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主題ハブ — 2026-10-22

ビールは、古くなると(瓶や缶で時間がたつと)苦味が変わるのか

先に断っておくと、同じビールを置く期間や温度を変えて、人が苦味を比べた研究のうち、全文で条件まで確かめられたものは少ない。 収録した研究では、長く置いた方が苦味が弱かった結果と、冷蔵で開始時と終わりの苦味評点の中央値が同じで、有意差が検出されなかった結果の両方があった。 ただし、保存の温度と期間、ビール(試作か市販か)、尺度が研究ごとに違うので、研究をまたいで「何か月でどれだけ変わる」とは言えない。この頁の骨は、その言えなさの方にある。 機器で測る BU と、人が感じる苦味は分けて読む。苦味の強さと、後に残る苦さのような苦味の質も分けて読む。 収録した行はどれも瓶のビールで、缶と瓶を比べた研究は表に入っていない。 この頁では、収録した研究を、ビール・保存の条件・出し方・評価した人と尺度、という条件と一緒に並べる。 そのうえで、同じ実験の中で確かめられたことと、研究のあいだの違いから考えられる説明の候補と、 この比較だけでは分けられないことを、分けて書く。 ここで扱うのは味の感じ方の研究で、賞味期限やビールの選び方・飲み方の目安ではない。IBU と苦味の関係はIBU と苦味の頁で扱う。

このページの内容(10 節)
  1. この頁でわかること
  2. 収録した研究で言える範囲
  3. 苦味の評価の一覧
  4. 研究ごとの条件と結果
  5. 実験の中で確かめられたこと
  6. 結果の違いの説明の候補
  7. 分かっていないこと——この比較だけでは分けられないこと
  8. 研究と行の数え方
  9. 調べた範囲
  10. 図鑑で読む
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この頁でわかること

収録した研究で言える範囲

苦味の評価の一覧

人の苦味の評価の結果だけを抜き出した。研究ごとにビールと保存の条件と尺度が違う(試作のラガーを対照と比べた倍率、市販のラガーの点、冷蔵したラガーの段階の中央値)ので、値どうしを研究をまたいで比べない。 「向き」の欄は、どちらが苦かったかを「〜の方が苦い」で示す。この頁の行では、どれも値の大きい方が苦い。向きは掲載された平均や中央値の大小を示すもので、示した二つの条件のあいだの個別の検定の結果とは限らない。 差が有意かどうかは「向き・検定」の欄の検定の段で見る。有意差が検出されなかった行や、検定の記載が無い行もそのまま載せた。 苦い後味の行は苦味の強さでなく苦味の質に関係する後味の強さの項目で、表と考察で有意差の報告が一致しないことを見出しと注に書いた。研究名を押すと、条件の詳しい表へ移る。

人が苦味を評価した結果だけを抜き出した一覧。値の出所(表の値か図からの目測か)は各行に書いた。研究ごとに尺度も測り方も違うので、行の中で比べ、行どうしは比べない。

