アーモンドの栽培化や野菜の育種の歴史は、苦味を減らす方向の選抜として記録されてきた。他方で、規格が苦味を上等の印とするオリーブオイルや、苦味野菜・苦味リキュールを掲げる料理文化では、苦味の受容が大人・洗練・本物のしるしとして語られる。「大量生産は苦味を抜き、美食は苦味を戻す」という対の運動は本当に存在するのだろうか? また、苦味を好むことが社会的な区別のしるしとして働く様子を、資料はどのように記録しているのだろうか?
由来: 編集部が立てた問い
注記: 編集部の構造仮説(H)。抜く側の根拠(アーモンド栽培化・芽キャベツ育種・果汁脱苦味)は収載済みで、戻す側(美食言説・料理科学誌)の収集が課題。言説は言説として記録する。
仮説は事実主張ではありません。面白さを探索の入口として保存し、これから資料・聞き書き・観察で確かめます。