFは画像化され抽出不可)。

『ปริมาณกรดคลอโรจีนิกในสารสกัดกาแฟทุกชนิดในเมล็ดดิบ 2.46-3.82%...สูงกว่าในเมล็ดคั่วที่มีปริมาณ 0.78-1.75%(全文Table1・地の文の一致で確認。要旨記載の『0.78-1.78%』は誤り)...ปริมาณคาเฟอีนในสารสกัดเมล็ดกาแฟคั่วทุกชนิดมีปริมาณ 1.76-4.15% สูงกว่าในเมล็ดดิบ(生豆側は0.43-0.82%、Table2で新規確認)』(いずれも有意水準0.05で統計的有意)。全文で抽出法(モカポット、12g豆/120ml水、約6分、熱時ろ過後放冷、70%エタノールで1:100・1:200希釈)、測定機器(Metertech SP8001 UV-Vis分光光度計、CGA330nm/カフェイン272nm、検量線R²=0.9998/0.9996)、pH範囲(5.34-6.03、両群とも弱酸性)を確認。
限界: 全文はOCR抽出(画像化PDFのため、pdftotextでは8バイトしか抽出できずtesseract OCRで読了)。要旨記載の焙煎豆CGA上限『0.78-1.78%』は誤りで、全文Table1・地の文の一致から正しくは『0.78-1.75%』(FF=1.755%が最大)。健康効能(血糖・炎症・抗酸化・脂質低下)に関する記述は収載対象外として除外。
抄録の要約値を裏付ける定量データを全文(OCR)で確認。生豆6種(CA-CF)・焙煎豆6種(FA-FF)、うち1種はNong Nam Dam村産アラビカ(残り5種はチェンライ県北部の王室財団運営地域産アラビカで市販品を購入)。抽出はモカポット(12g豆/120ml水/約6分、熱時ろ過後室温放冷、70%エタノールで1:100・1:200に希釈)、UV-Vis分光光度計(Metertech SP8001)でCGAは330nm・カフェインは272nmを測定、3反復。検量線はBelay and Gholap (2009)法に準拠しR²=0.9998(CGA)/0.9996(カフェイン)。全サンプルでpHは5.34-6.03の弱酸性域。全焙煎サンプルはタイ工業製品標準規格มผช.268/2558および保健省告示197/2543が定める『真正コーヒー』の最低カフェイン含量1%を満たした。
限界: OCR抽出のため一部数字の誤読リスクがあり、本行の数値はTable本体と地の文の再掲箇所(複数箇所)で相互に一致することを確認した範囲に限定して収載。著者ら自身が『先行研究(Belay and Gholap 2009)より低いCGA値が出たのは抽出時の加熱条件(モカポットは沸騰水使用)の違いによる可能性がある』と限界を明記している。健康効能に関する記述(血糖・炎症・抗酸化・脂質低下)は収載対象外として除外した。
データを表示compound-chlorogenic-acid —has_measured_content_in→ ingredient-coffee-brew
claim: clm-northern-arabica-chlorogenic-caffeine / type: composition / 更新: 2026-09-01

加工・調理でどう変わる(1)

コーヒー焙煎クロロゲン酸を変化させうる支持あり

範囲: 浅煎り(180°C)・中煎り(200-220°C)・深煎り(230°C)の比較、Folin-Ciocalteu法による総フェノール定量とUPLCによるクロロゲン酸・カフェイン酸定量

注記: 明度L*値はクロロゲン酸含量と正相関(r=+0.9101)、カフェイン酸含量と負相関(r=-0.9360)。単一農家産の1ロットのみでヒト官能パネルは実施していない。

『High roasting level decreased the TPC, which was significantly (p<0.01) lower in dark-roasted coffee than in medium and light-roasted coffee...The chlorogenic acid content decreased with roasting, while in turn, the content of its degradation product, caffeic acid, was increased.』
限界: 単一農家産の1ロットのみ。ヒト官能パネルは実施していない。
文脈: 別産地・別分析法(UV-Vis)による独立した確認として、本研究も『焙煎の熱によりクロロゲン酸が分解し、生豆より焙煎豆でCGA含量が下がる』という同方向の知見を報告している。ただし本研究自身のオリジナルな機構解明ではなく、Belay and Gholap (2009)を引用した解釈である。
限界: 分析法(UV-Vis)がDoi Chang研究のクロマト系分析と異なり、焙煎度合いの内訳(浅煎り/中煎り/深煎り)も報告されていないため、傾向の再現に留まり定量的な直接比較はできない。
データを表示process-coffee-roasting —can_change→ compound-chlorogenic-acid
claim: clm-doichang-roast-chlorogenic / type: processing / 更新: 2026-09-01

↑ このページの上へ← 図鑑(化合物)へ戻る