スパイス・薬草
ローズマリー
rosemary
ローズマリーは、香草ローズマリーの葉と、その抽出物・精油。食品に加えたときの苦味は、加えても変わらなかった試験と、強まった試験の両方がある。
スパイス・薬草 / spice-rosemary
↑苦味を読む
日本の総説の表は、ローズマリーの味わいを、木・松・花・ユーカリ・クローブなどのにおいが混じった強い香りとほろ苦い風味と記している。家庭用スパイスの商品解説も、甘い芳香とほろ苦さの強い香味が料理のできあがった後も残ると記述している。どちらも味わいの描写であり、苦味の強さを測った数値ではない。苦味の本体については、別の総説の表がローズマリーとセージに共通してカルノシン酸(ジテルペン類)を挙げているが、苦味受容体の欄は不明で、受容体の実験で確かめた結果ではない。
ローズマリーを加えても苦味が増えなかった試験がある。豚肉のミートボールとハンバーグにエタノール抽出物を 0.05% 加えた試料は、8 名の訓練パネルの評価で、苦味の点が無添加の対照と有意差がなかった(ミートボール 0.4 と 0.4、ハンバーグ 0.2 と 0.2)。冷搾の亜麻仁油に抽出物を 0.05% 加えた試験でも、新しい油の苦味は無添加と同じ 1.9 だった。ただしどちらも単一の濃度の結果であり、亜麻仁油では保存して苦味が出る日(25℃で 70 日)も無添加と同じだった。
ゼリーキャンディに水性抽出物を加えた試験では、訓練パネル 15 名の評価で、低・中・高のどの量でも苦味の点は無添加と変わらなかった。ただし著者は、苦い後味をもつステビアが差を隠した可能性を挙げ、抽出物自体は苦いと書いている。オリーブオイルに生・乾燥・精油で加えた試験でも、6 か月の苦味は無添加 3.31 に対し、生 2.73・乾燥 4.14・精油 3.44 で有意差はなかったが、評価者は 6 名で、オリーブオイル自体に苦味がある。
一方で、苦味が出た試験もある。精油を採った後のローズマリーの残渣を小麦粉の 1% 置き換えで入れたパンは、オレガノ・レモンバーム・スペアミントの残渣のパンより、訓練された評価者 15 名による苦味の点が最も高かった。理由として著者が挙げるカルノソールとカルノシン酸は推測である。サラミを包むフィルムに抽出物を入れた試験では、12 名の味見パネルの苦味の点に有意差があったが、対照と有意に違ったのは一部の試料で、パネルは訓練された専門家ではない。発酵濃厚クリームでは、精油 0.24% と 0.34% で苦味などが過剰になり総合の受け入れが下がったが、苦味の個別の点数は確かめられていない。試料は抽出物・残渣・精油で、葉そのものではない。
この説明の根拠
この本文で確認した範囲: 総説の表の味わいの描写(強い香りとほろ苦い風味)を第1段落の冒頭に使った
この本文で確認した範囲: 商品解説のほろ苦さの強い香味の記述を第1段落で使った
この本文で確認した範囲: 総説の表のカルノシン酸と受容体不明の記載を第1段落の末尾で使った
この本文で確認した範囲: ミートボールとハンバーグで苦味が対照と差がなかった点を第2段落で使った
The Effect of Rosemary Extract on the Sensory Quality of Flaxseed Oil During Storage
この本文で確認した範囲: 亜麻仁油で新しい油の苦味が同じだった点を第2段落で使った
この本文で確認した範囲: ゼリーキャンディで苦味が変わらずステビアの影響がありうる点を第3段落で使った
How storage time affects sensory, chemical, and physical characteristics of flavored olive oil
この本文で確認した範囲: オリーブオイルで苦味に有意差がなかった点を第3段落で使った
この本文で確認した範囲: パンの残渣で苦味の点が最も高かった点を第4段落で使った
Evaluation of the Oxidative Status of Salami Packaged with an Active Whey Protein Film
この本文で確認した範囲: サラミのフィルムで苦味に有意差があった点を第4段落で使った
この本文で確認した範囲: クリームの精油の高い濃度で苦味が過剰になった点を第4段落で使った
構造化された主張 — 節を開くと、主張ごとの確度・根拠・限界が読めます
組成・含有(1)
範囲: 総説(Bayer らと Zaikin らの要約)の表。ローズマリー・セージ共通の欄。
注記: 総説の表であり、原著の官能・受容体実験をこちらで確かめていない。苦味受容体の欄は『不明』で、受容体の活性化は示されていない。ローズマリー抽出物の苦味が主にカルノシン酸によるとまでは言えない。Nouska 2023 は同じ成分を苦味の推測の理由に挙げるが検証はしていない。
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spice-rosemary —has_bitterness_attributed_to→ (上の主張の文)感覚(7)
範囲: 豚ひき肉のミートボール・ハンバーグ。ローズマリーのエタノール抽出物 0.05%。訓練パネル 8 名。
注記: 抽出物の組成(カルノシン酸など)は本文で量を測っていない。苦味の点は 0〜10 の線尺度。著者は、タイム抽出物の苦味がローズマリーより強いのはフェノール量の違いによるかもしれないと述べる。0.05% という単一濃度の結果で、他の濃度・他の食品には広げられない。
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spice-rosemary —has_sensory_response→ (上の主張の文)範囲: 冷搾の亜麻仁油(オリウィン品種)。ローズマリー抽出物(市販の液状品)0.05%。25℃と 5℃で保存。訓練パネル 11 名。
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spice-rosemary —has_sensory_response→ (上の主張の文)範囲: 小麦パン。ローズマリー等の蒸留後の固形残渣を小麦粉の 1%・2% 置き換え。訓練された評価者 15 名。
