English

加工・条件

スキンコンタクト(果皮浸漬)

skin-contact maceration (grape must)

スキンコンタクト(果皮浸漬)は、白・グレー系ブドウの果皮や種子を、発酵前後にわたって果汁と接触させたまま置く工程。フェノール類の抽出量が増えるほど渋味・苦味の知覚が変わりうるとされ、長期間適用した白ワインは『オレンジワイン』『アンバーワイン』などと呼ばれる。

説明を読む ↓

加工・条件 / process-skin-contact-maceration

このページの内容(7 節)
  1. 説明
  2. この説明の根拠(3)
  3. 主題ハブ
  4. 別名
  5. 関連をたどる
  6. 関連項目(10)
  7. 感覚(3)
↑

苦味を読む

スキンコンタクト(果皮浸漬)とは、白・グレー系ブドウの果皮や種子を、発酵の前後にわたって果汁と接触させたまま置く醸造工程を指す。フェノール類の抽出が進むほど渋味や苦味の知覚が変わりうるとされ、この工程を長く適用した白ワインは「オレンジワイン」「アンバーワイン」と呼ばれる。2015年の研究は、リースリングとゲヴュルツトラミネール(2009年・2010年産)で果皮浸漬時間を変えて仕込んだワインを、記述分析(DA)・時間強度法(TI)・感覚支配時間法(TDS)という3手法で比較した。果皮上で完全発酵させたワインは、DA・TIではどのワインよりも有意に苦味が強かった。ところが同じワインをTDSで見ると、優勢だった感覚は苦味ではなく渋味の口内感触だった。品種間の差も見られ、リースリングは苦味と色のみに有意差が出たのに対し、ゲヴュルツトラミネールは苦味・甘味・酸味・渋味と複数の香り属性・色にわたって差が確認された。測定手法によって「何が優勢な感覚か」の結論が食い違いうることを示す例である。

2026年に発表された学会ポスターは、アルメニア産Mskhali種とジョージア原産で同国でも広く栽培されるRkatsiteli種を用い、自然発酵・低介入のスキンコンタクト仕込み(オレンジワイン)を、アルメニア・イタリアの2つのパネルで記述評価した。共有された記述子には、ドライフルーツ・煮りんご・杏・くるみ・蜂蜜・青い(vegetal)ノート・オレンジブロッサムに加えて「中程度の苦味」と「紅茶様の渋味」が挙げられた。化学分析ではアルコール10.7-11.9%、滴定酸4.20-5.83 g/L、pH3.52-4.07という幅があり、Rkatsiteliの方がフェノール含量が高いと報告された。両品種をブレンドした「Yerevak Orange Natural」は、Mskhali単体よりも構造化された紅茶様のタンニン感を持つとされた。この報告は査読の有無が資料上明記されておらず、ポスター形式・小規模である点を踏まえ、暫定的な結果として扱う。

南アフリカ産シュナンブランを用いた別の研究では、同じ原料ブドウを果皮浸漬なしの対照区、発酵前だけ果皮に浸漬した区(ScBF)、果皮上で全発酵させた区(FoS)の3条件に分けて仕込み、記述分析パネルで評価した。苦味属性の平均強度は対照区30.36・ScBF区31.16(対照と有意差なし)・FoS区46.70(対照より有意に高い、p<0.001)となった。同じワインは渋味・酸味についても、対照区よりFoS区の方が強いとパネルに評価された。発酵前の短時間の果皮接触だけでは苦味に有意な変化が見られない一方、果皮上での全発酵という長い接触では苦味が有意に増したことになる。

この説明の根拠

  1. Sensory impact of skin contact on white wines characterized by descriptive analysis, time-intensity analysis and temporal dominance of sensations analysis

    Sokolowsky M; Rosenberger A; Fischer U / 2015 / 学術論文 / 抄録確認

    この本文で確認した範囲: DA/TI/TDS3手法比較の測定結果を要約した

  2. Comparative analytical and sensory profiling of Armenian orange wines from widely cultivated grape varieties under low-intervention skin-contact vinification

