レシピ — にがみラボ構成。工程ごとに、苦味が動くかどうかの札と根拠を付けます
大根おろし——首に近い上のほうをおろす
大根おろしの苦味を弱めたいなら、首に近い上のほうをおろす。3品種の大根を20名が食べ比べた試験で、上のほうは先のほうより苦味と辛味が弱く、甘味とうま味が強かった。

材料
- 大根 首に近い上のほう 5〜6 cm(約150 g)
関連する図鑑の項目: 大根
手順と苦味の札
大根の首に近い上のほうを5〜6 cm切り分け、皮をむく。減る
3品種すべてで、上のほう(頭部)は先のほう(尾部)より苦味と辛味が弱く、甘味とうま味が強かった(20名の順位法、危険率1%で有意)。料理家のいか大根も「甘みの強い上部」を使う。
おろし器でおろす。未検証
おろし器の目で苦味が変わるかは、この研究では測っていない。辛味大根では、目の細かい金属製のほうが目の粗いプラスチック製より辛かった(危険率0.1%で有意)。
軽く汁気を切って器に盛る。未検証
汁気を切ると苦味が変わるかは、この研究では測っていない。
辛さを和らげたいなら、少し置いてから食べる。未検証
置く時間で苦味が変わるかは測られていない。辛味大根では、おろした直後がもっとも辛く、60分置いたものがもっとも弱かった(順位法、危険率1%で有意)。青首などの普通の大根では、辛味も測っていない。調味料を加えても辛味大根の辛味は弱まったが、試験は調味液の中でおろした場合で、後からかけた場合は測っていない。
苦味と辛味をきかせたい日は、先のほうをおろす。残す
同じ試験で、先のほう(尾部)は上のほうより苦味と辛味が強かった。
札の意味: 減る=その工程で苦味が弱まると測った資料がある/残す=苦味を弱めない選び方/変わらない=測っても動かなかった/未検証=言い伝えや理屈はあるが測った資料が無い
なぜ苦いか
河村ら1989の実験では、青首・美濃早生・信州地の3品種の頭部・中部・尾部をおろし、20名が順位をつけた。3品種すべてで部位による差が危険率1%で有意で、先のほう(尾部)は上のほう(頭部)より辛味と苦味が強く、甘味とうま味が弱かった。同じ研究の成分分析では、上のほうは先のほうより水分とマグネシウムが少なく、還元糖とホルモール態窒素が多かった。著者は別の比較の箇所でマグネシウムを苦味の成分と呼んでいるが、上と先の味の差を成分で説明しきってはいない。

苦味を残す日

苦味と辛味をきかせたい日は、先のほう(尾部)をおろす。同じ試験で、先のほうは上のほうより苦味と辛味が強かった。
言えないこと
部位の差は、1988年に収穫した3品種を生でおろした比較で、煮た大根や長く保存した大根で同じになるかは測っていない。この研究はマグネシウム以外の成分と苦味の関係を検討していない。おろし器の目・おろしてからの時間・調味で変わることが確かめられているのは辛味大根の辛味だけで、苦味は比べられていない。調味の試験は調味液の中でおろした場合で、後からかけた場合は測っていない。分量は一般的な目安で、実験の量ではない。
にがみラボ構成(2026-09-30)。手順は河村ら1989の実験の操作(頭部・中部・尾部をそれぞれおろして味を比べる)を骨にし、上のほうを使う選び方はキッコーマンのいか大根の記述(甘みの強い上部を使う)とも合う。研究所では実作していない。試して違えば知らせてほしい。
根拠
範囲: 収穫後2~4日以内の3品種について頭部・中部・尾部をおろし、識別能力を確認した学生・調理学研究室員20名が評価。有意の印は頭部と尾部に付き、中部の位置は順位合計の並び。
注記: 生のおろし大根の結果。煮た大根の部位差や、完成した煮物の苦味を測ったものではない。
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ingredient-daikon-radish —has_perceived_bitterness_affected_by→ "部位。青首、美濃早生、信州地の3品種の頭部・中部・尾部をおろして比べた20名の順位法では、尾部は頭部より辛味と苦味が強く、甘味とうま味が弱かった。4味すべてで部位差は危険率1%で有意だった。中部の順位は3品種とも頭部と尾部のあいだだった。"範囲: 頭部と尾部の化学分析(表2)。青首・美濃早生・信州地は収穫後2~4日以内、辛味大根は2~5日以内。
注記: マグネシウムと苦味の強さの関係を直接確かめた試験ではない。この論文はマグネシウム以外の成分と苦味の関係を検討していない。
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ingredient-daikon-radish —has_composition→ "部位による成分差。青首・美濃早生・信州地の3品種では、頭部は尾部より水分とマグネシウムが少なく、ホルモール態窒素と還元糖が多かった。著者は、辛味大根と青首の尾部を比べる箇所で、マグネシウムを苦味の成分、ホルモール態窒素をうま味の成分と呼んでいる。頭部と尾部の差については、成分量の部位差が味に現れると述べるにとどまる。"範囲: キッコーマン「基本の和食、おうちの和ごはん」掲載のいか大根。
注記: 料理記録であり、部位別の煮物を比較した官能試験ではない。
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ingredient-daikon-radish —is_prepared_by→ "料理家による「いか大根」の調理記録では、甘みの強い上部を使い、味をなじませる構成を採る。"範囲: 辛味大根のおろし。評価したのは辛味だけで、苦味は比べていない。
注記: 著者は、目の細かいおろし器のほうが組織をよく壊し、辛味成分の生成が進むためと考察している。普通の大根(青首など)で同じ比較はしていない。
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ingredient-daikon-radish —has_flavor_affected_by→ "おろし器の目の粗さ。辛味大根を目の細かい金属製と目の粗いプラスチック製のおろし器でおろして比べた20名の二点識別試験では、目の細かいほうが危険率0.1%で有意に辛かった。"範囲: 辛味大根のおろしを0・20・40・60分置いて、20名が辛味を比べた。苦味は比べていない。
注記: 辛味成分の量がおろした直後にもっとも速く減るという先行研究(江崎ら)と一致すると著者は述べる。普通の大根で同じ比較はしていない。
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ingredient-daikon-radish —has_flavor_affected_by→ "おろしてからの時間。おろした辛味大根の辛味は、おろした直後がもっとも強く、60分置いたものがもっとも弱かった(順位法、危険率1%で有意)。二点識別試験では、0分と20分の間が危険率5%、0分と40分の間が0.1%、20分と60分の間が1%で有意で、20分と40分、40分と60分の間には有意差が無かった。"範囲: 辛味大根を調味液の中へおろして混ぜたものを、20名が辛味で比べた。後からかけた場合と、苦味は比べていない。
注記: 著者は、調味料が辛味成分の量を変えるのではなく、塩味・甘味・うま味・酸味が辛味を抑えたと考察している。普通の大根で同じ比較はしていない。
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ingredient-daikon-radish —has_flavor_affected_by→ "調味。2つの試験を行った。おろした辛味大根に水(対照)・食塩・しょうゆ・天つゆを加えた試験では、水がもっとも辛く天つゆがもっとも弱かった。水・食塩・食塩+食酢・三杯酢を加えた試験では、水がもっとも辛く三杯酢がもっとも弱かった(いずれも順位法、危険率1%で有意)。"骨にした資料: おろし辛味大根の辛味特性について / キッコーマン 基本の和食、おうちの和ごはん いか大根