研究比べた組・条件測り方長く・高い温度で置いた試料比べた相手向き・検定
Pangborn ら 1977保存 132 日 対 6 日(評価期間の中央日)
茶色の瓶の試作ラガー 4 水準(9 BU の対照と、iso-α酸を足した 14.5・20.0・25.0 BU)を 3・15・25・35 ℃ に置いた。値は温度と添加の水準をまとめた集計の平均の平均。途中は 36 日 2.38、76 日 2.37、97 日 1.98
対照(9 BU)を 1 とした倍率(大きさの推定、12 人)。人の苦味で、BU(機器の値)ではない1.922.69比べた相手の方が苦い
検定あり・有意
Pangborn ら 1977保存 35 ℃ 対 3 ℃(時間をまとめた集計)
茶色の瓶の試作ラガー 4 水準(9 BU の対照と、iso-α酸を足した 14.5・20.0・25.0 BU)を 3・15・25・35 ℃ に置いた。値は温度ごとの平均で、時間と iso-α酸の添加水準をまとめた平均。15 ℃ は 2.16、25 ℃ は 2.14
対照(9 BU)を 1 とした倍率(大きさの推定、12 人)。人の苦味で、BU(機器の値)ではない2.182.16長く・高い温度で置いた試料の方が苦い
検定あり・有意差なし
Pangborn ら 1977保存 6 週(25 ℃)対 保存の前(苦味)
市販の瓶のラガー(17 BU)を pH・瓶の上の気体(酸素か二酸化炭素)を変えた 6 通りにし、3 ℃ に一晩置いてから 15 ℃ か 25 ℃ で 6 週間。値は pH・気体・出す温度(7 ℃ と 21 ℃)をまとめた保存の欄の平均。15 ℃ は 4.1
0(なし)〜10(強い)の点(訓練した 7 人)4.24.0長く・高い温度で置いた試料の方が苦い
検定あり・有意差なし
Pangborn ら 1977保存 6 週(15 ℃)対 保存の前(苦い後味。表と考察で有意差の報告が一致しない)
市販の瓶のラガー(17 BU)を pH・瓶の上の気体(酸素か二酸化炭素)を変えた 6 通りにし、3 ℃ に一晩置いてから 15 ℃ か 25 ℃ で 6 週間。値は pH・気体・出す温度(7 ℃ と 21 ℃)をまとめた保存の欄の平均。25 ℃ は 3.4
0(なし)〜10(強い)の点(訓練した 7 人)。苦味の強さでなく、苦味の質に関係する苦い後味の強さ3.63.4長く・高い温度で置いた試料の方が苦い
検定あり・有意差の報告はあるが、どの組の差かは不明
Wu ら 201130 ℃ で 12 週 対 新鮮(4 ℃ で保管)
同じ市販のラガー(375 mL の王冠の瓶)。製造ラインから採った新鮮なもの(LB)と、それを 30 ℃ で 12 週間置いたもの(ALB)。高い温度で老化を早めた試料で、自然な熟成ではない
1(弱い)〜10(強い)の点(QDA、専門のパネル 6〜10 人)。± の種類は記載なし3.1 ± 0.46.6 ± 0.5比べた相手の方が苦い
検定の記載なし
Salek ら 2022保存 6 か月 対 0 か月(4 種とも中央値は同じ)
茶色の 0.5 L 瓶のチェコのラガーを 4 ± 2 ℃・日光と紫外線なしで保存(冷蔵)。元麦汁エキス 10.0・11.0・11.5・12.0% の 4 種で、どれも同じ値と文字
5 段階の中央値(1 やっと分かる・3 中くらい・5 とても強い、16 人)。かっこは有意の文字3(aA)3(aA)ほぼ同じ
検定あり・有意差なし
Salek ら 2022保存 1 か月 対 0 か月(元麦汁エキス 11.0%)
茶色の 0.5 L 瓶のチェコのラガーを 4 ± 2 ℃・日光と紫外線なしで保存(冷蔵)。2〜6 か月はどれも 3(aA)に戻った
5 段階の中央値(1 やっと分かる・3 中くらい・5 とても強い、16 人)。かっこは有意の文字4(bB)3(aA)長く・高い温度で置いた試料の方が苦い
検定あり・有意
Salek ら 2022保存 4 か月 対 0 か月(元麦汁エキス 11.5%)
茶色の 0.5 L 瓶のチェコのラガーを 4 ± 2 ℃・日光と紫外線なしで保存(冷蔵)。1〜3 か月と 5・6 か月は 3(aA)
5 段階の中央値(1 やっと分かる・3 中くらい・5 とても強い、16 人)。かっこは有意の文字4(bB)3(aA)長く・高い温度で置いた試料の方が苦い
検定あり・有意

研究ごとの条件と結果

研究ごとに、ビール・保存の条件・出し方・評価した人の条件と、測った結果を並べる。行の単位は「研究×測定結果」で、 同じ研究の中の別の比較は別の行にした。各行の下に、論文での位置と、 その行が「包装したビールを保存したとき、保存の期間や温度で、人が感じる苦味の強さや質が変わるか」の比較に使えるかを、理由と一緒に書いた。 空欄にせず、「記載なし」(論文に書かれていない)、「読んでいない」、「該当しない」を書き分けている。

Pangborn ら 1977 官能だけ

Sensory quantification of bitterness and flavour of beer during storage. Journal of the Institute of Brewing 83(4):244-250 — doi:10.1002/j.2050-0416.1977.tb03803.x

