レシピ — にがみラボ構成。工程ごとに、苦味が動くかどうかの札と根拠を付けます
レタスのサラダ——酢のドレッシングは、食べる直前に
レタスの苦味の強い成分は、噛む口の中で生まれる。酢を含むドレッシングを直前にかけて、噛みながら食べると、その生成が抑えられる。

材料
- レタス 4〜5枚(約100 g)
- 酢を含むドレッシング 大さじ1〜2(15〜30 mL。市販のノンオイル青じそなど、酢が入っていれば種類は問わない)
関連する図鑑の項目: レタス / 青じそドレッシング(ノンオイル) / ドレッシング
手順と苦味の札
葉を1枚ずつはがし、芯に近い切り口を流水で洗う。減る
切り口からにじむ乳液に苦味の成分が集まっている。乳液を洗い流すと苦味が減ることを、堀江2011は自身の前報として引く(数値はこの論文に無い)。
食べやすい大きさに手でちぎり、水気をしっかり切る。未検証
ちぎるか切るか、水気を切るかで苦味が動くかを測った資料は無い。水気が残るとドレッシングの酸が薄まる、という理屈は立つが、試験はない。
食べる直前に、酢を含むドレッシングをかけて全体にからめる。減る
エンダイブでは、酸性のノンオイル青じそドレッシング(pH 3.8)をかけて噛むと、苦味の強い成分の割合が45.5%から3.9%に下がった。同じ成分を持つレタスにも同じ仕組みが期待される。大会要旨の機器測定でも、ドレッシングの原料のうち食酢の苦味低減が特に大きかった。
かけたらすぐに食べる。よく噛む。減る
酸が効くのは、噛んでいるあいだに口の中に酸があるとき。実験は「かけて直ちに30秒噛む」手順で、6人全員がドレッシングをかけたほうを「苦味は弱く感じる」と答えた。時間を置いた場合を比べた試験はない。
苦味を残したい日は、酸の少ないドレッシングにする(油だけ、油の多いもの、シーザー)。残す
油だけのドレッシングで同じ作用が起きるかは調べられていない(堀江2011に油だけの対照は無い)。シーザーはチーズ・アンチョビ・卵黄・油を含み、苦味を弱めるより隣にうま味と塩気を置く一皿になる。
札の意味: 減る=その工程で苦味が弱まると測った資料がある/残す=苦味を弱めない選び方/変わらない=測っても動かなかった/未検証=言い伝えや理屈はあるが測った資料が無い
なぜ苦いか
レタスの葉の切り口からにじむ乳液には、苦味の弱いラクチュコピクリン 15-オキサレートが多く、苦味の強いラクチュコピクリンはごくわずかしか含まれない。噛んで唾液と混ざるうちに、苦味の弱い成分から苦味の強い成分ができる。エンダイブの実験では、水をかけて30秒噛んだ咀嚼物で苦味の強い側の割合が45.5%に達し、酸性のノンオイル青じそドレッシングをかけて噛むと3.9%にとどまった。

