下処理帳 — 苦味を引く側。この帳面は苦味だけを見る

大根の下処理帳

大根(図鑑の項目)の下処理を方法ごとに並べ、苦味が動いたかどうかを根拠つきで判定します。 アク・えぐみ・渋味は別の目的として注記し、毒性や安全のための理由は書きません。

このページの内容(3 節)
  1. 判定表(2)
  2. 根拠: 減る(2)
  3. 関連
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判定表

方法条件判定分かったこと
油で加熱切り干し大根・水と一緒に、少量の菜種油を最初から入れて煮る(30名の5段階評価)。減る食品「大根の苦味を強く感じますか」の平均は、油なし3.57に対し、油を入れた煮物は2.53・2.43で、油を入れたほうが有意に低かった。煮たあとに油を足した試験ではない。
ワタ・種・皮・筋を除くおろす部位を首に近い上のほう(頭部)にし、先のほう(尾部)を使わない。青首・美濃早生・信州地の3品種の生のおろし。減る食品20名の順位法で、3品種とも尾部は頭部より苦味と辛味が強く、甘味とうま味が弱かった(危険率1%で有意)。煮た大根の部位差は測っていない。

根拠: 減る

油で加熱 — 切り干し大根・水と一緒に、少量の菜種油を最初から入れて煮る(30名の5段階評価)。

大根の知覚苦味を抑えるもの: 切り干し大根・水と一緒に袋に入れ、最初から煮た(加熱した)少量の菜種油。切り干し大根の煮物に、油を加えないもの(水を加えた対照)、非加熱の菜種油を加えたもの、190℃で7分加熱した菜種油を加えたものを作り、30名が「大根の苦味を強く感じますか」を5段階(1=全くそう思わない、5=非常にそう思う)で答えたところ、平均は油なし3.57、非加熱油2.53、加熱油2.43で、油を加えた2つが油なしより有意に低かった(分散分析 p<0.01、Tukey法の多重比較で油なしと油ありの間に p<0.05)。非加熱油と加熱油の差は有意でなかった。支持あり

範囲: 国産の切り干し大根50 g・水250 g・油3.9 gを真空パックに入れ、100℃で60分加熱した試料。訓練した被験者集団(89名)から実験ごとに無作為に選んだ30名が、1試料ずつ単独で評価。反復測定の一元配置分散分析とTukey法

注記: 生の大根や、大根を厚く切って煮た煮物ではなく、切り干し大根の煮物である。油は切り干し大根・水と一緒に袋に入れて最初から100℃・60分加熱したもので、できあがった煮物に後から足したのではない。質問は「大根の苦味」を1項目でたずねた評点で、苦味の強さを尺度で測る訓練されたパネルの評価ではない。同じ報告で、油揚げを加えて煮た切り干し大根の煮物は、加えないものより総合の嗜好が有意に高く、油揚げなしの煮物に対する自由記述で苦味・辛味・塩辛さ・においの癖など好ましくない味を書いた人が89名中23名だったのに対し、油揚げを加えた煮物では好ましくない味の記述がなかった(苦味だけの記述ではない)。著者は、チーズの苦味抑制にオレイン酸が関わるという報告と合うと考察している。

表4の「大根の苦味を強く感じますか」は、油無添加3.57±0.18(a)、非加熱油添加2.53±0.16(b)、加熱油添加2.43±0.20(b)、F(2,87)=12.82、p<0.01(分散分析)で、表の注によればa・bの異なる文字の間に有意差(Tukey法、p<0.05)。本文は「大根の苦味を強く感じますか」「味の癖が強いですか」の項目で「加熱、非加熱のいずれの油の添加でも…油の添加によって苦味や味の癖のような好ましくない味わいが緩和されたことが示唆された」と記し、「苦味や味の癖を緩和する効果は、添加した油の加熱の有無には有意な差はなく」とする。自由記述では、油揚げを添加しない煮物に苦味や辛味、塩辛さが強い、匂いに癖が強いなどの好ましくない味わいを書いた人が89名中23名で、油揚げを添加した煮物にはなかった。
限界: 切り干し大根の煮物であり、生や煮た大根の部位や下ゆでの効果ではない。油は切り干し大根・水と一緒に袋に入れて最初から100℃・60分加熱したもので、完成後に足したのではない。苦味の質問は1項目で、油の量は1水準(約1.3%)だけ。自由記述の23名は苦味以外の好ましくない味も含む。
出典: 切り干し大根に油揚げを添加する伝統的な調理法において油揚げが嗜好性に与える効果の検証(中村元計; 中野久美子; 網塚貴彦; 中村葵; 原田歩実; 石井真紀; 山崎英恵; 伏木亨, 2020)・全文確認
データを表示ingredient-daikon-radish —has_perceived_bitterness_suppressed_by→ "切り干し大根・水と一緒に袋に入れ、最初から煮た(加熱した)少量の菜種油。切り干し大根の煮物に、油を加えないもの(水を加えた対照)、非加熱の菜種油を加えたもの、190℃で7分加熱した菜種油を加えたものを作り、30名が「大根の苦味を強く感じますか」を5段階(1=全くそう思わない、5=非常にそう思う)で答えたところ、平均は油なし3.57、非加熱油2.53、加熱油2.43で、油を加えた2つが油なしより有意に低かった(分散分析 p<0.01、Tukey法の多重比較で油なしと油ありの間に p<0.05)。非加熱油と加熱油の差は有意でなかった。"
claim: clm-daikon-simmered-oil-addition-bitterness-nakamura-2020 / type: sensory / 更新: 2026-10-15

ワタ・種・皮・筋を除く — おろす部位を首に近い上のほう(頭部)にし、先のほう(尾部)を使わない。青首・美濃早生・信州地の3品種の生のおろし。

大根の知覚苦味に影響する要因: 部位。青首、美濃早生、信州地の3品種の頭部・中部・尾部をおろして比べた20名の順位法では、尾部は頭部より辛味と苦味が強く、甘味とうま味が弱かった。4味すべてで部位差は危険率1%で有意だった。中部の順位は3品種とも頭部と尾部のあいだだった。支持あり

範囲: 収穫後2~4日以内の3品種について頭部・中部・尾部をおろし、識別能力を確認した学生・調理学研究室員20名が評価。有意の印は頭部と尾部に付き、中部の位置は順位合計の並び。

注記: 生のおろし大根の結果。煮た大根の部位差や、完成した煮物の苦味を測ったものではない。

3品種すべてで尾部は頭部より辛味・苦味が強く、うま味・甘味が弱かった。4味の部位差はいずれも危険率1%で有意。苦味の順位合計(小さいほど苦い)は青首 頭部57・中部42・尾部21、美濃早生57・37・26、信州地59・40・21で、中部は3品種ともあいだ。
限界: 1988年の各産地・収穫期の試料。生のおろし大根であり、煮物や保存後の大根ではない。
出典: おろし辛味大根の辛味特性について(河村 フジ子; 松本 睦子; 金 和子; 小林 彰夫, 1989)・全文確認
データを表示ingredient-daikon-radish —has_perceived_bitterness_affected_by→ "部位。青首、美濃早生、信州地の3品種の頭部・中部・尾部をおろして比べた20名の順位法では、尾部は頭部より辛味と苦味が強く、甘味とうま味が弱かった。4味すべてで部位差は危険率1%で有意だった。中部の順位は3品種とも頭部と尾部のあいだだった。"
claim: clm-daikon-head-less-bitter-than-tail-grated / type: sensory / 更新: 2026-09-30

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