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研究ノート 015 — 2026-08-31(増補 2026-09-08)

野草料理の名前は、一種類の植物を指さない

野草の苦味を集めるとき、料理名を植物名だと思い込むと地図が壊れます。そこでこのノートでは、植物、食用部位、地域名、皿名、下処理を別のものとして扱います。

この頁でわかること

日本の候補は、裏の取れた料理だけを別立てする

ツワブキは宮崎県の油炒め、アシタバは伊豆諸島の天ぷら等、アケビ皮は林野庁掲載の肉味噌のせ、ヨモギは立山町の寒餅バリエーションへ接続しました。既存候補の「ツワブキ佃煮」「ヨモギ汁」「アケビ皮の味噌炒め」は、似ていても同じ証拠で格上げしていません。

つわぶきの油炒めは次の方法で調理される: 塩ゆで、冷却、皮むき後に炒め煮する支持あり

範囲: 農林水産省掲載レシピ

注記: 地域・家庭差がある。野生採集の安全性を保証しない。

塩を加えた湯でゆで、冷水に取り、皮をむいた後に油で炒め調味する手順を示す。
限界: 家庭差があり、採集同定や摂食安全性の一般指針ではない。
出典: つわぶきの油炒め 宮崎県(農林水産省)・全文確認
データを表示dish-tsuwabuki-oil-stir-fry —is_prepared_by→ "塩ゆで、冷却、皮むき後に炒め煮する"
claim: clm-tsuwabuki-itame-preparation / type: culinary / 更新: 2026-08-31
明日葉は伊豆諸島で、お浸しや天ぷらなどで食されている文脈資料

範囲: 内閣府の離島観光・文化記録

注記: 苦味の官能測定ではない。

文脈: 伊豆諸島に自生するアシタバを、お浸しや天ぷらなど幅広い料理に用いる名産として記す。
限界: 料理の頻度、苦味、植物部位の定量調査ではない。
出典: 伊豆諸島南部エリア(内閣府)・全文確認
データを表示ingredient-ashitaba —is_consumed_in→ "伊豆諸島で、お浸しや天ぷらなど"
claim: clm-ashitaba-island-use / type: cultural / 更新: 2026-08-31

範囲: 林野庁『林野』2015年10月号掲載レシピ

注記: 掲載レシピでは果皮を器のように使い、豚肉ときのこの味噌をのせる。一般的な味噌炒めとは工程が異なる。

山形県大蔵村でアケビの果皮をさまざまに料理すると知った料理研究家が、焼いた果皮を器に見立て、豚肉ときのこの味噌をのせる一皿を紹介している。
限界: 料理研究家による一つのアレンジレシピで、大蔵村全域の標準料理を示すものではない。
出典: あけびの肉味噌のせ(林野庁, 2015)・全文確認
データを表示dish-akebi-meat-miso —includes→ ingredient-akebi-peel
claim: clm-akebi-peel-meat-miso / type: culinary / 更新: 2026-08-31

範囲: 農林水産省の伝統食図鑑に記録された立山町のバリエーション

注記: ヨモギ汁候補の裏取りではない。

文脈: 寒餅の餅生地にヨモギ等の地域農産物を混ぜる立山町の商品化例を記録する。
限界: 寒餅一般に必須の材料ではなく、現代的バリエーション。
出典: かんもち/こおりもち(農林水産省)・全文確認
データを表示dish-yomogi-kanmochi —includes→ ingredient-yomogi
claim: clm-yomogi-kanmochi / type: culinary / 更新: 2026-08-31

あけびの肉味噌のせでは、皿の名前ひとつの内側でも苦味の現れ方が揺れます。大蔵村の夕食を記した記事は、同じ食卓に並んだあけび料理を、苦味を感じないものと、ほんのり苦くあけびらしいと感じるものとに分けて書いています。訓練された官能パネルの測定ではなく書き手一人の食味記述ですが、日本側の候補でも、料理名は均質な苦味を約束していません。

