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食材
夏みかん
Citrus natsudaidai
夏みかんは、山口県萩市で明治期に産地化された中晩柑(夏橙)。果汁のナリンギンによる苦味と、ナリンギナーゼによる脱苦味研究の対象として知られる。
結論
夏みかんの苦味の成分のひとつナリンギンは、白いワタと薄皮に多い。皮を細かく切って水にさらすと、ナリンギンの多くが溶け出す。
家庭で試すなら
- 皮を細かく切って、2〜3時間水(または2%の食塩水)にさらす。外の皮は短冊に、白いワタと薄皮はみじん切りにした試験で、ナリンギンの約80〜85%(外の皮)、約60〜70%(白いワタと薄皮)が溶け出した。苦味の強さそのものは測られていない。
- 長い苦味抜きをしなくても差がなかった、という試験がある。さらし方を変えたマーマレードを20名(ほとんどが若い女性)が好みで比べたところ、大きな差はなかった。著者は、2%食塩水で30分ゆでて1時間さらす程度で、長い処理と変わらないものができたとまとめている。統計の検定は無い。
- 果肉を食べるなら、薄皮を除く。凍らせた果肉で比べた試験では、14回すべてで薄皮付きのほうが苦いと判定された。ただし、除いてもかなりの苦味が残った。下処理ごとの根拠は 下処理帳(夏みかん)。
まだ分かっていないこと
- できあがって苦くなったマーマレードに、後から酵素などを加えて直せるかは測られていない(酵素は果汁と缶詰で試されている)。
- ナリンギンのほかに苦味に関わる成分としてリモノイドがある。外の皮を30〜40分煮ても約30%しか除かれなかったが、残った分が苦味にどれだけ効くかは測られていない。
説明を読む ↓
食材 / ingredient-natsumikan
このページの内容(12 節)
- 説明
- この説明の根拠(2)
- 主題ハブ
- 別名
- 関連をたどる
- 関連項目(10)
- 仮説採集箱(1)
- 組成・含有(10)
- 感覚(4)
- 機構・受容体(1)
- 加工・調理でどう変わる(8)
- 文化(1)
↑苦味を読む
夏みかん(夏橙、Citrus natsudaidai)は、山口県萩市で明治期に産地化された中晩柑である。萩市公式資料によれば、文化年間初頭(19世紀初め)に柚の代用として萩へもたらされ、幕末頃に夏の収穫でも美味と気づかれて食用が広まったという。明治維新後、廃屋同然となった士族屋敷の跡地に小幡高政が種をまき苗木を配布したことで栽培が萩全域に広がり、明治22年(1889年)には夏みかんの収益が萩の財政規模を上回るまでになったと記される。
夏みかんの苦味の主成分はナリンギンである。1962年の分析では、日本柑橘工業八幡浜工場で3月中旬に製造された夏ミカン果汁を対象に、1番搾汁(グルコース2.6%・ショ糖2.6%・クエン酸2.9%・pH2.9)でナリンギン75.2mg%、2番搾汁(糖5.1%・pH2.9)で156mg%という実測値が示されている。同じ果実の搾汁段階が異なるだけで含量が倍以上開く点は、夏みかんの苦味が果汁の採り方によって大きく変わりうることを示している。
この苦味を抑える方法として研究されてきたのが、ナリンギンを分解する酵素ナリンギナーゼの添加である。1962年の研究は、pH・温度・グルコース濃度から必要な酵素活性を予測する計算式を作成し、果汁1トンあたり50〜100万単位の添加が実測値と計算値の一致する有効量になるとした。工場規模の実地試験でも、呈味試験(官能評価)によって苦味が実際に消失することが確認されている。一方で、反応時間が長すぎると変色・香気劣化・パルプ分離が生じるとも報告されており、苦味を抜くことと品質を保つことの両立は容易ではないとわかる。
この説明の根拠
萩の夏みかん
萩市 / / 公的資料 / 全文確認
この本文で確認した範囲: 萩市公式資料の来歴記述を、この段落1の根拠として使用した
ナリンギン分解酵素による夏ミカン果汁の苦味除去
中林敏郎 / 1962 / 学術論文 / 全文確認
この本文で確認した範囲: 1962年分析のナリンギン実測値を、この段落2の根拠として使用した/呈味試験による苦味消失の確認を、この段落3の根拠として使用した
別名: 夏橙(ja)
仮説採集箱(1)
大日比の夏みかん原樹伝承は一次資料でどこまで裏付けられるのか編集仮説
山口県長門市大日比の夏みかん原樹をめぐる「江戸中期に漂着した種子から育った木で、国の天然記念物に指定されている」という伝承は複数の二次資料に共通するが、文化庁の指定文化財データベースで該当項目を今回の調査では特定できなかった。指定年月日・指定基準を一次資料で確認すればどう記録できるのだろうか?
