English

生物

アンデスルピナス

Andean lupin / Lupinus mutabilis

アンデスルピナスは、アンデス原産のマメ科作物。種子は高タンパクだが苦味キノリジジンアルカロイドを含み、伝統的に水処理で脱苦味してから食べる。

写真で見る

畑に立つ複数の茎の先端に、青紫色と白色が混じった蝶形の花が房状に連なって咲く。葉は指を広げたような形の掌状複葉。

アンデスルピナス(Lupinus mutabilis, タルウィ)の栽培株。ペルー・プーノ近郊の畑で、青紫と白の花を付けた花穂と掌状複葉が写っている。

写っているもの: Lupinus mutabilis部位・状態: 栽培株の開花期の姿(青紫と白の花穂、掌状複葉)

写真: Michael Hermann/ CC BY-SA 4.0/ 原画像/ 台帳の原画像

写真の範囲と来歴

被写体の確認: 原典の記載による同定。原典はペルー・プーノ近郊、標高約3800mでの栽培個体(食用種子を目的とした栽培)として記載。専門家による再同定は行っていない。

掲載画像: Wikimedia Commons の1920px版。苦味研究所では切り抜き・色調変更なし。 表示用には幅1200px上限のWebPを配信し、台帳の原画像は上のリンクから確認できます。

説明を読む ↓

生物 / organism-lupinus-mutabilis

このページの内容(9 節)
  1. 説明
  2. この説明の根拠(2)
  3. 主題ハブ
  4. 別名
  5. 関連をたどる
  6. 関連項目(5)
  7. 実測値(1)
  8. 仮説採集箱(1)
  9. 組成・含有(3)
↑

苦味を読む

アンデスルピナス(Lupinus mutabilis)は、南米アンデス原産のマメ科作物で、種子は高タンパクだが、キノリジジンアルカロイド(QA)という苦味物質を含むため、伝統的には水にさらして苦味を抜いてから食べられてきた。甘味品種の総QA含量が500 mg/kg未満とされるのに対し、苦味品種は10,000 mg/kgを超えるとされ、L. mutabilisについては31,000 mg/kgという報告が1件確認されている。ただしこの数値はその1件の報告のみによるもので、複数の研究による裏づけがある値ではないと評価書自身が明記している。

種子に含まれるアルカロイドの中身も一様ではない。ある公的な評価では、L. mutabilisのキノリジジンアルカロイド組成のうちルパニンが47〜58%を占め、次いでスパルテインが7.4〜16%、13α-ヒドロキシルパニンが7〜15%を占めるとまとめられている。もとになったデータの品種は記載されておらず、どの品種の組成なのかまでは分からない。

この説明の根拠

  1. Scientific opinion on the risks for animal and human health related to the presence of quinolizidine alkaloids in feed and food, in particular in lupins and lupin-derived products

    EFSA CONTAM Panel; Schrenk D; ほか / 2019 / 公的資料 / 全文確認

    この本文で確認した範囲: 甘味・苦味品種のQA含量区分と31,000mg/kgの数値を確認/ルパニン47-58%など組成比の数値を本文で確認

  2. Lupinus mutabilis: Composition, Uses, Toxicology, and Debittering

    Carvajal-Larenas FE; Linnemann AR; Nout MJR; Koziol M; van Boekel MAJS / 2016 / レビュー論文 / 全文確認

    この本文で確認した範囲: ルピナスが苦味アルカロイドを含むという記述を確認

別名: Andean lupin(en)

関連をたどる

アンデスルピナス →含む→ キノリジジンアルカロイド →感覚特性→ 苦味

ルパニン →の主要キノリチジンアルカロ…→ アンデスルピナス

実測値(1)

種別化合物対象値条件出典
含有濃度キノリジジンアルカロイドアンデスルピナス31000 mg/kgLupinus mutabilis 種子(品種不記載)(EFSA は総QA報告が1報のみと明記。)EFSA CONTAM Panel, 2019