アケビの皮の感覚特性: 料理によって苦味を感じないものから、ほんのり苦くアケビらしいものまであったという筆者の食味記録観察結果

範囲: 同記事の筆者による大蔵村での一回の食体験

注記: 訓練パネルや苦味強度尺度による官能試験ではない。

筆者は、夕食のアケビ料理を『苦味がないもの』と『ほんのり苦味があってあけびらしいもの』に感じ分けている。苦味は果皮に固定された一枚岩の属性ではなく、料理の姿によって現れ方が変わるものとして語られている。
限界: 個人の定性的感想であり、料理別の材料・加熱条件や苦味強度は測定されていない。
出典: あけびの肉味噌のせ(林野庁, 2015)・全文確認
データを表示ingredient-akebi-peel —has_sensory_attribute→ "料理によって苦味を感じないものから、ほんのり苦くアケビらしいものまであったという筆者の食味記録"
claim: clm-akebi-dish-bitterness-range / type: sensory / 更新: 2026-08-31

ヨモギという名前は、苦味の担い手も一つに絞らない

ヨモギという植物名も、中を開けば一様ではありません。Artemisia princepsの地上部を分画し、苦味の強い画分を追いかけた研究は、抄録の範囲では、セスキテルペン化合物2種を単離したと記録しています。この2種は、カフェインの約50倍苦く、キニーネ塩酸塩と同程度の苦味を示したと記載されています。絶対濃度やパネル人数といった詳細は、抄録の記述だけでは確認できていません。

ヨモギは次を持つと記録されている: 地上部の活性追跡分画から単離されたセスキテルペン化合物2種(1α,6α,8α-トリヒドロキシ-5α,7βH-グアイア-3,9,11(13)-トリエン-12-オイック酸およびアルテカリン)は、カフェインの約50倍苦く、塩酸キニーネと同程度の苦味を示した。予備的

範囲: 層: 溶液。Artemisia princeps Pamp.地上部の抽出・分画物、活性追跡分画による苦味成分の単離。

"50 times bitterer than caffeine and had similar bitterness to quinine HCl"と記載。フラボノイド高含有画分に苦味成分が集中したと報告。
限界: 苦味強度の比較はカフェイン・キニーネ塩酸塩との相対評価であり、絶対濃度・パネル人数などの詳細記載は本文要約段階では確認できていない。
出典: Identification of bitter components from Artemisia princeps Pamp.(Park Hee-Jung; Cho Jin-Gyeong; Baek Yoon-Su; Seo Kyeong-Hwa; Kim Su-Yeon; Choi Myung-Sook; Lee Kyung-Tae; Jeong Tae-Sook; Chung Hae-Gon; Kang Eun-Gyeong; Baek Nam-In, 2016)・抄録確認
データを表示ingredient-yomogi —is_documented_as_having→ "地上部の活性追跡分画から単離されたセスキテルペン化合物2種(1α,6α,8α-トリヒドロキシ-5α,7βH-グアイア-3,9,11(13)-トリエン-12-オイック酸およびアルテカリン)は、カフェインの約50倍苦く、塩酸キニーネと同程度の苦味を示した。"
claim: clm-w72b1-yomogi-sesquiterpenes-more-bitter-than-caffeine / type: composition / 更新: 2026-09-08

一方、同じ植物の主要な生理活性成分として知られるユーパチリンとジャセオシジンは、いずれも苦味を示さなかったと、同じ抄録は記しています。ヨモギという一つの植物名の下には、強く苦い成分と、苦味を持たない主要成分とが同居しています。皿の名前が複数の植物を束ねるのと同じように、植物の名前もまた、均一な苦味を保証しません。

ヨモギは次を持つと記録されている: Artemisia princepsの主要な生理活性成分であるユーパチリンとジャセオシジンは、いずれも苦味を示さなかった。予備的

範囲: 層: 溶液。Artemisia princeps Pamp.地上部の抽出・分画物、活性追跡分画による苦味成分の単離。

注記: 苦味の主因ではない主要成分を否定的に特定した知見。同一資料の別記述。

"Neither eupatilin nor jaceosidin, the major active components of A. princeps, showed any bitterness."
限界: 苦味なしとする判定基準(検出限界・パネル方法)の詳細は要約段階では確認できていない。
出典: Identification of bitter components from Artemisia princeps Pamp.(Park Hee-Jung; Cho Jin-Gyeong; Baek Yoon-Su; Seo Kyeong-Hwa; Kim Su-Yeon; Choi Myung-Sook; Lee Kyung-Tae; Jeong Tae-Sook; Chung Hae-Gon; Kang Eun-Gyeong; Baek Nam-In, 2016)・抄録確認
データを表示ingredient-yomogi —is_documented_as_having→ "Artemisia princepsの主要な生理活性成分であるユーパチリンとジャセオシジンは、いずれも苦味を示さなかった。"
claim: clm-w72b1-yomogi-eupatilin-jaceosidin-not-bitter / type: composition / 更新: 2026-09-08