    Mikayelyan M; Kazumyan K; Baghdasaryan J; Petrozziello M; Piano F; Asproudi A; Tsolakis C; Bonello F / 2026 / 資料 / 全文確認

    この本文で確認した範囲: 2パネルが共有した記述子と苦味評を採用/化学分析値と品種間比較の数値を採用

  3. Effect of Skin Contact Before and During Alcoholic Fermentation on the Chemical and Sensory Profile of South African Chenin Blanc White Wines

    Aleixandre-Tudo JL; Weightman C; Panzeri V; Nieuwoudt HH; du Toit WJ / 2015 / 学術論文 / 全文確認

    この本文で確認した範囲: 接触時間の長さによる苦味変化の条件依存性を示す3条件の数値

別名: orange wine(en・同定medium)

関連をたどる

ワイン →知覚苦味に影響する要因→ スキンコンタクト(果皮浸漬)

スキンコンタクト(果皮浸漬) →増加させる→ 苦味 →と分けて測定できる→ 渋味

構造化された主張 — 節を開くと、主張ごとの確度・根拠・限界が読めます

感覚(3)

ワインの知覚苦味に影響する要因: スキンコンタクト(果皮浸漬)支持あり

範囲: リースリング・ゲヴュルツトラミネール(2009年・2010年産)、果皮浸漬時間を変えて仕込んだワイン。記述分析(DA)・時間強度法(TI)・感覚支配時間法(TDS)の3手法で比較。

注記: 記述分析ではリースリングは苦味と色のみで差が出たのに対し、ゲヴュルツトラミネールは苦味・甘味・酸味・渋味と複数の香り属性・色で有意差が出た。果皮上で完全発酵させたワインは、時間強度法・記述分析ではどのワインよりも有意に苦味が強かったが、感覚支配時間法(TDS)ではそのワインで優勢だった感覚は苦味ではなく渋味の口内感触だった。測定手法(DA/TIとTDS)によって『どちらが優勢か』の結論が食い違いうることを示す例として収載。

果皮上で完全発酵させたワインは時間強度法・記述分析では最も苦味が強かったが、感覚支配時間法(TDS)では優勢な感覚は苦味でなく渋味だった。品種間でも果皮浸漬に対する反応の幅が異なった。
限界: 品種2種・特定の醸造条件に限定。手法によって『何が優勢か』の結論が変わりうることを主張自体が含む。
データを表示ingredient-wine —has_perceived_bitterness_affected_by→ process-skin-contact-maceration
claim: clm-sokolowsky-2015-skin-contact-bitter-astringent-riesling-gewurztraminer / type: sensory / 更新: 2026-09-01
ワインの知覚苦味と関連する要因: スキンコンタクト(果皮浸漬)予備的

範囲: アルメニア産Mskhali種・ジョージア原産で同国でも広く栽培されるRkatsiteli種、低介入・自然発酵によるスキンコンタクト(オレンジワイン)仕込み。アルメニア・イタリアの2パネルによる記述評価。WAC-IVAS 2026学会ポスター発表(2026-06-25付、DOI未確認)。

注記: 2パネルが共有した記述子として、ドライフルーツ・煮りんご・杏・くるみ・蜂蜜・青い(vegetal)ノート・オレンジブロッサムに加え、『中程度の苦味』と『紅茶様の渋味』が挙げられた。査読の有無が資料上明記されておらず、ポスター形式・小規模である点を踏まえ preliminary とする。