値は各出典の報告値そのまま(単位・条件を併記)。閾値・EC50はパネル・手法依存で、単一の真値ではありません。

仮説採集箱(1)

アンデスとアマゾンは「食べられない苦さ」を主食に変えた文化圏か編集仮説

チューニョ(凍結乾燥ジャガイモ)、苦味種キャッサバ、タルウィ(ルピナス)は、いずれも強い苦味を持つ原料を、凍結・圧搾・水さらし・発酵といった下処理の連鎖で主食へ変える技術に見える。この三つは同じ「克服の苦味」という類型として、工程・語彙・社会的位置づけの面で比較できるのだろうか?

由来: 編集部が立てた問い

注記: 編集部の構造仮説(H)。タルウィの脱苦味は収載済みで、残る二者の一次資料探索が課題。

仮説は事実主張ではありません。面白さを探索の入口として保存し、これから資料・聞き書き・観察で確かめます。

仮説採集箱をすべて見る →

構造化された主張 — 節を開くと、主張ごとの確度・根拠・限界が読めます

組成・含有(3)

アンデスルピナスはキノリジジンアルカロイドを含む支持あり

範囲: 種子

注記: 総QA 31,000 mg/kg は単一報告(EFSA が「1報のみ」と明記)。

甘味品種 <500 mg/kg・苦味品種 >10,000 mg/kg の区別を記載。L. mutabilis の総QAは 31,000 mg/kg(「Only one paper reporting the total amount of QAs was identified」)。
限界: L. mutabilis の総QA値は単一報告。
「Lupins contain bitter alkaloids」。
限界: 抄録レベル。
出典: Lupinus mutabilis: Composition, Uses, Toxicology, and Debittering(Carvajal-Larenas FE; Linnemann AR; Nout MJR; Koziol M; van Boekel MAJS, 2016)・全文確認
データを表示organism-lupinus-mutabilis —contains→ compound-class-quinolizidine-alkaloids
claim: clm-lupin-qa-content / type: composition / 更新: 2026-08-31
ルパニンはアンデスルピナスの主要キノリチジンアルカロイドである支持あり

範囲: EFSA 2019 の種別QA組成表

L. mutabilis の行にルパニン47–58%・スパルテイン7.4–16%・13α-OH-ルパニン7–15%等の組成を記載。
限界: 元データの品種は「Not stated」。
データを表示compound-lupanine —is_the_major_quinolizidine_alkaloid_of→ organism-lupinus-mutabilis
claim: clm-lupanine-major-qa / type: composition / 更新: 2026-08-31
アンデスルピナスの栽培品種: 低アルカロイド系統の再選抜を経て育成された'Inti'。アルカロイド含量0.02%未満。1980年代初頭の再選抜を経て記録された(Gross et al. 1988)。支持あり

範囲: Lupinus mutabilis

注記: 既存の process-lupin-debittering(伝統的な水処理による脱苦味)と対照的な、育種による脱苦味の事例。ただしIntiが商業的に広く普及したかどうかは本資料からは確認できない。

L. mutabilisの低アルカロイド品種'Inti'(アルカロイド含量0.02%未満)が、1980年代初頭の再選抜を経て育成され、Gross et al. 1988に記録されたと記す。
限界: レビューの孫引きであり、Gross et al. 1988原論文は今回未読。'Inti'の商業的な普及状況は本資料からは確認できない。
出典: Quinolizidine Alkaloid Biosynthesis in Lupins and Prospects for Grain Quality Improvement(Frick KM; Kamphuis LG; Siddique KHM; Singh KB; Foley RC, 2017)・全文確認
データを表示organism-lupinus-mutabilis —has_cultivar→ "低アルカロイド系統の再選抜を経て育成された'Inti'。アルカロイド含量0.02%未満。1980年代初頭の再選抜を経て記録された(Gross et al. 1988)。"
claim: clm-lupinus-mutabilis-inti-cultivar / type: composition / 更新: 2026-09-02

↑ このページの上へ ・ ← 図鑑(生物)へ戻る