原文の確認の深さ
全文で確認 — Wiley の Free Access の PDF の全文 7 頁(実験 2・3 の方法、表 V・VIII、図 1、考察)。表 V・VIII は頁画像で確認。表 V の時間の自由度 3 は掲載の 5 時点と合わない(原典のまま) 確かめた者: LLM(読み取りの係が抜き出し、別の者が原典で照合。人の確認は無い)、2026-10-22。
試料
実験 2: 地元の醸造所に注文した試作のラガー(茶色の瓶。後発酵のホップの添加を省いて 9 BU)。iso-α酸を足して 14.5・20.0・25.0 BU にした 3 つと、足さない対照(開けて閉め直し、同じように扱った)。実験 3: 市販のラガー(17 BU、pH 4.20)を pH 3.7 と 4.6 に調整したものと調整しないもの、瓶の上の空間を酸素か二酸化炭素にしたもの
加工・調理
実験 2: 3・15・25・35 ℃ の部屋に置き、調製の 4 日後から評価を始め、34・74・95・130 日後にもくり返した(評価期間の中央日 6・36・76・97・132 日)。実験 3: 3 ℃ に一晩置いてから 15 ℃ か 25 ℃ で 6 週間。容器は瓶(色の記載なし)
出し方・食べ方
実験 2: 6 ± 1 ℃、赤い照明の下。瓶は出す直前に開け、少量だけ飲み込む。実験 3: 7 ℃ と 21 ℃ の 2 通り
誰が・どの尺度で
実験 2: iso-α酸の苦味への感度で選んだ 12 人(21〜30 歳)。対照(9 BU)を 1 とし、何倍強いかを上限のない数で答える。分散分析と LSD(表 V の下線内は p<0.001 で差なし)。実験 3: 経験のある訓練した 7 人。0(なし)〜10(強い)。各試料を出す温度ごとに 14 回(7 人 × 2 回)。表 VIII に有意の記号
測ったもの比べた組・条件長く・高い温度で置いた試料比べた相手単位向き・検定
苦味の強さ(官能)保存 132 日 対 6 日(評価期間の中央日)
茶色の瓶の試作ラガー 4 水準(9 BU の対照と、iso-α酸を足した 14.5・20.0・25.0 BU)を 3・15・25・35 ℃ に置いた。値は温度と添加の水準をまとめた集計の平均の平均。途中は 36 日 2.38、76 日 2.37、97 日 1.98
1.922.69対照(9 BU)を 1 とした倍率(大きさの推定、12 人)。人の苦味で、BU(機器の値)ではない比べた相手の方が苦い
検定あり・有意
時間の主効果 F=41.591(p<0.001)。表 V の LSD の下線では 6・36・76 日と 97・132 日が別の群(同じ下線の中は p<0.001 で差なし。下線の読みは Codex の頁画像での照合による)。本文は、長く置いた試料が 34〜78 日の試料より各水準で有意に苦味が弱かったと書く。主効果の検定は 2 時点だけの比較ではない。表の時間の自由度 3 は掲載の 5 時点と合わない(原典のまま)。BU は 17.1 から 14.9 原典の位置: 表 V(p.247)、図 1、結果の実験 2 の節
包装したビールを保存したとき、保存の期間や温度で、人が感じる苦味の強さや質が変わるかの比較に: 限られる — 同じ試作ビールを置く期間を変えて、苦味に敏感な 12 人が評価したが、iso-α酸を足した試作のビールで、値は温度と添加の水準をまとめた集計の倍率
苦味の強さ(官能)保存 35 ℃ 対 3 ℃(時間をまとめた集計)