ホルタは一種の葉ではない

中央クレタの民族植物学調査は、31件の面接から55の野生葉菜を記録しました。ホルタは単一植物ではなく、土地・季節・採集者の知識を束ねるカテゴリーです。ゆでた皿を固定レシピにせず、植物の組合せが変わる料理骨格として保存します。

ホルタは単一の植物種と同義ではない支持あり

範囲: 中央クレタの31件の半構造化面接で記録された55の野生葉菜

注記: hortaは料理・採集カテゴリーとして扱い、植物同定を個別に保持する。

31件の半構造化面接から55の野生葉菜と料理・呼称を記録し、chortaが単一種でないことを示す。
限界: 地域・標本採集時期が限定される。
データを表示ingredient-horta-greens —is_not_synonymous_with→ "単一の植物種"
claim: clm-horta-many-taxa / type: taxonomy / 更新: 2026-08-31
ホルタ・ヴラスタは次の方法で調理される: 複数の野生葉菜をゆでる文脈資料

範囲: 中央クレタの民族植物学調査

注記: 使用植物は季節・場所・採集者で変わる。

文脈: 記録された野生葉菜は主にゆでる、炒める、パイの具にする方法で食べられていた。
限界: 一皿ごとの配合・時間・苦味変化は測定していない。
データを表示dish-horta-vrasta —is_prepared_by→ "複数の野生葉菜をゆでる"
claim: clm-horta-vrasta-preparation / type: culinary / 更新: 2026-08-31

ホルタという名前が束ねる中身を、割合で見た調査もあります。エーゲ海のイカリア島で行われた別の民族植物学調査は、住民への31件のインタビューから野生葉菜(chorta)の56分類群を記録し、55種を同定しました。集められた葉菜の大半は苦いと記述され、その31%はキク科かアブラナ科に属していました。よく名前の挙がった葉菜に絞ると、この二科の割合は50%まで上がります。この分類は住民自身の申告にもとづくもので、官能パネルによる測定ではありません。

ホルタは次を持つと記録されている: イカリア島で記録された野生葉菜56分類群(55同定)のうち、大半が苦味があると記載され、そのうち31%がキク科・アブラナ科に属した。支持あり

範囲: 層: 文献。ギリシャ・イカリア島、半構造化インタビュー(n=31)によるエスノボタニー調査で記録された野生葉菜(chorta)56分類群。

"Most of the gathered greens were described as bitter and associated with members of Asteraceae and Brassicaceae botanical families (31%), while among the top-quoted wild greens, species belonging to these two plant families accounted for 50% of the wild vegetables, which were consumed mostly cooked."
限界: 自己申告の味覚分類であり、官能パネルによる測定値ではない。
出典: Bitter Is Better: Wild Greens Used in the Blue Zone of Ikaria, Greece(Pieroni A; Morini G; Piochi M; Sulaiman N; Kalle R; Haq SM; Devecchi A; Franceschini C; Zocchi DM; Migliavada R; et al., 2023)・全文確認
データを表示ingredient-horta-greens —is_documented_as_having→ "イカリア島で記録された野生葉菜56分類群(55同定)のうち、大半が苦味があると記載され、そのうち31%がキク科・アブラナ科に属した。"
claim: clm-w72b1-horta-most-species-bitter-31pct / type: cultural / 更新: 2026-09-08

属の内訳を見ると、この二科は一様ではありません。報告された種の大半は、苦味のあるキク科14属と、辛味と苦味を併せ持つアブラナ科3属に分かれていました。「ホルタ」は一つの植物どころか一つの科にも収まらず、性質の違う苦味を持つ複数の属を同じ料理名の下に置いています。