由来: 出どころ未記録
注記: 複数の商業・紹介サイトが同内容を述べるが、文化庁データベースでの直接確認ができていない。
仮説は事実主張ではありません。面白さを探索の入口として保存し、これから資料・聞き書き・観察で確かめます。
仮説採集箱をすべて見る →
構造化された主張 — 節を開くと、主張ごとの確度・根拠・限界が読めます
組成・含有(10)
範囲: 夏ミカン一次果汁の実測(日本柑橘工業KK八幡浜工場、3月中旬製造分)
注記: 1962年の分析。搾汁段階(1番/2番)で含量が倍以上異なる点に注意。
夏ミカンの1次果汁(グルコース2.6%、ショ糖2.6%、クエン酸2.9%、pH2.9)でナリンギン75.2mg%、2番果汁(糖5.1%、pH2.9)で156mg%と実測。
限界: 産地・品種の系統情報は本文に明記されていない(『夏ミカン』としてのみ記載)。
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ingredient-natsumikan —contains→ compound-naringinclaim: clm-w40b-natsumikan-naringin-content / type: composition / 更新: 2026-09-02
範囲: 大分県公式資料の記述
注記: 昭和の初め、大分県津久見市上青江の川野豊の夏柑園で、夏みかん(夏橙)の枝変わり(芽条変異)として発見された。夏橙に比べてクエン酸の減少が早く、3月上旬から食べ頃になる。他資料が挙げる『1935年発見・1950年『川野夏橙』登録』という具体年は大分県公式資料そのものでは確認できなかった。
甘夏(川野夏橙)は昭和の初めに津久見市の川野豊の夏柑園で発見された枝変わりであり、普通の夏橙よりクエン酸の減少が早く3月上旬から食べ頃になると記す。
限界: 発見の具体年は『昭和の初め』とのみ記され、他資料にある1935年という数字はこの一次資料単独では確認できない。
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ingredient-amanatsu —is_derived_from→ ingredient-natsumikanclaim: clm-w40b-amanatsu-branch-sport / type: taxonomy / 更新: 2026-09-02
範囲: 夏みかん(湯河原産)1試料の部位別分析。四つ割りにして果皮と果実に分け、果皮は外側約1/3を外果皮、残り約2/3を内白部とした。薄層クロマトグラフィーで分けて蛍光で定量
注記: 苦味の官能評価ではなく、苦味物質とされるナリンギンの量の分布である(本文は、ナリンギンを苦味物質の一つとして、マーマレード作りで除くことを重要と述べる)。部位別の値は各1点で、果実の個数と反復は本文に記載がない。同じ夏みかんの別の研究(別所ほか1964)は比色法でアルベド・じょうのうを約1300 mg%、外皮(フラベド)を約360 mg%とし、順序は同じだが数値は異なる。
第2表は夏みかんの各部位のナリンギン量を、外果皮436、内白部1105、ひょうのう833、果汁52、残渣264(いずれもmg%)と示す。内白部とひょうのうが多く、果汁が最も少ない。
限界: 反復と個体数の記載がない。1971年の方法で、現在の高速液体クロマトグラフィーによる値とは直接比べられない。
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ingredient-natsumikan —contains→ compound-naringinclaim: clm-hnprep-natsumikan-naringin-parts-morohoshi-1971 / type: composition / 更新: 2026-10-13
範囲: 夏みかん(愛媛産)1試料の部位別分析。部位の分け方は諸星・菅原(1971)と同じ。発色法でリモニン換算の総リモノイドとして定量
注記: リモノイド(リモニンを主とする苦味物質)の量であり、苦味の官能評価ではない。内容は総リモノイドで、リモニンだけではない。ナリンギンの分布(外果皮より内白部・ひょうのうに多い)と違い、リモノイドは外果皮が内白部・ひょうのうより多く、種が最も多い。発色は不安定で、測定は発色後3分以内に行い、添加回収率は±10%と記される。
第1表は、外果皮3.38、内白部1.00、ひょうのう1.63、果汁0.15、残渣1.38、種8.88(いずれもmg%)を示す。
限界: 反復と個体数の記載がない。苦味の官能評価なし。
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ingredient-natsumikan —contains→ compound-limoninclaim: clm-hnprep-natsumikan-limonoid-parts-morohoshi-1973 / type: composition / 更新: 2026-10-13
範囲: リーマー型試験搾汁機で搾ったナツミカン果汁。高速液体クロマトグラフィーで定量。採取は12月28日から5月8日。表では品種名がNatsudaidaiと書かれ、本文はナツミカンと呼ぶ
Table 3のNatsudaidaiはDec.28で38.2、Feb.5で34.0、Mar.9で30.0、Apr.19で30.1、May8で24.0 mg/100 g。本文は、ナリンギン含量は多い順にナツミカン、川野ナツダイダイ、ハッサクであったとする。
限界: 果汁のみ。官能評価なし。
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ingredient-natsumikan —contains→ compound-naringinclaim: clm-hnprep-natsumikan-juice-naringin-season-fukutani-1983 / type: composition / 更新: 2026-10-13
範囲: 愛媛県松山市の農園の夏みかん1本の木から2〜3月に採った果実。各部位を細切して5倍量の水で磨砕し、沸騰浴中で30分加熱したろ液を、中林の改変Davis法(420 nmの比色)で定量
注記: 苦味の官能評価ではなく、苦味物質とされるナリンギンの量の分布である(本文は夏みかんの苦味がおもにナリンギンによるとして述べる)。果実ごとの差が大きく、果汁中は1.5〜1.8倍の幅があった。4月6日の採取ではアルベドが869 mg%、じょうのうが978 mg%と低く、アルベド・じょうのうから外側で急に減った(5個の平均で、著者は試料数を増やさないと確実ではないとする)。比色法は他のフラボノイド等も拾うため、HPLCより高く出ると福谷・宮本(1983)が指摘する。
第1表の5個体の平均は、フラベド364、アルベド1323、じょうのう1311、果肉88、果汁29(mg%)。本文は、アルベド・じょうのうの濃度が他の部分と比較してきわめて高く、両者とも1,300 mg%前後で、ついでフラベド、果肉、果汁の順に低くなるとし、要約はアルベド・じょうのうで1,300 mg%程度、ついでフラベドで400 mg%程度、果肉部が最も少なく100 mg%程度とする。