アルメニア・イタリアの2パネルが共有した記述子に『中程度の苦味』と『紅茶様の渋味』が含まれた。全文で醸造条件(自然発酵・野生酵母・果帽管理1日2-3回・約1年熟成・無添加/無亜硫酸)、化学分析値(アルコール10.7-11.9%、滴定酸4.20-5.83 g/L、pH3.52-4.07)、Rkatsiteliの高フェノール含量、ブレンド(Yerevak Orange Natural)がMskhali単体よりも構造化された紅茶様タンニン感を持つという品種間比較を確認。
限界: 査読状況不明、小規模・ポスター形式、DOI未確認。
出典: Comparative analytical and sensory profiling of Armenian orange wines from widely cultivated grape varieties under low-intervention skin-contact vinification(Mikayelyan M; Kazumyan K; Baghdasaryan J; Petrozziello M; Piano F; Asproudi A; Tsolakis C; Bonello F, 2026)・全文確認
自然発酵・低介入のスキンコンタクト醸造(果帽管理1日2-3回、無亜硫酸、約1年熟成)で造られたアルメニア産Mskhali単一品種、Rkatsiteli単一品種、および両者のブレンド(Yerevak Orange Natural)を、アルメニア・イタリアの2パネルが評価。品種間で化学組成(アルコール10.7-11.9%、滴定酸4.20-5.83 g/L、pH3.52-4.07)に幅があり、Rkatsiteliはフェノール含量が高いと報告された。感覚面では、ブレンドがMskhali単体よりも『より構造化された、紅茶様のタンニン感』を持つとされ、フェノール含量の品種差と渋味の質的差が対応している可能性を示唆する(ただし統計的相関の提示はない)。
限界: 査読の有無不明、ポスター形式、DOI未確認。フェノール含量と渋味・苦味知覚の対応は記述レベルの示唆であり、定量的相関や統計検定は提示されていない。品種別entity(Mskhali種・Rkatsiteli種)はentities.csvに未登録のため、品種別claimは起こさず本行に収載。
出典: Comparative analytical and sensory profiling of Armenian orange wines from widely cultivated grape varieties under low-intervention skin-contact vinification(Mikayelyan M; Kazumyan K; Baghdasaryan J; Petrozziello M; Piano F; Asproudi A; Tsolakis C; Bonello F, 2026)・全文確認
データを表示ingredient-wine —has_perceived_bitterness_associated_with→ process-skin-contact-maceration
claim: clm-mikayelyan-2026-armenian-orange-wine-bitter-astringent-descriptors / type: sensory / 更新: 2026-09-01
スキンコンタクト(果皮浸漬)は苦味を増加させる支持あり

範囲: 層: 食品。南アフリカ産シュナンブラン、同一原料ブドウを対照(果皮浸漬なし)・発酵前果皮浸漬(ScBF)・果皮上での全発酵(FoS)の3条件で仕込み、記述分析パネルで評価。

注記: 既存2主張(Sokolowsky 2015・Mikayelyan 2026)とは別の資料。果皮接触が発酵前の短時間だけか、発酵全体を通じてかで苦味への影響が異なる(前者は有意差なし、後者は有意に増加)という条件依存性を追加する。

Table 5 の苦味の値は、Control 30.36(a)、ScBF 31.16(a)、FoS 46.70(b)、p 値 0.000、有意水準の印は **(異なる上付き文字は有意差ありで、p<0.05のLSD Fisher検定)。本文は、FoS のワインはテイスターにより、より渋く、苦く、酸っぱいとも評された(Table 5)と記す。
限界: パネリスト人数・訓練内容の詳細記載は本文からは確認できていない。
出典: Effect of Skin Contact Before and During Alcoholic Fermentation on the Chemical and Sensory Profile of South African Chenin Blanc White Wines(Aleixandre-Tudo JL; Weightman C; Panzeri V; Nieuwoudt HH; du Toit WJ, 2015)・全文確認
データを表示process-skin-contact-maceration —increases→ sensation-bitter
claim: clm-w71c2-cheninblanc-skincontact-bitter-da / type: sensory / 更新: 2026-09-07

↑ このページの上へ ・ ← 図鑑(加工・条件)へ戻る