ホルタは次を持つと記録されている: 報告された種の大半は苦味のあるキク科(14属)と、辛味・苦味を伴うアブラナ科(3属)に属すると記載された。支持あり

範囲: 層: 文献。ギリシャ・イカリア島、半構造化インタビュー(n=31)によるエスノボタニー調査で記録された野生葉菜(chorta)56分類群。

注記: 同一資料の別記述。属数の内訳を追加。

"Most of the reported species were bitter Asteraceae (members of 14 genera) and pungent/bitter Brassicaceae (3 genera)."
限界: 自己申告の味覚分類であり、官能パネルによる測定値ではない。
出典: Bitter Is Better: Wild Greens Used in the Blue Zone of Ikaria, Greece(Pieroni A; Morini G; Piochi M; Sulaiman N; Kalle R; Haq SM; Devecchi A; Franceschini C; Zocchi DM; Migliavada R; et al., 2023)・全文確認
データを表示ingredient-horta-greens —is_documented_as_having→ "報告された種の大半は苦味のあるキク科(14属)と、辛味・苦味を伴うアブラナ科(3属)に属すると記載された。"
claim: clm-w72b1-horta-asteraceae-brassicaceae-bitter-genera / type: cultural / 更新: 2026-09-08

スタムナガシは、同定できる一種

これに対してスタムナガシは、文献上 Cichorium spinosum へ接続できます。苦い葉を茹でる、またはサラダで食べる記録があります。ただしその記述は栽培研究の背景文献で、官能パネル実測ではありません。

スタムナガシは次に分類される: Cichorium spinosum の葉菜支持あり

範囲: 栽培研究と既存文献の植物同定

注記: 地域名の綴り・範囲は資料ごとに差がある。

stamnagathiをCichorium spinosum L.として同定し、水耕栽培試験の対象とした。
限界: 商品名や全地域呼称の同一性を保証しない。
出典: Impact of Nitrogen Limitation, Irrigation Levels, and Nitrogen-Rich Biostimulant Application on Agronomical and Chemical Traits of Hydroponically Grown Cichorium spinosum L.(Voutsinos-Frantzis Orfeas; Karavidas Ioannis; Savvas Dimitrios; Ntanasi Theodora; Kaimpalis Vasileios; Consentino Beppe Benedetto; Aliferis Konstantinos A; Karkanis Anestis; Sabatino Leo; Ntatsi Georgia, 2024)・全文確認
データを表示ingredient-stamnagathi —is_a→ "Cichorium spinosum の葉菜"
claim: clm-stamnagathi-identity / type: taxonomy / 更新: 2026-08-31
スタムナガシの感覚特性: 苦い風味をもち、サラダまたは茹でて食べる葉文脈資料

範囲: Cichorium spinosumの栽培研究の背景記述

注記: 当該研究の官能パネル実測ではない。

文脈: 葉は苦い風味をもち、さまざまな生育段階で収穫され、茹でるかサラダで生食すると記述する。
限界: 当該実験で苦味強度を測っていない。
出典: Impact of Nitrogen Limitation, Irrigation Levels, and Nitrogen-Rich Biostimulant Application on Agronomical and Chemical Traits of Hydroponically Grown Cichorium spinosum L.(Voutsinos-Frantzis Orfeas; Karavidas Ioannis; Savvas Dimitrios; Ntanasi Theodora; Kaimpalis Vasileios; Consentino Beppe Benedetto; Aliferis Konstantinos A; Karkanis Anestis; Sabatino Leo; Ntatsi Georgia, 2024)・全文確認
データを表示ingredient-stamnagathi —has_sensory_attribute→ "苦い風味をもち、サラダまたは茹でて食べる葉"
claim: clm-stamnagathi-bitter-use / type: sensory / 更新: 2026-08-31

オリーブ葉は、苦味と渋味を同時に動かす

オリーブ葉抽出物では訓練パネルによる苦味閾値が測られ、糖類によるマスキングも比較されました。別の浸出液研究では、粉砕を強めるほどオレウロペイン移行が増え、苦味だけでなく渋味も強まりました。一つの「濃い味」へまとめず、二つの感覚軸として残します。

オリーブ葉抽出物の感覚特性: 強い苦味支持あり

範囲: 果実スムージーへ添加した抽出物を11名訓練パネルで評価

注記: 抽出物の結果であり生葉一枚の食味へ直接移転しない。

11名の訓練パネルで検知・認知閾値を測定し、抽出物が低濃度でも強い苦味を生むことを示した。
限界: 抽出物由来ポリフェノール量で記録され、生葉食味とは異なる。
出典: Sensory Quality of Functional Beverages: Bitterness Perception and Bitter Masking of Olive Leaf Extract Fortified Fruit Smoothies(Kranz Peter; Braun Nina; Schulze Nadine; Kunz Benno, 2010)・抄録確認
データを表示seasoning-olive-leaf-extract —has_sensory_attribute→ "強い苦味"
claim: clm-olive-leaf-extract-strong-bitter / type: sensory / 更新: 2026-08-31
オリーブ葉抽出物の知覚苦味を抑えるもの: スクロースおよびシクラメート支持あり