注記: 試料はローズマリーの葉そのものではなく、水蒸気蒸留で精油を採った後の残渣で、パンの焼成を経ている。点数は図 7 で、本文にあるのは順位の文だけ。著者は苦味の理由を、苦味のあるジテルペンであるカルノソールとカルノシン酸が多いためだろうと推測として書いており、検証はしていない。
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spice-rosemary —has_sensory_response→ (上の主張の文)範囲: ゼリーキャンディ(オリゴ糖・イヌリン・ステビア入り)。ローズマリー水性抽出物 2 種(RE74・RE146)を無添加・低・中・高で添加。訓練パネル 15 名。
注記: ステビアには強い苦い後味があり、著者は、これが苦味の差を隠した可能性があると述べる。抽出物の苦味が無いという意味ではない(著者は『抽出物は苦いが、キャンディの苦味は増えなかった』と書く)。香辛料としてのローズマリーの葉ではなく、蒸留の副産物から得た水性抽出物。 渋味の『無添加より有意に高い』とは言えない(個別比較に有意差を示していない)。
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spice-rosemary —has_sensory_response→ (上の主張の文)範囲: オリーブオイル(Aayrouni 種)。ローズマリーの生・乾燥・精油で風味づけ。貯蔵 0・3・6 か月。訓練を受けたパネル 6 名。
注記: オリーブオイル自体が苦味をもつ(無添加で 3.76 から 3.31)ため、ローズマリー由来の苦味を切り分けられない。評価者は 6 名(方法の記述)。表の n の意味は断定しない。
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spice-rosemary —has_sensory_response→ (上の主張の文)範囲: オート麦とそば粉のクッキー。5 種のラミアセア科ハーブを加えた試料と無添加の対照。訓練パネル 7 名。
注記: 苦い後味の点数はハーブ別に本文に書かれていない(図 1a のみ)。結果はハーブ全体の傾向として書かれ、ローズマリー単独の数値は取っていない。そば粉自体が苦味をもつ素材で、苦味の減りは対照の苦味に対する相対的な結果。ハーブが苦味を足さなかったという範囲で使う。 ローズマリーでなくそば粉が苦味の土台で、ローズマリーの苦味の独立した根拠としては重くしない。セージの頁と同じ実験。
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spice-rosemary —has_sensory_response→ (上の主張の文)範囲: サラミのスライス。ローズマリー抽出物を含む乳清タンパク質フィルムで 30 日・90 日包んだ試料と、対照のフィルムの試料。味見パネル 12 名(1〜5 の強度尺度)。
注記: パネルは訓練された専門家ではなく、オンラインの質問票で選んだ消費者 12 名(著者も、訓練されたより多人数のパネルによる評価が必要と述べる)。ローズマリーは香辛料としてでなくフィルムから移行した抽出物で、量は不明。表 3 の数値は Europe PMC の XML から取り出して写した。
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spice-rosemary —has_sensory_response→ (上の主張の文)加工・調理でどう変わる(3)
範囲: 発酵濃厚クリーム。ローズマリー精油 0.068%・0.13%・0.24%・0.34%。パネル 20 名(訓練された業界の専門家 10 名と一般 10 名)。
注記: 官能評価の記述は本文の文章のみで、本文に苦味の個別の点数は無く、図 2 の苦味の項目と数値は未確認(保存した XML に画像が無く、図注は満足度の説明)。0.24%・0.34% で苦味などが過剰になったという本文の記述は残す。パネルは 20 名で訓練者と一般が半々。苦味がローズマリー精油の何によるかは述べていない。精油は抽出物とは成分が違う。
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spice-rosemary —has_perceived_bitterness_affected_by→ (上の主張の文)範囲: 日本調理科学会誌の解説記事(ハーブティの楽しみ方の提案)。タイム・ローズマリー・セージを例に挙げる。
注記: 実験の結果ではなく、解説記事の提案。原文は薬用効果にも触れるが、本研究所の主張にはしない。苦味の強さの測定は無い。
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spice-rosemary —has_perceived_bitterness_suppressed_by→ (上の主張の文)範囲: 食品に使うローズマリー抽出物の粉末(水溶性・脂溶性)についての、研究者による味の描写と、食品に入れるときの異味の基準
注記: 描写はパネルの数値評価ではなく、論文の方法の説明にある文。同じ研究グループ(ムルシア)の論文が複数あり、互いに独立した資料ではない。ローズマリーの葉そのものではなく、抽出物の粉末。 3 本の根拠(Martínez-Tomé 2022・Cedeño-Pinos 2020・2023)は同じ研究グループで、互いに独立ではない。
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spice-rosemary —has_sensory_attribute→ sensation-bitter文化(1)
範囲: 日本の総説と家庭用スパイスの商品解説が述べるローズマリーの味わいの描写(ほろ苦い風味、ほろ苦さの強い香味)
注記: 描写であって強さの測定ではない。総説の表の味わいの記述は書籍(香西ら 2008、田部井 2000)による。総説の同じ表は、ローズマリーが冷感の受容体 TRPM8 を活性化する成分(シネオール)をもつと述べるが、これは冷感の話で苦味ではない。
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spice-rosemary —has_sensory_attribute→ sensation-bitter