茶色の瓶の試作ラガー 4 水準(9 BU の対照と、iso-α酸を足した 14.5・20.0・25.0 BU)を 3・15・25・35 ℃ に置いた。値は温度ごとの平均で、時間と iso-α酸の添加水準をまとめた平均。15 ℃ は 2.16、25 ℃ は 2.14
2.182.16対照(9 BU)を 1 とした倍率(大きさの推定、12 人)。人の苦味で、BU(機器の値)ではない長く・高い温度で置いた試料の方が苦い
検定あり・有意差なし
向きは掲載平均の大小を示す。4 温度の主効果(F=0.209)は有意でない。3 ℃ と 35 ℃ の組の検定ではない。この実験の集計の結果で、温度一般について言えるものではない。BU(機器の値)は 35 ℃ 14.4・3 ℃ 16.7(15 ℃ 16.0、25 ℃ 15.4)で、温度の主効果は F=216.246(p<0.001)。人の苦味と BU は分けて読む 原典の位置: 表 V(p.247)、図 1、結果の実験 2 の節
包装したビールを保存したとき、保存の期間や温度で、人が感じる苦味の強さや質が変わるかの比較に: 限られる — 保存の温度を変えて人が評価したが、4 温度の主効果の検定で、3 ℃ と 35 ℃ の組の検定ではなく、時間をまとめた集計
苦味の強さ(官能)保存 6 週(25 ℃)対 保存の前(苦味)
市販の瓶のラガー(17 BU)を pH・瓶の上の気体(酸素か二酸化炭素)を変えた 6 通りにし、3 ℃ に一晩置いてから 15 ℃ か 25 ℃ で 6 週間。値は pH・気体・出す温度(7 ℃ と 21 ℃)をまとめた保存の欄の平均。15 ℃ は 4.1
4.24.00(なし)〜10(強い)の点(訓練した 7 人)長く・高い温度で置いた試料の方が苦い
検定あり・有意差なし
向きは掲載平均の大小を示す。表 VIII の保存の欄に有意の記号が無い(記号は前の平均のあいだの有意差を示す)。個別比較の p 値は未記載。考察は、酸素の気体は苦味に目立つ影響を与えなかったと書く 原典の位置: 表 VIII(p.248)、考察(p.249)
包装したビールを保存したとき、保存の期間や温度で、人が感じる苦味の強さや質が変わるかの比較に: 限られる — 市販のビールを 6 週置いて訓練した 7 人が評価したが、pH と瓶の上の気体を変えた試料と出す温度をまとめた集計で、期間は 6 週だけ
苦味の強さ(官能)保存 6 週(15 ℃)対 保存の前(苦い後味。表と考察で有意差の報告が一致しない)
市販の瓶のラガー(17 BU)を pH・瓶の上の気体(酸素か二酸化炭素)を変えた 6 通りにし、3 ℃ に一晩置いてから 15 ℃ か 25 ℃ で 6 週間。値は pH・気体・出す温度(7 ℃ と 21 ℃)をまとめた保存の欄の平均。25 ℃ は 3.4
3.63.40(なし)〜10(強い)の点(訓練した 7 人)。苦味の強さでなく、苦味の質に関係する苦い後味の強さ長く・高い温度で置いた試料の方が苦い
検定あり・有意差の報告はあるが、どの組の差かは不明
向きは掲載平均の大小を示す。表と考察で有意差の報告が一致しない。表 VIII の保存の欄には有意の記号が無いが、考察は保存中に苦い後味が有意に増え、とくに二酸化炭素の試料で増えたと書く。有意な保存の効果として確定できないので、食い違いとして残す。表 VIII の脚注は ** を p<0.1 と印刷している(表 VII は p<0.01) 原典の位置: 表 VIII(p.248)、考察(p.249)
包装したビールを保存したとき、保存の期間や温度で、人が感じる苦味の強さや質が変わるかの比較に: 限られる — 苦味の質(苦い後味)の比較だが、表と本文が合わず、有意かどうかを決められない