限界: 1本の木の果実。比色法は選択性が低い。官能評価なし。
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ingredient-natsumikan —contains→ compound-naringinclaim: clm-hnprep-natsumikan-naringin-parts-bessho-1964 / type: composition / 更新: 2026-10-13
範囲: 愛媛県松山市の農園の夏みかん1本の木の果実。じょうのうをむいた果肉の砂じょうを、柄・中央部・先端部に分け、改変Davis法で定量。果汁は注射針で抜き取った
注記: 苦味の官能評価ではなく、ナリンギンの量の分布である。著者は、苦味を除くには果汁部へ移さずに柄と膜からナリンギンを除く方法をとれば、ほとんど完全に苦味を除けると考えられ、むいた果肉からは腹の側より背の側から除く方が効果的だろうと推察している(推察であり、実験で確かめたものではない)。濃度の数値は比色法による。
本文は、新鮮物換算のナリンギン濃度は柄の部分が圧倒的に高く、ついで中央部、先端部の順に低下し、柄の部分は重量割合では全体の2%程度にすぎないがナリンギン含有量は約40%を占めるとする。注射針で抜いた果汁は5〜10 mg%で、砂じょう全ナリンギン濃度はこの果汁の10〜14倍とするが、表11の6試料の比は6.2・9.6・10.3・13.7・9.7・13.8(平均10.0)。要約は、1果粒のうちでは両端より中央部、腹部より背部の含量が高く(前者は要約が1.2〜1.3倍とするが、本文は1.2〜1.4倍、表7の比は1.21・1.40・1.18・1.41。後者は1.8〜2.4倍)、砂じょう部では柄の部分の濃度が圧倒的に高く他の部分の30倍程度であるとする。
限界: 比色法。苦味の官能評価なし。柄が占める割合は本文の記述で、表の数値は画像で読んでいない。
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ingredient-natsumikan —contains→ compound-naringinclaim: clm-hnprep-natsumikan-juice-sac-stalk-naringin-bessho-1964 / type: composition / 更新: 2026-10-13
範囲: 夏みかんのシロップ漬け缶詰の製造試験(野村ほか1963)の緒言。割合の根拠となる測定値は本文に示されない
注記: 「80%・20%」は著者の概算で、その出典や測定は本文に書かれていない。苦味の官能評価による割合ではない。1963年の見積りである。
文脈: 緒言は、夏みかんにはフラボノイド系とリモノイド系との2種の苦味が含まれ、苦味のうちフラボノイドとリモノイドの占める割合は大体前者が80%、後者が20%といったところで、前者のほうが後者よりも大きい障害を与えているようであるとし、前者を水解する酵素ナリンギナーゼが日本でも製造されるようになったとする。
限界: 根拠となる数値の提示がない。
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ingredient-natsumikan —has_bitterness_attributed_to→ compound-naringinclaim: clm-hnprep-natsumikan-bitterness-share-nomura-1963 / type: composition / 更新: 2026-10-13
範囲: 山口大学農学部構内産の夏みかん。果皮・じょう嚢皮・種子を乾燥粉砕してベンゾールで抽出し、エーテルで析出した沈殿の重さをリモノイドとして求めた(1962年9月〜1963年4月)
注記: 研究ノートで、リモノイドは沈殿の重さで測っており、成分の構成は未確認である(主力はリモニン)。じょう嚢皮のリモノイドが成熟とともに増えるという結果は、後の薄層クロマトグラフィー・HPLCによる報告(橋永・伊藤1983、福谷・宮本1983:果実の成熟とともに各部位のリモノイドが減る)と向きが逆であり、測定法の違い(沈殿重量法)による可能性がある。1963年1月以降は凍害のため値が乱れたと著者が断っている。
第1表は、採果日9月12日・10月10日・11月2日・11月28日・12月20日で、果皮(乾物400 g)が0.76・1.08・0.93・0.92・0.90 g、じょう嚢皮(乾物400 g)が1.05・1.32・2.06・2.15・2.25 g、種子(脱脂40 g)が0.77・0.55・0.50・0.47・0.44 g。考察は、外果皮のリモノイド量は成熟の期間を通じて大体一定であったが、種子のリモノイドは成熟とともに減じ、じょう嚢部は成熟とともに増加しており、じょう嚢部にリモノイドが多い事実は注目すべきことであるとする。
限界: 沈殿重量法で成分の純度は不明。1963年1月以降は凍害果。反復の記載がない。
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ingredient-natsumikan —contains→ compound-limoninclaim: clm-hnprep-natsumikan-limonoid-seasonal-nomura-1963 / type: composition / 更新: 2026-10-13
範囲: 広島産のナツミカンの果肉(砂じょう)。果肉の外側部・中心部・中間部と、砂じょうの果汁貯蔵部・柄部に分け、水に短時間浸して溶け出すナリンギンと全ナリンギンを改変Davis法で測った
注記: ナリンギンの量の分布で、苦味の官能評価ではない。生果では全ナリンギンのうち、果汁貯蔵部で約1/3、柄部で約1/4が短時間の水浸しで溶け出し、凍結後は果汁貯蔵部で約2/3、柄部で約1/3が溶け出した。夏みかんの砂じょうの柄に高濃度のナリンギンがあるという点は、別所ほか(1964、柄で約1.4%)と一致する。数値は表7〜9と本文で確認した。じょうのう皮の溶出量(290と219 mg/100 g)は表7と表9で別の試験の値で、じょうのう皮と果肉を水に短時間浸したときに溶け出す量であり、含有量ではない。
表7は凍結前の溶出量が果肉の内側7.8・中間18.0・外側45.0、じょうのう皮290 mg/100 gとし、表9は果肉13.5、じょうのう皮219 mg/100 gとする。本文は、第8表は砂じょうを果汁貯蔵部と柄部に分けて測定した結果で、全ナリンギン含量は前者で29 mg/100 gに対し後者の柄部では419 mg/100 gにおよび、溶出量もこれに対応して柄部で非常に多いとし、果肉の部位の相違による溶出量の差は非常に大きく、生果では外側部からの溶出量は中心部の6倍程度にも達し、じょうのうからの溶出量は果肉に比べて非常に大きいとする。
限界: 比色法。溶出量は短時間の水浸しという特定の条件の値。苦味の官能評価は別の主張。
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ingredient-natsumikan —contains→ compound-naringinclaim: clm-hnprep-natsumikan-juice-sac-stalk-naringin-iwata-1976 / type: composition / 更新: 2026-10-13