苦味を残す日

苦味を残して楽しむ日は、酸の少ないドレッシング(油だけ、または油の多いもの)にする。油だけのドレッシングで同じ作用が起きるかは、堀江2011では調べられていない(油だけの対照が無い)。シーザーのようにチーズとアンチョビの入ったドレッシングは、苦味を弱めるより、うま味と塩気を隣に置く方向の一皿になる。
言えないこと
レタスそのものを噛んで測った試験や、レタスで人が味を比べた試験は無い(噛む試験はエンダイブ、レタスは乳液の組成が同じという理由で著者が同じ仕組みを期待している)。ドレッシングの量と食べるまでの待ち時間を比べた試験も無い。この分量は一般的なサラダの目安で、実験の比率(葉8 gに3 mL)より少ない。
にがみラボ構成(2026-09-28)。手順は堀江 2011 の実験の操作(葉に酢を含むドレッシングをかけて直ちに噛む)と、市販ノンオイル青じそドレッシングの使い方を骨にして組んだ。研究所では実作していない。試して違えば知らせてほしい。
根拠
範囲: 堀江2011の表1と考察。三重県津市のビニールハウスで栽培し収穫当日に分析したレタス
注記: レタスについては乳液の組成(表1)だけが測定で、緩和の効果は著者の期待。大会要旨(松本ら2021)の機器測定で食酢の低減効果が特に大きかった結果と向きが合う。
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ingredient-lettuce —has_perceived_bitterness_suppressed_by→ "ドレッシングの酸(著者の推定)。レタス(品種バークレー)の乳液もエンダイブと同じ lactucopicrin 15-oxalate(LO)と lactucopicrin(L)を含み、L は合計の0.6%にすぎない。咀嚼中に唾液と混ざって L が生成するところをドレッシングの酸が抑え、苦味が緩和されるとエンダイブ同様に期待される。レタス自体を噛んで測った試験や官能試験は行われていない"範囲: 堀江2011の表2と本文。水をかけて噛んだ対照(45.5%)との比較、n=4。油脂が苦味を覆う可能性を避けるためノンオイルのドレッシングを用いた
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ingredient-endive —has_debittering_most_likely_due_to→ "ドレッシングの酸が、咀嚼中の lactucopicrin(L)の生成を抑えること。市販ノンオイル青じそドレッシング(pH 3.8)3 mLをかけて30秒噛んだ咀嚼物では、LとLOの合計に占めるLの割合は3.9%(LO 22.4 μM・L 0.9 μM)にとどまり、咀嚼物のpHは4.6〜5.0だった。5%酢酸に3秒浸漬した葉でもLの割合は低く抑えられた"範囲: レタスを水とともに粉砕・ろ過したろ液への卵黄、食油、食酢、にんじんピューレの個別添加と機器評価。
注記: 人が酢をかけたレタスを味わった比較ではない。原料濃度、品種、部位、数値、統計値は要旨にない。
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ingredient-lettuce —has_e_tongue_bitterness_reduced_by→ "食酢。レタスろ液へドレッシング原料を個別に加えた味認識装置の評価では、苦味の低減効果は食酢で特に高かった。"範囲: 堀江2011(日本調理科学会誌 44(6):407-410)表2・p.409本文。対照は表1・p.408(水のみ咀嚼、n=4)
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seasoning-shiso-dressing —reduces→ sensation-bitter範囲: 堀江2011の表1・表2。当日収穫したエンダイブ(タキイ種苗)の葉。咀嚼物はニンニク搾りで搾った汁液中の濃度、n=4
注記: L が LO から中性〜弱アルカリ性で生成し弱酸性で抑えられることは緩衝液抽出(pH 5.5・6.5・7.5 で L の割合 1%以下・4%・9%)で確認。咀嚼後の45.5%は pH だけでは説明できず、唾液中の無機イオン・酵素・微生物の関与は今後の課題と著者が記す。
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ingredient-endive —has_bitterness_generated_by→ "咀嚼中に唾液と混ざるうちに、乳液中の苦味の弱い lactucopicrin 15-oxalate(LO)から苦味の強い lactucopicrin(L)が生成すること。葉8 gに水3 mLをかけて30秒(約60回)噛んだ咀嚼物では、LとLOの合計に占めるLの割合が45.5%(LO 13.3 μM・L 11.0 μM)に達した。乳液そのものではLは合計の0.9%にすぎない"範囲: 当日収穫したエンダイブ葉と市販ノンオイル青じそドレッシングを用いた6名の官能試験。
注記: 単一商品、6名、比較順序の固定、盲検・無作為化の記載なし。レタスの直接官能試験ではない。
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ingredient-endive —has_perceived_bitterness_suppressed_by→ "酸性の市販ノンオイル青じそドレッシング。エンダイブ6名の官能試験では全員がドレッシングにより苦味を弱く感じる選択肢を選んだ。"範囲: シェフごはん『シーザーサラダ』山田慶介シェフ(熟成肉×WINE Trattoria Cordiale 人形町)のレシピページ、材料・作り方STEP1-5
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seasoning-caesar-dressing —is_prepared_with→ "ボウルにマヨネーズ120g・おろしニンニク5g・アンチョビペースト15g・パルメザンチーズ15gを入れてダマがなくなるまで混ぜ、生クリーム50cc・牛乳50ccを加えて混ぜる(山田慶介シェフのレシピ、作りやすい分量、材料[2人前]の一部)。サラダミックスとあえ、仕上げに刻んだクルミ・パルメザンチーズ・クルトン・黒こしょうをのせる。"範囲: キユーピー シーザーサラダドレッシング(家庭用、180ml、参考小売価格314円)原材料名表示
注記: パルメザンチーズの香りと食感、黒こしょうで仕上げたと商品説明にある。
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seasoning-caesar-dressing —has_composition→ "食用植物油脂(国内製造)、チーズ、砂糖、醸造酢、食塩、チーズ加工品、にんにく加工品、濃縮レモン果汁、卵黄、香辛料、酵母エキス、酵母エキスパウダー、香味食用油、アンチョビーソース、卵たん白加水分解物/調味料(アミノ酸等)、増粘剤(キサンタンガム)、香辛料抽出物(一部に卵・乳成分・大豆・りんごを含む)。"骨にした資料: ドレッシングの使用がキク科野菜の苦味を緩和する / ドレッシングによる野菜の苦味、渋味、青臭さへの低減効果 / リケンのノンオイル 青じそ 商品情報ページ