Wu ら 2011 官能だけ

Identification of a Protein with Antioxidant Activity that is Important for the Protection against Beer Ageing. International Journal of Molecular Sciences 12(9):6089–6103 — doi:10.3390/ijms12096089

原文の確認の深さ
全文で確認 — Europe PMC の全文(結果・考察の 2.1 節、方法の 3.1・3.2 節、図 1)。官能は結果・考察の 2.1 節で、論文の主題はビールのタンパク質 確かめた者: LLM(読み取りの係が抜き出し、別の者が原典で照合。人の確認は無い)、2026-10-22。
試料
オーストラリアの市販のラガー(375 mL の王冠の瓶)。新鮮なもの(LB)は製造ラインから採った。別の製品のヴィンテージ(VLB、年 1 回の特別醸造)も評価されたが、同じビールを置いたものではないので、この表の行にはしない
加工・調理
新鮮な LB は 4 ℃ で保管。老化させた ALB は同じ LB を 30 ℃ で 12 週間置いた。VLB は 2003 年に瓶詰めし 2007 年まで 20 ℃(要旨は 5 年と書く)
出し方・食べ方
記載なし(出す温度・量・容器)
誰が・どの尺度で
高度に訓練した専門のパネル 6〜10 人(評価した実際の人数は記載なし)。QDA で 1(弱い)〜10(強い)。苦味の群のあいだの検定の記載なし。値は平均 ± 誤差(誤差の種類の記載なし)
測ったもの比べた組・条件長く・高い温度で置いた試料比べた相手単位向き・検定
苦味の強さ(官能)30 ℃ で 12 週 対 新鮮(4 ℃ で保管)
同じ市販のラガー(375 mL の王冠の瓶)。製造ラインから採った新鮮なもの(LB)と、それを 30 ℃ で 12 週間置いたもの(ALB)。高い温度で老化を早めた試料で、自然な熟成ではない
3.1 ± 0.46.6 ± 0.51(弱い)〜10(強い)の点(QDA、専門のパネル 6〜10 人)。± の種類は記載なし比べた相手の方が苦い
検定の記載なし
苦味の群のあいだの検定の記載なし。本文は、老化させたビールは甘くなり、ボディと苦味を失ったと書く。同じ節の官能評点で紙っぽさは 0 から 4、甘味は 3.6 から 5 原典の位置: 結果・考察の 2.1 節、図 1、方法の 3.1・3.2 節
包装したビールを保存したとき、保存の期間や温度で、人が感じる苦味の強さや質が変わるかの比較に: 限られる — 同じ市販のビールを高い温度で置いて専門のパネルが評価したが、30 ℃ で老化を早めた試料で、検定の記載が無く、パネルは 6〜10 人で各評価の正確な人数は記載なし

Salek ら 2022 官能だけ

Physicochemical and Sensory Properties of Czech Lager Beers with Increasing Original Wort Extract Values during Cold Storage. Foods 11(21):3389 — doi:10.3390/foods11213389

原文の確認の深さ
全文で確認 — PMC の全文(2.1・2.6・2.7 節、3.3・3.5 節、表 3)。BU の図 2 は画像が取れず読んでいない 確かめた者: LLM(読み取りの係が抜き出し、別の者が原典で照合。人の確認は無い)、2026-10-22。
試料
チェコの工業の醸造所で作ったラガー 4 種(元麦汁エキス 10.0・11.0・11.5・12.0%)。各 3 回の醸造。濾過して PVPP で安定化し、茶色の 0.5 L ガラス瓶に詰め、25 PU の加熱殺菌
加工・調理
温度を管理した部屋で 4 ± 2 ℃、日光と紫外線なしで 6 か月。製造の直後(0 か月)と 1〜6 か月に毎月評価