感覚(4)
夏みかんの知覚苦味に影響する要因: 夏みかんのマーマレードを、外果皮の湯煮30〜60分と水さらし(13時間・1時間・なし)、内白部・ひょうのうの水さらし(13時間・3時間)の組合せを変えて7種(表のA〜G)作り、市販品2種(H・I)とあわせて20名が5点法で評価したところ、苦さの項目(好みの評価)・果皮の硬さ・色・香・総合のいずれも嗜好上の大きな差はなかった。わずかに、2%食塩水で30分煮て1時間さらした試料(G)が総合3.45と最も高い傾向があった。著者は、2%食塩水で30分湯煮後1時間さらすか、45〜60分湯煮して水にさらさなくても、長時間の苦味処理をした従来の製品と苦味・果皮の硬さ・総合で変わらないものができたと結論した。予備的
範囲: 夏みかんの外果皮を使った試作マーマレード7種(A〜G)と市販品2種(H・I)。本文は「製品10種」と書くが表は9種。外果皮4・果汁5・ペクチン抽出液5・砂糖10の配合で糖度約70%に煮詰めた。20代の男子2名・女子18名が苦さ・果皮の硬さ・色・香・総合を5点法で評価。苦さの評点の向きと統計の検定は原典に無い
注記: 苦さの評点の向き(高いほど苦いのか、苦くないのか)は本文に明記されない。総合の評点が高い試料の苦さ評点も高い(G:苦さ3.65・総合3.45)ことから、高いほど好ましい側とも読めるが、確かめられない。統計検定の記載はなく、差は平均値の比較にとどまる。本文は製品を10種とするが、表(第3〜5表)には9種(A〜I)しかない。ナリンギン量は試作品で60〜75 mg%、市販品で75・76 mg%と大差がない。
第5表の苦さの平均はA3.00・B2.70・C2.75・D2.90・E2.90・F3.15・G3.65・H(市販)3.00・I(市販)2.90、総合はA2.30・B2.25・C2.30・D3.05・E3.20・F2.70・G3.45・H3.10・I2.60。本文は「いずれの場合も嗜好上で大差がみられないが、わずかながらGがよい傾向」とし、要約で、短い苦味処理でも長時間処理の従来品と苦味・果皮の硬さ・総合で変わらないものができたとする。
限界: 検定なし。苦さ評点の向きが不明。試作品の間で湯煮・水さらし以外に果汁・ペクチン抽出の条件も一部異なる(Cはペクチン抽出時に果汁を加えた)。
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ingredient-natsumikan —has_perceived_bitterness_affected_by→ "夏みかんのマーマレードを、外果皮の湯煮30〜60分と水さらし(13時間・1時間・なし)、内白部・ひょうのうの水さらし(13時間・3時間)の組合せを変えて7種(表のA〜G)作り、市販品2種(H・I)とあわせて20名が5点法で評価したところ、苦さの項目(好みの評価)・果皮の硬さ・色・香・総合のいずれも嗜好上の大きな差はなかった。わずかに、2%食塩水で30分煮て1時間さらした試料(G)が総合3.45と最も高い傾向があった。著者は、2%食塩水で30分湯煮後1時間さらすか、45〜60分湯煮して水にさらさなくても、長時間の苦味処理をした従来の製品と苦味・果皮の硬さ・総合で変わらないものができたと結論した。"claim: clm-hnprep-natsumikan-marmalade-bitter-treatment-sensory-morohoshi-1971 / type: sensory / 更新: 2026-10-13
範囲: 夏みかんの缶詰8試料(実験3、製造3カ月後)。通常の脱皮と冷酸脱皮、三共ナリンギナーゼとクミタナーゼ、添加法と浸漬法の組合せ。7名の判定人が苦味の順位をつけ、順位を正規数に変換して分散分析(ブロック数14、反復7)
注記: 有意だった組合せは、本文の記述(B-D・C-Dが1%、A-B・B-E・C-E・D-G・D-Hが5%)と、表8の調整した平均の値から確かめた(5%の最小有意差0.78、1%は1.10)。同じ脱皮法・同じ酵素の無添加区との差(C対A、E対D、F対D、H対G)は有意でない。調整した平均(+が苦い)はA 0.29・B −0.55・C −0.40・D 0.71・E 0.38・F −0.04・G −0.13・H −0.28。E・FがG・Hより苦いと判定されたことについて、著者はG・Hの方が酸が減っているので、判定人が苦味を酸味でごまかされたと思われるとする。著者の要約は「酵素による脱苦味効果が認められる」と一般化している。実験1・2の味見では、添加区は無添加区より苦味が少なく、実験1の2B・2C・3B・3Cはほとんど苦味が感じられなかったとされるが、これは人数・方法の記載のない味見の記述である。
本文は、不完備型順位法(試料8、ブロック数4、反復7、ブロック数14)により判定人7名に苦味の順位をつけさせ、順位を正規数に変換して分散分析を行った結果、B-D間とC-D間は1%、A-B間・B-E間・C-E間・D-G間・D-H間は5%で有意となり、酵素添加したものは、しないものに比べて苦味の少ないことがわかったとする。第8表の調整した平均は、A 0.29、B −0.55、C −0.40、D 0.71、E 0.38、F −0.04、G −0.13、H −0.28(+側が苦い、−側が苦くない)で、F比2.88(1%水準で有意)、LSD5%=0.78、LSD1%=1.10。
限界: 判定人は7名と少ない。試料の酸度が同じでなく、酸が苦味の判定を左右した可能性を著者が述べる。本文の「酵素添加は苦味が少ない」は、同じ条件で比べた無添加区との間では有意でない組合せを含む。
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ingredient-natsumikan —has_perceived_bitterness_suppressed_by→ process-citrus-enzymatic-naringinase-debitteringclaim: clm-hnprep-natsumikan-canned-naringinase-sensory-tsusaka-1965 / type: sensory / 更新: 2026-10-13
夏みかんの知覚苦味を抑えるもの: 夏みかんの果皮から抽出したリモノイドの水溶液は、無処理では6倍に薄めてはじめて苦味を感じなくなったのに対し、ペクチン酵素剤(強力スクラーゼ1%)を20℃で20時間働かせたものは2倍の薄めで苦味を感じなくなり、スクラーゼ1%は4倍、ナリンギナーゼ剤A(1%)は3倍、G(1%)は5倍であった。著者は、ペクチナーゼが夏みかんの苦味のもう一つの原因であるリモノイドを分解するのではないかと推測したが、さらに研究を続けているとする。予備的
範囲: 夏みかんの乾燥果皮400 gから約1 gを得たリモノイド標準液に、酵素剤の1%水液を20℃で20時間作用させ、苦味を感じなくなる希釈倍数を比較した
本文は、標準液は6倍に希釈してはじめてその苦味を感じなくなるのに対し、ペクチナーゼ剤を働かしたものは2倍液で苦味を感じなくなる、すなわち苦味がかなり減少しているのが見られるとする。第4表は、最初は全て6×、20℃で1夜放置後に標準6×、1%ナリンギナーゼA 3×、1%ナリンギナーゼG 5×、1%強力スクラーゼ 2×、1%スクラーゼ 4×とする。
