下処理帳 — 苦味を引く側。この帳面は苦味だけを見る
夏みかんの下処理帳
夏みかん(図鑑の項目)の下処理を方法ごとに並べ、苦味が動いたかどうかを根拠つきで判定します。 アク・えぐみ・渋味は別の目的として注記し、毒性や安全のための理由は書きません。
このページの内容(4 節)
判定表
| 方法 | 条件 | 判定 | 分かったこと |
|---|---|---|---|
| 酵素 | ナリンギナーゼ添加。pH・温度・グルコース濃度から使用活性を予測する計算式を作成し、果汁1トンあたり50〜100万単位の添加が有効量と示された。 | 減る食品 | ナリンギナーゼを加えると、工場実地試験の呈味試験でも苦味の消失が確認された。狙う相手: ナリンギン |
| 酵素 | シロップ漬け缶詰にナリンギナーゼを加える(添加法)。7名の順位法。 | 減る食品 | ナリンギナーゼを加えた缶詰は、一部の組合せで無添加より苦味が有意に少なかった。同じ条件どうしの比較では差が有意にならない組合せもあった。狙う相手: ナリンギン |
| ワタ・種・皮・筋を除く | 果肉を袋(じょうのう)から取り出し、薄皮(じょうのう皮)を除く(凍結した果肉で比較)。 | 減る食品 | 薄皮を付けたまま凍結した果肉は、除いたものより明らかに苦かった(対比較14回すべて、苦味評点は+3.4対+1.6)。ただし除いても、なおかなりの苦味が残った。手で除いても薬剤で除いても差は無かった。 |
| 水さらし | 皮を短冊に切り、2%食塩水・流水などに2〜3時間さらす(マーマレード用。ナリンギンの測定と嗜好の評価)。 | 未検証食品 | ナリンギンの約80〜85%(外果皮)、約60〜70%(内白部とひょうのう)が2〜3時間で溶け出した。苦味の強さそのものは測られていない。さらし方を変えたマーマレードを20名が好みで比べたところ、大きな差は無かった。狙う相手: ナリンギン |
酵素
減る食品
ナリンギナーゼを加えると、工場実地試験の呈味試験でも苦味の消失が確認された。狙う相手: ナリンギン
条件・出典
ナリンギナーゼ添加。pH・温度・グルコース濃度から使用活性を予測する計算式を作成し、果汁1トンあたり50〜100万単位の添加が有効量と示された。
根拠は下の「根拠: 減る」の節に。
酵素
減る食品
ナリンギナーゼを加えた缶詰は、一部の組合せで無添加より苦味が有意に少なかった。同じ条件どうしの比較では差が有意にならない組合せもあった。狙う相手: ナリンギン
条件・出典
シロップ漬け缶詰にナリンギナーゼを加える(添加法)。7名の順位法。
根拠は下の「根拠: 減る」の節に。
ワタ・種・皮・筋を除く
減る食品
薄皮を付けたまま凍結した果肉は、除いたものより明らかに苦かった(対比較14回すべて、苦味評点は+3.4対+1.6)。ただし除いても、なおかなりの苦味が残った。手で除いても薬剤で除いても差は無かった。
条件・出典
果肉を袋(じょうのう)から取り出し、薄皮(じょうのう皮)を除く(凍結した果肉で比較)。
根拠は下の「根拠: 減る」の節に。
水さらし
未検証食品
ナリンギンの約80〜85%(外果皮)、約60〜70%(内白部とひょうのう)が2〜3時間で溶け出した。苦味の強さそのものは測られていない。さらし方を変えたマーマレードを20名が好みで比べたところ、大きな差は無かった。狙う相手: ナリンギン
条件・出典
皮を短冊に切り、2%食塩水・流水などに2〜3時間さらす(マーマレード用。ナリンギンの測定と嗜好の評価)。
根拠は下の「根拠: 未検証」の節に。
根拠: 減る
酵素 — ナリンギナーゼ添加。pH・温度・グルコース濃度から使用活性を予測する計算式を作成し、果汁1トンあたり50〜100万単位の添加が有効量と示された。
範囲: 夏ミカン一次・二番果汁を用いた酵素処理実験と呈味試験(工場実地試験を含む)
注記: 呈味試験(官能)で苦味消失時間を実測しており、化学分析だけでなく官能に届いた資料。反応時間が長すぎると変色・香気劣化・パルプ分離が生じる点も報告されている。