範囲: オリーブ葉抽出物強化スムージーの比較

注記: 塩化ナトリウムは有効なマスキングを示さなかった。特定濃度の結果。

高い添加水準でシクラメートとスクロースは苦味を低減し、塩化ナトリウムは有効でなかった。
限界: 特定の飲料マトリクスと濃度に限る。
出典: Sensory Quality of Functional Beverages: Bitterness Perception and Bitter Masking of Olive Leaf Extract Fortified Fruit Smoothies(Kranz Peter; Braun Nina; Schulze Nadine; Kunz Benno, 2010)・抄録確認
データを表示seasoning-olive-leaf-extract —has_perceived_bitterness_suppressed_by→ "スクロースおよびシクラメート"
claim: clm-olive-leaf-extract-masking / type: sensory / 更新: 2026-08-31
オリーブ葉の浸出は水相へ移るオレウロペイン量と知覚される苦味・渋味を増加させうる予備的

範囲: 粉砕度を変えたオリーブ葉浸出液

注記: 13名の非訓練パネルを用いた一試験で、苦味と渋味を別属性として記録する。

粉砕度が高いほど水相のオレウロペイン濃度が増え、最も強く粉砕した浸出液では非常に強い苦味と、より顕著な渋味が報告された。
限界: 小規模非訓練パネル。苦味と渋味の因果寄与を単一化しない。
出典: Characterization of bioactive compounds in commercial olive leaf extracts, and olive leaves and their infusions(Medina Eduardo; Romero Concepcion; Garcia Pedro; Brenes Manuel, 2019)・全文確認
文脈: オリーブ葉抽出物(OLE)は「very strong bitterness perception」を示し、訓練パネル(n=11)による検出閾値(detection threshold)は100gあたり5.78mg、認知閾値(recognition threshold)は同8.05mgと報告する。
限界: 対象は葉の粉砕度別浸出液そのものではなくOLEを添加したスムージーであり、既存の主張の試料条件とは異なる。同じ資料は調味料としてのオリーブ葉の項目にも接続されている。
出典: Sensory Quality of Functional Beverages: Bitterness Perception and Bitter Masking of Olive Leaf Extract Fortified Fruit Smoothies(Kranz Peter; Braun Nina; Schulze Nadine; Kunz Benno, 2010)・抄録確認
データを表示process-olive-leaf-infusion —can_increase→ "水相へ移るオレウロペイン量と知覚される苦味・渋味"
claim: clm-olive-leaf-crushing / type: processing / 更新: 2026-08-31

よく問われること

ホルタとは何を指す言葉なのか

ホルタ(chorta)は、地中海圏で食べられる野生の葉物料理を指す言葉で、単一の植物種を指すのではない。中央クレタでの民族植物学調査では、31件の面接から55種の野生葉菜が記録され、ホルタという一語がこれらをまとめて指すことが示されている。別の調査地イカリア島でも、56の分類群のうち55種が同定され、住民の申告では大半が苦いと分類されたが、その内訳はキク科やアブラナ科など複数の科にまたがっていた。つまりホルタという名前は、土地や季節、採集者によって中身が変わる、束ねられたカテゴリーとして使われている。

ヨモギは苦い植物なのか

ヨモギ(Artemisia princeps)の地上部を分画した研究では、苦味の強い画分からセスキテルペン化合物2種が単離され、これらはカフェインの約50倍苦く、キニーネ塩酸塩と同程度の苦味を示したと報告されている。一方、この植物の主要成分として広く知られるユーパチリン・ジャセオシジンの側には、苦味が確認されなかったと同じ資料は記す。つまりヨモギという一つの植物名の中に、強く苦い成分と苦味を持たない主要成分が同居している。実際の料理でどちらの成分がどれだけ効いているかは、この抄録の範囲では確かめられていない。

分かっていないこと

関連: 苦い、渋い、辛いの境界 / 食材図鑑

この頁の引用のしかた

青木大(NIGAMI LAB)(2026). 野草料理の名前は、一種類の植物を指さない. https://nigamilab.com/notes/wild-greens-are-not-one-plant/

主張ごとの固定リンクは各カードの #clm-… です。データは CC BY 4.0、配布は データを使う。 データセットの DOI: 10.5281/zenodo.22739101