限界: パネルの人数・手順の記載なし。抽出溶液での実験。
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ingredient-natsumikan —has_perceived_bitterness_suppressed_by→ "夏みかんの果皮から抽出したリモノイドの水溶液は、無処理では6倍に薄めてはじめて苦味を感じなくなったのに対し、ペクチン酵素剤(強力スクラーゼ1%)を20℃で20時間働かせたものは2倍の薄めで苦味を感じなくなり、スクラーゼ1%は4倍、ナリンギナーゼ剤A(1%)は3倍、G(1%)は5倍であった。著者は、ペクチナーゼが夏みかんの苦味のもう一つの原因であるリモノイドを分解するのではないかと推測したが、さらに研究を続けているとする。"claim: clm-hnprep-natsumikan-limonoid-bitterness-enzyme-nomura-1963 / type: sensory / 更新: 2026-10-13
夏みかんの知覚苦味に影響する要因: 夏みかんの袋(じょうのう)から果肉を取り出して凍結すると、じょうのう皮(薄皮)を付けたまま凍結した果肉は、じょうのう皮を除いて凍結した果肉より明らかに苦かった(対比較14回すべてで付けた方が苦いと判断、苦味評点は+3.4対+1.6)。ただし、除いても「なおかなりの苦味」があった。じょうのう皮を手で除いた場合と、酸とアルカリの薬剤で完全に除いた場合の果肉の苦味には、有意な差がなかった。支持あり
範囲: 広島産のナツミカン。果皮を除いて身割りした袋(セグメント)のまま、あるいはじょうのう皮を除いたものを−20℃で10日貯蔵し、対比較識別法で苦味を比べ、−4(苦くない)〜+4(極めて苦い)の尺度でも評価した。じょうのう皮付きの試料は凍結したままじょうのう皮を除いて果肉を食味した
注記: 凍結した果肉での結果で、生の夏みかんの果肉やじょうのう皮付きで食べる場合の結果ではない。評点は、強く苦い試料と一緒に比べられたため低めに出ており(同じ表の別の組では、じょうのう皮を除いたほぼ同じ材料が2.6と評価され、一般の食用にならない強い苦味とされた)、絶対的な値として読まない。判断数は表に14回と示され、パネルの人数は本文にない。凍結で苦味が増す仕組みについて、著者は、解凍で溶け出したナリンギンが果肉表面に局部的に高い濃度となるためとする。
Table 2は、じょうのう皮付きで凍結した果肉が、じょうのう皮を手で除いて凍結した果肉(I)より苦いと判断した数が14対0、苦味評点が+3.4対+1.6(0.1%水準で有意)とし、じょうのう皮を手で除いた果肉(I)と薬剤(塩酸と水酸化ナトリウム)で除いた果肉(II)の比較は8対6で+2.6対+2.4であった(有意差なし)。本文は、じょうのうを除いて凍結したものは、じょうのう付きで凍結したものの果肉に比べると明らかに苦味が少なくなったが、なおかなりの苦味が認められたとする。
限界: パネルの人数が本文にない。凍結した果肉が材料。評点は比較対象の影響を受ける(著者が注記)。
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ingredient-natsumikan —has_perceived_bitterness_affected_by→ "夏みかんの袋(じょうのう)から果肉を取り出して凍結すると、じょうのう皮(薄皮)を付けたまま凍結した果肉は、じょうのう皮を除いて凍結した果肉より明らかに苦かった(対比較14回すべてで付けた方が苦いと判断、苦味評点は+3.4対+1.6)。ただし、除いても「なおかなりの苦味」があった。じょうのう皮を手で除いた場合と、酸とアルカリの薬剤で完全に除いた場合の果肉の苦味には、有意な差がなかった。"claim: clm-hnprep-natsumikan-segment-cover-bitterness-iwata-1976 / type: sensory / 更新: 2026-10-13
機構・受容体(1)
夏みかんでは次が同時に観察された: 夏みかんの果肉をむいて60℃・10分加熱すると、注射針で抜き取った果汁に出るナリンギンが未処理の4.0 mg%(mg%=100 g あたりの mg)から29.2 mg%へと約7倍になった(手搾りの果汁でも27.5から56.6 mg%の約2倍)。70℃までは果汁へのナリンギンの移りが急に増え、70℃以上ではほとんど変わらなかった。著者は、加熱すると苦味を強く感じるようになる主な原因を、果汁中のナリンギン濃度が増すことと、砂じょう膜がもろくなって細胞内のナリンギンが出やすくなることと推定した(苦味の官能検査は行っていない)。予備的
範囲: 愛媛産の夏みかんの果肉(外皮・じょうのうを手でむいたもの)60 gをポリ袋に入れ、各温度の湯浴に30分浸けて果汁を搾り、ナリンギンと水溶性ペクチンを定量
注記: 苦味の官能検査はなく、「苦味を強く感じるようになる」は果汁中のナリンギン量の増加からの著者の推定である。加熱の温度・時間は60℃・10分(70℃以上は砂じょう膜がもろくなり、果汁を抜き取れない)。この実験は、加熱で苦味が増すと従来言われてきた説明(ナリンギンの40〜70%が不溶型・結合型で、加熱で可溶になる)に一部異を唱える。同じ報告は、磨砕しただけで加熱後の90%以上が溶け出し、加熱で可溶になる分は意外に少ない(6〜8%増)とする。
第4表は、注射針では無処理4.0 mg%・60℃10分29.2 mg%(比1と6.9)、手搾りでは無処理27.5 mg%・60℃10分56.6 mg%(比1と2.0)。本文は、60℃10分の加熱では未処理の約7倍の量となり、夏みかん果肉を加熱すると苦味を強く感じるようになるのは果汁中のナリンギン濃度が増すこと、および砂じょう膜のぜい弱化に伴い細胞組織内のナリンギンの溶出が容易になることが主な要因であろうとする。
限界: 官能検査なし。比色法。第4表は1回の測定値で、繰り返しは記載がない。
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ingredient-natsumikan —was_observed_with→ "夏みかんの果肉をむいて60℃・10分加熱すると、注射針で抜き取った果汁に出るナリンギンが未処理の4.0 mg%(mg%=100 g あたりの mg)から29.2 mg%へと約7倍になった(手搾りの果汁でも27.5から56.6 mg%の約2倍)。70℃までは果汁へのナリンギンの移りが急に増え、70℃以上ではほとんど変わらなかった。著者は、加熱すると苦味を強く感じるようになる主な原因を、果汁中のナリンギン濃度が増すことと、砂じょう膜がもろくなって細胞内のナリンギンが出やすくなることと推定した(苦味の官能検査は行っていない)。"claim: clm-hnprep-natsumikan-heating-naringin-migration-manabe-1964 / type: mechanism / 更新: 2026-10-13
加工・調理でどう変わる(8)
夏みかんの知覚苦味を抑えるもの: ナリンギナーゼ(ナリンギン分解酵素)の添加処理。pH・温度・グルコース濃度から使用活性を予測する計算式が作成され、果汁1トンあたり50~100万単位の添加が実測値と計算値の一致する有効量とされた。支持あり