出し方・食べ方
50 mL をにおいのないグラスで、20 ± 2 ℃。3 桁の番号で順番はランダム
誰が・どの尺度で
ISO 8586-1 で訓練した専門の評価者 16 人(24〜61 歳)。苦味の強さを 5 段階(1 やっと分かる・3 中くらい・5 とても強い)。Kruskal–Wallis 検定と Wilcoxon 検定(有意水準 0.05)。表 3 は中央値と有意の文字(小文字は同じビールの保存の月のあいだ、大文字は同じ月のビールのあいだ)
測ったもの比べた組・条件長く・高い温度で置いた試料比べた相手単位向き・検定
苦味の強さ(官能)保存 6 か月 対 0 か月(4 種とも中央値は同じ)
茶色の 0.5 L 瓶のチェコのラガーを 4 ± 2 ℃・日光と紫外線なしで保存(冷蔵)。元麦汁エキス 10.0・11.0・11.5・12.0% の 4 種で、どれも同じ値と文字
3(aA)3(aA)5 段階の中央値(1 やっと分かる・3 中くらい・5 とても強い、16 人)。かっこは有意の文字ほぼ同じ
検定あり・有意差なし
開始時と 6 か月後は苦味評点の中央値が同じで、同じ小文字 a のため有意差は検出されなかった。差が無いことを示したのではない。途中の月には有意差の表示がある上昇が 2 例ある(同じ研究の別の行)。本文の 3.5 節は苦味が 5 か月まで同程度(p≥0.05)だったとまとめるが、表 3 の途中の 2 例の有意差の表示と合わない 原典の位置: 表 3、3.5 節
包装したビールを保存したとき、保存の期間や温度で、人が感じる苦味の強さや質が変わるかの比較に: 限られる — 同じビールを冷蔵で 6 か月置いて訓練した 16 人が評価したが、整数の中央値で細かい差は見えず、冷蔵(4 ℃)の結果
苦味の強さ(官能)保存 1 か月 対 0 か月(元麦汁エキス 11.0%)
茶色の 0.5 L 瓶のチェコのラガーを 4 ± 2 ℃・日光と紫外線なしで保存(冷蔵)。2〜6 か月はどれも 3(aA)に戻った
4(bB)3(aA)5 段階の中央値(1 やっと分かる・3 中くらい・5 とても強い、16 人)。かっこは有意の文字長く・高い温度で置いた試料の方が苦い
検定あり・有意
小文字が a から b に変わり、保存の月のあいだで有意(Kruskal–Wallis と Wilcoxon、p<0.05)。一方向の変化ではなく、その後は 0 か月と同じ値に戻った。本文はこの上昇を説明しておらず、3.5 節の「5 か月まで同程度(p≥0.05)」という総括とも合わない 原典の位置: 表 3、3.5 節
包装したビールを保存したとき、保存の期間や温度で、人が感じる苦味の強さや質が変わるかの比較に: 限られる — 冷蔵で途中の月に有意差の表示がある上昇だが、その後は元の値に戻り、保存が長いほど苦くなる向きではない
苦味の強さ(官能)保存 4 か月 対 0 か月(元麦汁エキス 11.5%)
茶色の 0.5 L 瓶のチェコのラガーを 4 ± 2 ℃・日光と紫外線なしで保存(冷蔵)。1〜3 か月と 5・6 か月は 3(aA)
4(bB)3(aA)5 段階の中央値(1 やっと分かる・3 中くらい・5 とても強い、16 人)。かっこは有意の文字長く・高い温度で置いた試料の方が苦い
検定あり・有意
小文字が a から b に変わり、保存の月のあいだで有意(Kruskal–Wallis と Wilcoxon、p<0.05)。一方向の変化ではなく、5 か月には 0 か月と同じ値に戻った。本文はこの上昇を説明しておらず、3.5 節の「5 か月まで同程度(p≥0.05)」という総括とも合わない 原典の位置: 表 3、3.5 節
包装したビールを保存したとき、保存の期間や温度で、人が感じる苦味の強さや質が変わるかの比較に: 限られる — 冷蔵で途中の月に有意差の表示がある上昇だが、その後は元の値に戻り、保存が長いほど苦くなる向きではない