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ingredient-natsumikan —has_perceived_bitterness_suppressed_by→ "ナリンギナーゼ(ナリンギン分解酵素)の添加処理。pH・温度・グルコース濃度から使用活性を予測する計算式が作成され、果汁1トンあたり50~100万単位の添加が実測値と計算値の一致する有効量とされた。"酵素 — シロップ漬け缶詰にナリンギナーゼを加える(添加法)。7名の順位法。
範囲: 夏みかんの缶詰8試料(実験3、製造3カ月後)。通常の脱皮と冷酸脱皮、三共ナリンギナーゼとクミタナーゼ、添加法と浸漬法の組合せ。7名の判定人が苦味の順位をつけ、順位を正規数に変換して分散分析(ブロック数14、反復7)
注記: 有意だった組合せは、本文の記述(B-D・C-Dが1%、A-B・B-E・C-E・D-G・D-Hが5%)と、表8の調整した平均の値から確かめた(5%の最小有意差0.78、1%は1.10)。同じ脱皮法・同じ酵素の無添加区との差(C対A、E対D、F対D、H対G)は有意でない。調整した平均(+が苦い)はA 0.29・B −0.55・C −0.40・D 0.71・E 0.38・F −0.04・G −0.13・H −0.28。E・FがG・Hより苦いと判定されたことについて、著者はG・Hの方が酸が減っているので、判定人が苦味を酸味でごまかされたと思われるとする。著者の要約は「酵素による脱苦味効果が認められる」と一般化している。実験1・2の味見では、添加区は無添加区より苦味が少なく、実験1の2B・2C・3B・3Cはほとんど苦味が感じられなかったとされるが、これは人数・方法の記載のない味見の記述である。
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ingredient-natsumikan —has_perceived_bitterness_suppressed_by→ process-citrus-enzymatic-naringinase-debitteringワタ・種・皮・筋を除く — 果肉を袋(じょうのう)から取り出し、薄皮(じょうのう皮)を除く(凍結した果肉で比較)。
範囲: 広島産のナツミカン。果皮を除いて身割りした袋(セグメント)のまま、あるいはじょうのう皮を除いたものを−20℃で10日貯蔵し、対比較識別法で苦味を比べ、−4(苦くない)〜+4(極めて苦い)の尺度でも評価した。じょうのう皮付きの試料は凍結したままじょうのう皮を除いて果肉を食味した
注記: 凍結した果肉での結果で、生の夏みかんの果肉やじょうのう皮付きで食べる場合の結果ではない。評点は、強く苦い試料と一緒に比べられたため低めに出ており(同じ表の別の組では、じょうのう皮を除いたほぼ同じ材料が2.6と評価され、一般の食用にならない強い苦味とされた)、絶対的な値として読まない。判断数は表に14回と示され、パネルの人数は本文にない。凍結で苦味が増す仕組みについて、著者は、解凍で溶け出したナリンギンが果肉表面に局部的に高い濃度となるためとする。
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ingredient-natsumikan —has_perceived_bitterness_affected_by→ "夏みかんの袋(じょうのう)から果肉を取り出して凍結すると、じょうのう皮(薄皮)を付けたまま凍結した果肉は、じょうのう皮を除いて凍結した果肉より明らかに苦かった(対比較14回すべてで付けた方が苦いと判断、苦味評点は+3.4対+1.6)。ただし、除いても「なおかなりの苦味」があった。じょうのう皮を手で除いた場合と、酸とアルカリの薬剤で完全に除いた場合の果肉の苦味には、有意な差がなかった。"言い伝え(未検証)
苦味が動いたかどうかを実測した資料が、この研究所の台帳にまだ無い方法です。効くとも効かないとも言いません。
- 水さらし — 皮を短冊に切り、2%食塩水・流水などに2〜3時間さらす(マーマレード用。ナリンギンの測定と嗜好の評価)。。ナリンギンの約80〜85%(外果皮)、約60〜70%(内白部とひょうのう)が2〜3時間で溶け出した。苦味の強さそのものは測られていない。さらし方を変えたマーマレードを20名が好みで比べたところ、大きな差は無かった。