範囲: 夏ミカン一次・二番果汁を用いた酵素処理実験と呈味試験(工場実地試験を含む)
注記: 呈味試験(官能)で苦味消失時間を実測しており、化学分析だけでなく官能に届いた資料。反応時間が長すぎると変色・香気劣化・パルプ分離が生じる点も報告されている。
pH・温度・グルコース濃度の影響を実験的に定式化し、果汁の苦味消失に要する時間を予測する計算式を作成。工場実地試験でも呈味試験により苦味消失を確認した。果汁1トンあたり50~100万単位の添加が最も有効だった。
限界: 反応時間が長すぎると変色・香気劣化・パルプ分離が生じるとされ、酵素量と反応時間の両立しにくい関係が残る。
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ingredient-natsumikan —has_perceived_bitterness_suppressed_by→ "ナリンギナーゼ(ナリンギン分解酵素)の添加処理。pH・温度・グルコース濃度から使用活性を予測する計算式が作成され、果汁1トンあたり50~100万単位の添加が実測値と計算値の一致する有効量とされた。"claim: clm-w40b-natsumikan-naringinase-debitter / type: processing / 更新: 2026-09-02
夏みかんでは次が同時に観察された: 夏みかんの外果皮(約20×2×2 mmの短冊)を2%食塩水・流水・たまり水に浸すと、2〜3時間でナリンギンの大部分が溶け出し、3時間以後はほぼ一定になった(約80〜85%が除かれた)。内白部とひょうのう(みじん切り)も同様に2〜3時間で約60〜70%が除かれ、3時間以後はほぼ一定であった。支持あり
範囲: 夏みかん(湯河原産)の外果皮と、内白部・ひょうのうを水に浸した時間ごとのナリンギン量。2%食塩水・流水・たまり水の3条件で、30分・1・2・3・12・24時間の各2個を測定
注記: ナリンギン量の測定であり、水さらし後の苦味を人が評価した結果ではない。切り方(外果皮は短冊、内白部とひょうのうはみじん切り)が溶け出しの速さを左右するため、家庭の厚切りや丸のままの果皮にそのまま当てはめない。水の種類による差は小さいとされる。
本文は、外果皮では2%食塩水・流水・たまり水のいずれでも2〜3時間で大部分のナリンギンが溶出し、3時間以後はほぼ一定で、それ以上の溶出は認められなかったとする。内白部・ひょうのうも同様の傾向で、要約は外果皮で80〜85%、内白部・ひょうのうで60〜70%が2〜3時間の水さらしで除かれるとする。
限界: 苦味の官能評価なし。値は図から読む形で、本文は割合のみを記す。
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ingredient-natsumikan —was_observed_with→ "夏みかんの外果皮(約20×2×2 mmの短冊)を2%食塩水・流水・たまり水に浸すと、2〜3時間でナリンギンの大部分が溶け出し、3時間以後はほぼ一定になった(約80〜85%が除かれた)。内白部とひょうのう(みじん切り)も同様に2〜3時間で約60〜70%が除かれ、3時間以後はほぼ一定であった。"claim: clm-hnprep-natsumikan-soak-naringin-removal-morohoshi-1971 / type: processing / 更新: 2026-10-13
夏みかんでは次が同時に観察された: 夏みかんの外果皮を水で煮る(湯煮)と、15〜30分でナリンギンが激減し、それ以後はほぼ一定でそれ以上は減らなかった。湯煮を始める前のナリンギン量は、水に1時間さらした外果皮で450 mg%(mg%=100 g あたりの mg)、さらさない外果皮で855 mg%であった。2%食塩水で煮ると、水で煮るより外果皮は柔らかくなる傾向があった。支持あり
範囲: 夏みかん(湯河原産)の外果皮10gをガーゼに包み、15・30・45・60・90分煮てナリンギンを定量。水さらし1時間の有無で比較。硬さは木屋式硬度計
本文は、湯煮開始前のナリンギン含量が水晒し1時間の外果皮で450 mg%、無処理の外果皮で855 mg%であり、湯煮により15〜30分でいずれも激減し、以下一定の値を示して、それ以上の溶出は認められなかったとする。硬さは湯煮の時間とともに減り、食塩水で煮ると柔らかくなる傾向があった。
限界: 苦味の官能評価なし。図の読み取り値は記さない。
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ingredient-natsumikan —was_observed_with→ "夏みかんの外果皮を水で煮る(湯煮)と、15〜30分でナリンギンが激減し、それ以後はほぼ一定でそれ以上は減らなかった。湯煮を始める前のナリンギン量は、水に1時間さらした外果皮で450 mg%(mg%=100 g あたりの mg)、さらさない外果皮で855 mg%であった。2%食塩水で煮ると、水で煮るより外果皮は柔らかくなる傾向があった。"claim: clm-hnprep-natsumikan-boil-peel-naringin-morohoshi-1971 / type: processing / 更新: 2026-10-13
夏みかんでは次が同時に観察された: 夏みかんのリモノイドはナリンギンに比べて水に溶けにくく、外果皮を2%食塩水に3時間さらして約25%が除かれ、以後はほぼ一定であった。水(たまり水)では3時間でほとんど除かれず、12時間で食塩水と同程度になるようだった。外果皮を30〜40分煮ると約30%が除かれた。内白部とひょうのうは、3時間の水さらしで約12%、2%食塩水で約25%が除かれた。支持あり
範囲: 夏みかん(愛媛産)の外果皮と内白部・ひょうのうを、前報(諸星・菅原1971)と同じ方法で水さらし・湯煮して、残るリモノイド量(リモニン換算)を測定
要約は「リモノイドはナリンギンに比べ、水に不溶または難溶であるが、外果皮を2%食塩水で3時間水晒しすることにより25%前後除去され以後ほぼ一定の値を示した。水で行うと3時間ではリモノイドはほとんど除去されないが12時間では食塩水の場合と同程度除去されるようであった。また外果皮を30〜40分湯煮すると30%前後のリモノイドが除去された。内白部、ひょうのうは3時間の水晒しで12%、2%食塩水で25%程度」と記す。
限界: 苦味の官能評価なし。本文の記述の一部(内白部・ひょうのうの2時間の値)は要約と数字が合わず、図を直接読んでいない。
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ingredient-natsumikan —was_observed_with→ "夏みかんのリモノイドはナリンギンに比べて水に溶けにくく、外果皮を2%食塩水に3時間さらして約25%が除かれ、以後はほぼ一定であった。水(たまり水)では3時間でほとんど除かれず、12時間で食塩水と同程度になるようだった。外果皮を30〜40分煮ると約30%が除かれた。内白部とひょうのうは、3時間の水さらしで約12%、2%食塩水で約25%が除かれた。"claim: clm-hnprep-natsumikan-limonoid-soak-boil-morohoshi-1973 / type: processing / 更新: 2026-10-13