実験の中で確かめられたこと

同じ研究の中の比較で観察された結果だけを書く。人の苦味と BU は分けて書く。

結果の違いの説明の候補

研究のあいだで違う条件のうち、苦味の結果の違いを説明しうるものと、著者の解釈。 複数の条件が同時に違うので、どれが効いたかは分からない。ここに書くのは候補で、原因ではない。

分かっていないこと——この比較だけでは分けられないこと

研究と行の数え方

根拠の行の数は、研究の数ではない。表の行・台帳の根拠の行・論文・研究グループを分けて数える。

調べた範囲

この問いのために見た資料と、表に入れた・除いた理由を残す。 Europe PMC と J-STAGE で、ビールの保存・老化・賞味期間と、人の苦味の評価を組み合わせて探し、研究所の台帳にある資料と合わせた。 全文に当たれなかった研究と、要旨までしか読んでいない研究、図の値を読めていない研究は、その旨を書き分けた。 使うホップの古さを変えた研究は、包装後の保存期間を変えた比較ではないので、表に入れていない。 ここに書いた探し方は記録で、探し漏れが無いことを示すものではない。

資料扱い理由
Sensory quantification of bitterness and flavour of beer during storage (1977) doi表に入れた試作のラガーを置く期間と温度を変え(実験 2)、市販のラガーを 6 週置いて(実験 3)、訓練した人が苦味と苦い後味を評価した。Wiley の Free Access の全文で読んだ。市販の 17 銘柄の年齢と苦味の相関(実験 1)は、銘柄・製品の違いと瓶詰め後の期間が重なり、同じビールの保存の効果を分けられないので、結果の行にしていない
Identification of a Protein with Antioxidant Activity that is Important for the Protection against Beer Ageing (2011) doi表に入れた同じ市販のラガーの新鮮なものと 30 ℃ で 12 週置いたものを専門のパネルが評価した。検定の記載なし。別の製品のヴィンテージは行にしていない。全文で読んだ
Physicochemical and Sensory Properties of Czech Lager Beers with Increasing Original Wort Extract Values during Cold Storage (2022) doi表に入れた瓶のラガー 4 種を冷蔵で 6 か月置き、訓練した 16 人が毎月苦味の強さを評価した。全文で読んだ(BU の図は読んでいない)
Changes in bitterness as beer ages naturally (1999) doi表に入れず、文脈の資料として見た市販のラガー 8 種の年齢の違う試料を専門のパネルが時間強度法で評価した研究。この頁では要旨だけを使う(本文は出版社などの正規の置き場で読めていない)。要旨は、苦味は年齢とともに下がったが、その差は新しい 8 種のあいだの違い(約 10 EBU にわたる)より小さかったと書き、時間に関する指標より強さに関する指標が試料を分けたとする。要旨には保存の条件・容器・値・検定の結果が無いので、行にしていない
Application of High-Pressure Processing to Assure the Storage Stability of Unfiltered Lager Beer (2020) doi表に入れず、文脈の資料として見た高圧処理した無濾過のラガーと処理しないものを 8 ℃ で 2 か月置き、訓練した 8 人が 0〜5 で評価した。本文は、2 か月後にどの試料でも後に残る苦味が下がったと書くが、値は図 3 にだけあり、図を読めていないので数値と個別の検定は未確認。主題は高圧処理
Multivariate Analysis of the Influence of Microfiltration and Pasteurisation on the Quality of Beer during Its Shelf Life (2023) doi表に入れず、文脈の資料として見た瓶のラガーを 55 ℃ で 6 日置いて老化を早め、訓練した 11 人が苦味を含む味を 1〜10 で評価した(表 2)。苦味の値は図 2 にだけあり、本文に苦味の結果の記述が無いので、値・向き・検定は確かめられていない。精密濾過した新鮮な試料に腐敗の菌が見つかっている
Monitoring the Evolution of the Aroma Profile of Lager Beer in Aluminium Cans and Glass Bottles during the Natural Ageing Process by Means of HS-SPME/GC-MS and Multivariate Analysis (2023) doi除いた缶と瓶のラガーを 14 ℃ の暗所で 6 か月と 11 か月置いたが、人の評価は鼻だけで嗅ぐ三点識別で、苦味は評価していない
Impact of Hop Freshness on Dry Hopped Beer Quality (2022) doi表に入れず、文脈の資料として見た包装後の保存期間を変えた比較ではなく、使うホップの古さを変えた比較(瓶詰めした後は冷蔵で置いている)。IBU と苦味の頁で使っている
The Impact of Hop Freshness on Kettle-Hopped Beers (2023) doi表に入れず、文脈の資料として見た包装後の保存期間を変えた比較ではなく、使うホップの古さと煮沸の時間を変えた比較(瓶詰めした後は冷蔵で置いている)。IBU と苦味の頁で使っている
Implications of Temperature Abuse on Unpasteurized Beer Quality Using Organoleptic and Chemical Analyses (2020) doi除いた温度の管理が乱れた未殺菌のクラフトビールを未訓練の人が三点識別で比べたもので、苦味は人が評価していない(BU は機器で測った)
Comprehensive sensomics analysis of hop-derived bitter compounds during storage of beer (2011) doi除いた原典照合は済んでいない(読み取りの係の探索の記録による。正規の要旨の保存場所と根拠の箇所を示して再照合する対象)。題から、保存中のホップ由来の苦い成分を調べた研究で、人が保存の前後の苦味を比べたかは確かめていない
Aging characteristics of different beer types (2007) doi全文に当たれない原典照合は済んでいない。題・年・DOI はほかの原典の参考文献と一致するだけの間接の照合で、内容と全文が取れなかった理由は独立に確かめていない(正規の要旨の保存場所と根拠の箇所を示して再照合する対象)。苦味の項目があるかは確かめていない

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出典台帳

表の各研究の出典は、研究ごとの欄からたどれる。研究所の全体の出典は出典台帳にまとめている。

この頁の引用のしかた

青木大(NIGAMI LAB)(2026). ビールは古くなると苦味が変わるのか — 研究ごとの条件と結果. https://nigamilab.com/topics/beer-ageing-bitterness/

主張ごとの固定リンクは各カードの #clm-… です。データは CC BY 4.0、配布は データを使う。 データセットの DOI: 10.5281/zenodo.22739101