夏みかんでは次が同時に観察された: 夏みかんのシロップ漬け缶詰で、酵素液(ナリンギナーゼ)を注入シロップと一緒に加えて密封し、缶内に残る酵素を貯蔵中に働かせる方法(添加法)をとると、製造後3カ月で果肉のナリンギンが無添加より減った。実験1では無添加の54.0 mg%(mg%=100 g あたりの mg)が、1缶0.1 gの添加で40.5、0.2 gの添加で30.5 mg%になった。クエン酸ナトリウムを加えた別の試験では、無添加45.0 mg%が、添加で18.5・15.5 mg%(0.1 g・0.2 g)に減った。別の2種の酵素を使った実験3でも、通常の脱皮の無添加39.2 mg%が15.2・15.0 mg%に減った。支持あり
範囲: 和歌山県有田郡産の夏みかん(M〜L級)のシロップ漬け缶詰。薄皮(じょうのう膜)は0.6〜0.7%の塩酸・水酸化ナトリウムによる酸・アルカリ処理でむき、水洗して肉詰め。酵素は添加法で缶ごとに加え、65℃30分などで殺菌して貯蔵。製造後3カ月(実験2は1カ月)の缶の果肉と液汁のナリンギンを改変Davis法で定量
注記: ナリンギン量の測定の結果(苦味の官能評価は別の主張にした)。酵素製剤は当時の市販品で、種類により効き方が違う。ペクチナーゼ活性が高い製剤は、シロップが白く濁り、貯蔵6カ月で果肉がやや軟らかくなることがあった。比色法(Davis法)はHPLCより高めに出ると福谷・宮本(1983)が指摘する。酵素なしの対照のナリンギン量(約30〜54 mg%)は缶の条件で異なる。
第2表の果肉のナリンギン(mg%)は、1-A(無添加)54.0、1-B(0.1 g/缶)40.5、1-C(0.2 g/缶)30.5、2-A(クエン酸ナトリウム130 mg/缶、無添加)45.0、2-B 18.5、2-C 15.5、3-B 22.0、3-C 18.0。第7表の果肉は、A(通常の脱皮、無添加)39.2、B(三共ナリンギナーゼ添加)15.2、C(クミタナーゼ添加)15.0、D(冷酸で脱皮、無添加)42.2、E 17.0、F 21.8、G(浸漬法、無添加)32.8、H(浸漬法、クミタナーゼ)29.0。本文は、製造後3カ月で添加区は無添加区に比べてナリンギンの減少が明らかにみられたとする。
限界: 缶の個数は各3缶の平均(実験1・3)。表の値は画像で読み取った。比色法で、HPLCより高めに出うる。
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ingredient-natsumikan —was_observed_with→ "夏みかんのシロップ漬け缶詰で、酵素液(ナリンギナーゼ)を注入シロップと一緒に加えて密封し、缶内に残る酵素を貯蔵中に働かせる方法(添加法)をとると、製造後3カ月で果肉のナリンギンが無添加より減った。実験1では無添加の54.0 mg%(mg%=100 g あたりの mg)が、1缶0.1 gの添加で40.5、0.2 gの添加で30.5 mg%になった。クエン酸ナトリウムを加えた別の試験では、無添加45.0 mg%が、添加で18.5・15.5 mg%(0.1 g・0.2 g)に減った。別の2種の酵素を使った実験3でも、通常の脱皮の無添加39.2 mg%が15.2・15.0 mg%に減った。"claim: clm-hnprep-natsumikan-canned-naringinase-naringin-tsusaka-1965 / type: processing / 更新: 2026-10-13
夏みかんの知覚苦味に影響する要因: 夏みかんの缶詰で、酵素液に果肉をひと晩浸す浸漬法は、缶に酵素を加える添加法ほどナリンギンを減らさなかった。実験2では浸漬法の果肉のナリンギンが36 mg%(mg%=100 g あたりの mg)で、添加なしの対照(36 mg%)と同じで、苦味は「強し」と記された(同じ実験の添加法は32・29 mg%などで苦味が「幾分少ない」〜「かなり少ない」)。実験3でも、浸漬法のクミタナーゼ区(H)は29.0 mg%で、浸漬法の無添加区(G)の32.8 mg%と順位法での苦味の差は有意でなかった。支持あり
範囲: 夏みかんのシロップ漬け缶詰。酵素液に果肉と同重量の温水(50℃)に対し0.4〜0.5%の酵素を入れ、脱皮水洗した果肉をひと晩浸し、水洗してから肉詰め。添加法との比較(実験2・3)
注記: 浸漬法の苦味は実験2では味見の記述で、数値の官能評価は実験3のG対Hだけである。浸漬法は添加法に比べて果肉のくずれ(ブロークン率)が高く(第9表で、完全果は添加法92%・浸漬法69%、ブロークンは添加法8%・浸漬法31%)、原料歩留も添加法の方が有利だった。著者は、添加法の方が酵素の作用時間が制限されない点が有利で、残存した酵素が貯蔵中に効くとする。
第4表(製造後1カ月)の果肉のナリンギン(mg%)は、1(対照)36、1A(添加法)32、2(浸漬法)36、3(対照)40、3A(添加法)32、4(対照)34、4A(添加法)29で、苦味欄は1・2・3・4が「強し」、1Aが「幾分少ない」、3A・4Aが「かなり少ない」。本文は、浸漬法ではナリンギン量および苦味の著しい減少はみられなかったとする。第7表(実験3)はG 32.8、H 29.0 mg%。第8表の調整した平均はG −0.13、H −0.28で、G-H間は有意と記されない。
限界: 実験2の苦味は味見の記述。判定人数の記載なし。浸漬法の酵素量・時間は添加法と異なる。
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ingredient-natsumikan —has_perceived_bitterness_affected_by→ "夏みかんの缶詰で、酵素液に果肉をひと晩浸す浸漬法は、缶に酵素を加える添加法ほどナリンギンを減らさなかった。実験2では浸漬法の果肉のナリンギンが36 mg%(mg%=100 g あたりの mg)で、添加なしの対照(36 mg%)と同じで、苦味は「強し」と記された(同じ実験の添加法は32・29 mg%などで苦味が「幾分少ない」〜「かなり少ない」)。実験3でも、浸漬法のクミタナーゼ区(H)は29.0 mg%で、浸漬法の無添加区(G)の32.8 mg%と順位法での苦味の差は有意でなかった。"claim: clm-hnprep-natsumikan-canned-soak-method-limited-tsusaka-1965 / type: processing / 更新: 2026-10-13
夏みかんでは次が同時に観察された: 夏みかんのシロップ漬け缶詰用に、酸・アルカリで薄皮(じょうのう皮)をむいた果肉を、ナリンギナーゼとペクチン酵素を含む酵素液に浸すと、ナリンギンが減った。35℃で1%酵素液に浸すと果肉のナリンギンは浸漬0・2・4・8時間で65.0・50.3・42.5・31.0 mg%(mg%=100 g あたりの mg)となり、20℃・16時間の浸漬では、水洗のみの64.0 mg%が、0.1%酵素液で42.0、0.5%で40.0、1.0%で35.0 mg%、スクラーゼ(ペクチン酵素剤)0.5%で40.0 mg%となった(缶詰にして1カ月貯蔵後)。著者は、ナリンギナーゼにペクチナーゼを併用するのが良好で、市販のナリンギナーゼ剤には通常ペクチナーゼが共存しているため都合がよいとし、20℃・0.5%・ひと晩(約16時間)の浸漬を採用した。支持あり
範囲: 夏みかんのシロップ漬け缶詰(5号缶、果肉250 g、55°Bxのシロップ120 ml)。酸・アルカリの温浸漬(約1%、40℃)で薄皮をむいた果肉を酵素液に浸し、水洗して缶に詰め、85℃・30分で殺菌。缶詰1カ月後の果肉とシロップのナリンギンを改変Davis法で定量
注記: ナリンギン量の測定で、苦味の官能評価ではない。津坂(1965)は、ひと晩の浸漬法(50℃の温水・保温せず)ではナリンギンが減らなかった(36→36 mg%)と報告しており、同じ浸漬法でも温度・酵素・ペクチナーゼ活性の違いで結果が分かれる。著者は、糖が酵素の働きを大きく妨げ(シロップ漬け缶詰の糖濃度では80%以上)、実際に使える酵素の力は有効力の約20%程度としており、経済的な課題を述べている(糖の阻害の数値の表は省略されている)。
第5表(シロップ部/果肉部、mg%)は、浸漬0時間60.0/65.0、2時間49.6/50.3、4時間42.5/42.5、8時間29.5/31.0。第6表は、A(水洗のみ)56.0/64.0、B(0.1%ナリンギナーゼ液)32.0/42.0、C(0.5%)30.0/40.0、D(1.0%)30.0/35.0、E(0.5%スクラーゼ液)38.0/40.0。本文は、20℃で16時間程度浸漬し、非常によい結果が得られ、この条件で十分脱苦味の目的を達し得るとする。
限界: 各条件の缶数・繰り返しの記載なし。官能評価なし。値は表の画像から読んだ。
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ingredient-natsumikan —was_observed_with→ "夏みかんのシロップ漬け缶詰用に、酸・アルカリで薄皮(じょうのう皮)をむいた果肉を、ナリンギナーゼとペクチン酵素を含む酵素液に浸すと、ナリンギンが減った。35℃で1%酵素液に浸すと果肉のナリンギンは浸漬0・2・4・8時間で65.0・50.3・42.5・31.0 mg%(mg%=100 g あたりの mg)となり、20℃・16時間の浸漬では、水洗のみの64.0 mg%が、0.1%酵素液で42.0、0.5%で40.0、1.0%で35.0 mg%、スクラーゼ(ペクチン酵素剤)0.5%で40.0 mg%となった(缶詰にして1カ月貯蔵後)。著者は、ナリンギナーゼにペクチナーゼを併用するのが良好で、市販のナリンギナーゼ剤には通常ペクチナーゼが共存しているため都合がよいとし、20℃・0.5%・ひと晩(約16時間)の浸漬を採用した。"claim: clm-hnprep-natsumikan-canned-naringinase-soak-nomura-1963 / type: processing / 更新: 2026-10-13
夏みかんでは次が同時に観察された: 夏みかんの缶詰(果肉のpH 2.85、全糖)に、耐熱・耐酸性のナリンギナーゼ(1缶0.5 g)と一緒にクエン酸ナトリウム0.5 g/缶を加えて殺菌終了時の糖液のpHを3.4にすると、酵素が残って働き、果肉のナリンギンは翌日から対照より少なく、2週間から1カ月の間に著しく減り、5カ月後には約10 mg%(mg%=100 g あたりの mg)になった。pHを調整しない缶は、全ての殺菌区で対照より少なくなったのは1カ月後で、殺菌区のNo. 2・3を除き、その差はわずかだった。殺菌の強さ(78℃8〜16分・76℃13分・80℃11分)の違いの影響は少なく、pH調整の影響が大きかった。支持あり
範囲: 夏みかんの缶詰。耐熱・耐酸性ナリンギナーゼ(田辺製薬)を1缶0.5 g添加、クエン酸ナトリウムでpH調整した区(A)と調整なし(N)、殺菌条件の違いで比較。開缶は殺菌直後・翌日・1週間・2週間・1カ月・5カ月
注記: ナリンギン量の測定で、苦味の官能評価ではない。殺菌後の酵素の残る活性とナリンギン量の関係を調べた工程の研究で、家庭の調理ではなく缶詰の製造条件である。値は図から読む形で、本文は約10 mg%と記す。
本文は、A(pH調整区)は翌日すでに各殺菌区とも対照より少なく、2週間から1カ月の間の減少が著しく、5カ月後はさらに減少し約10 mg%となり、殺菌区分による差はA区ではほとんどみられなかったとする。要約は、果肉pH 2.85の全糖缶詰に0.5 g/缶のクエン酸ナトリウムを加えると殺菌終了時の糖液のpHは3.4、最終的には対照より0.2高くなり、酵素の残存活性が増したとする。
限界: 官能評価なし。図の値は読み取っていない。
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ingredient-natsumikan —was_observed_with→ "夏みかんの缶詰(果肉のpH 2.85、全糖)に、耐熱・耐酸性のナリンギナーゼ(1缶0.5 g)と一緒にクエン酸ナトリウム0.5 g/缶を加えて殺菌終了時の糖液のpHを3.4にすると、酵素が残って働き、果肉のナリンギンは翌日から対照より少なく、2週間から1カ月の間に著しく減り、5カ月後には約10 mg%(mg%=100 g あたりの mg)になった。pHを調整しない缶は、全ての殺菌区で対照より少なくなったのは1カ月後で、殺菌区のNo. 2・3を除き、その差はわずかだった。殺菌の強さ(78℃8〜16分・76℃13分・80℃11分)の違いの影響は少なく、pH調整の影響が大きかった。"claim: clm-hnprep-natsumikan-canned-naringinase-ph-kubo-1966 / type: processing / 更新: 2026-10-13
文化(1)
夏みかんの来歴: 文化年間初頭(19世紀初め)に柚の代用として萩へもたらされ、幕末頃に夏の収穫でも美味と気づかれて食用が広まった。明治維新後、廃屋同然となった士族屋敷の跡地に小幡高政が種をまき苗木を配布したことで栽培が萩全域に広がり、明治22年(1889年)には夏みかんの収益が萩の財政規模を上回るまでになった。文脈資料
範囲: 萩市(山口県)公式資料の記述
夏みかんが文化年間初頭に柚の代用として萩へもたらされ、明治期に小幡高政の施策で栽培が広がり、明治22年に萩の財政規模を上回る収益源になったと記す。
限界: 一次史料(藩政記録等)への遡及は今回の調査では行っていない。
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ingredient-natsumikan —has_history→ "文化年間初頭(19世紀初め)に柚の代用として萩へもたらされ、幕末頃に夏の収穫でも美味と気づかれて食用が広まった。明治維新後、廃屋同然となった士族屋敷の跡地に小幡高政が種をまき苗木を配布したことで栽培が萩全域に広がり、明治22年(1889年)には夏みかんの収益が萩の財政規模を上回るまでになった。"claim: clm-w40b-natsumikan-hagi-history / type: cultural / 更新: 2026-09-02
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