食材
ピーマン
green pepper (Japanese piman) / Capsicum annuum
ピーマンは、日本で「ピーマン」と呼ばれる甘味種トウガラシの果実。苦味、渋味、青い香りが知覚上どのように重なるか、卵黄を含む調味との組合せで苦味がどう変わるかが調べられている。
結論
ピーマンの苦味を和らげたいなら、卵黄やマヨネーズと合わせてみる。ただし根拠は、ピーマンを液にした予備的な試験である。
家庭で試すなら
- 卵黄と合わせる。生のピーマンを砕いて水で薄めた液に加えた20名(企業の研究員)の評価で、卵黄は卵白より苦味を和らげる効果が有意に高かった。
- マヨネーズは、乳化の粒が細かいもの(工場でつくる状態に近いもの)のほうが、粒の大きいもの(手作りに近いもの)より効いた。粒の大きさだけを変えた試作どうしの比較で、市販品の比較ではない。
- 卵黄と酢を混ぜて約1日置いたものは、卵黄だけより効いた。配合や量は示されておらず、家庭でこの手順を試した結果ではない。根拠ごとの条件は 下処理帳(ピーマン)。
まだ分かっていないこと
- 炒め物など、料理そのもので比べた試験は見つかっていない。
- ピーマンの苦味のもとが何かは、まだはっきりしない。渋味の成分(クエルシトリン)と香りが合わさって苦く感じられる、という企業の発表がある(人数や統計の記載は無い)。培養細胞では、クエルシトリンに複数の苦味受容体が応じたが、人が食べたときの苦味の強さとは別の話である。
食材 / ingredient-green-pepper-ja
↑苦味を読む
ピーマンは、日本でそう呼ばれる甘味種トウガラシの果実である。子どもが苦手なものの代表として語られる一方、その苦味が何から来ているのかは、意外なほど新しい話題である。2012年の当事者発表は、従来品種だけで検出された成分からクエルシトリンを単離し、単独では渋味を呈したと記す。そのうえで、クエルシトリンの渋味と2-isobutyl-3-methoxypyrazineの香りを合わせたものをピーマンの苦味として知覚したと説明する。苦味の名で呼ばれているものが、味と香りの重なりとして書かれている。
和らげる側も測られている。生のピーマンを粉砕して水と1:3で混ぜた液に卵黄または卵白を加え、20名が7段階で評価したところ、卵黄の方が卵白より苦味低減効果が有意に高かった。同じ試料系で、卵黄と酢を混ぜて約1日置いた酸変性卵黄は、卵黄のみより効果が有意に高かった。マヨネーズが効くという台所の実感に、成分の側から線が引かれている。
効き方は配合だけでは決まらない。乳化状態のみを変えた卵黄型マヨネーズをピーマン液へ加えた20名の評価では、工場製相当の小さい粒径が手作り相当の大きい粒径より苦味低減効果が有意に高かった。ただしこれらはいずれも企業発表の概要で、添加量や正確な数値は確認できておらず、評価されたのは料理ではなくピーマン液である。炒め物の皿にそのまま移せる結論ではない。
この説明の根拠
タキイ種苗×お茶の水女子大学 共同研究成果「ピーマンの苦味成分」を解明
この本文で確認した範囲: クエルシトリン単独は渋味、ピラジンの香りと合わせて苦味として知覚したとする当事者発表
この本文で確認した範囲: 卵黄は卵白より苦味低減効果が有意に高かった/酸変性卵黄は卵黄のみより効果が有意に高かった/小粒径の乳化は大粒径より苦味低減効果が有意に高かった
別名: green pepper(en・同定medium)、Capsicum annuum(la・同定medium)
構造化された主張 — 節を開くと、主張ごとの確度・根拠・限界が読めます
感覚(6)
範囲: 従来品種と「こどもピーマン」の搾汁・成分分析および食味評価。
注記: 商品発表ページで、食味評価の人数、尺度、濃度、統計値がない。ピーマン一般の唯一の苦味機構とはしない。
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ingredient-green-pepper-ja —has_perceived_bitterness_associated_with→ "2012年の当事者発表は、単離したクエルシトリン単独を渋味と記述し、クエルシトリンの渋味と2-isobutyl-3-methoxypyrazineの香りを合わせてピーマンの苦味として知覚したとする。"範囲: キユーピー研究員20名(男性12名、女性8名)が評価したピーマン液。
注記: 企業発表概要の図1は平均値・標準偏差と5%水準の有意差を示すが、添加量と正確な数値は表記されていない。切ったピーマン料理の直接比較ではない。
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ingredient-green-pepper-ja —has_perceived_bitterness_suppressed_by→ "卵黄。生ピーマンを粉砕して水と1:3で混ぜた液に卵黄または卵白を加えた20名の7段階官能評価では、卵黄の方が卵白より苦味低減効果が有意に高かった。"範囲: 乳化状態のみを変えた卵黄型マヨネーズをピーマン液へ加えた比較。
注記: 企業発表概要の図2は平均値・標準偏差と5%水準の有意差を示すが、粒径、添加量、正確な数値は表記されていない。市販品の銘柄比較ではない。
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ingredient-green-pepper-ja —has_perceived_bitterness_affected_by→ "卵黄型マヨネーズの乳化粒子径。ピーマン液へ加えた20名の官能評価では、工場製相当の小さい粒径が手作り相当の大きい粒径より苦味低減効果が有意に高かった。"範囲: 酸変性卵黄と卵黄をピーマン液へ加えた20名の7段階官能評価。
注記: 企業発表概要の図3は平均値・標準偏差と5%水準の有意差を示すが、卵黄・酢の配合、添加量、正確な数値は表記されていない。家庭で約1日置く手順の推奨ではない。
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ingredient-green-pepper-ja —has_perceived_bitterness_suppressed_by→ "酸変性卵黄。卵黄と酢を混ぜ約1日置いた試料は、卵黄のみよりピーマン液の苦味低減効果が有意に高かった。"範囲: ゴーヤとピーマン。マヨネーズまたは食用植物油で加熱調理した試料の官能評価(人数・方法は要旨にない)と、マヨネーズ添加区・無添加区の味認識装置による苦味評価。大会要旨の範囲
注記: 要旨はパネルの人数・統計・数値を示さない。ゴーヤとピーマンを分けずに述べる。味認識装置の値はヒトの官能と同一視しない。吸着の機序は要旨の時点では確認中の推測。企業(マヨネーズ製造会社)の研究。大会要旨のため査読を経ていない。完成した料理に後から足したのではなく、加熱調理の段階でマヨネーズを使った試料。
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ingredient-green-pepper-ja —has_perceived_bitterness_suppressed_by→ "マヨネーズを使った加熱調理。ゴーヤとピーマンを、マヨネーズで加熱調理した試料は、食用植物油で加熱調理した試料より、官能評価で苦味が低減していた。味認識装置(電子的な味覚センサー)の苦味の値も、マヨネーズを加えた区は加えない区より明らかに低かった。著者は、マヨネーズ中の乳化粒子が苦味成分を吸着している可能性を推測している。"範囲: ピーマン(炒めたもの50 g、およびピーマンに等量の水を加えてフードプロセッサーで粉砕しろ過した液)。官能評価は20名で、炒めたピーマンに対し深煎りごまドレッシングと食塩相当量の対照を比較。企業(キユーピー)の自社ドレッシング。大会要旨の範囲
注記: 要旨に官能評価の評点・検定法がない。対照は水ではなく食塩相当量なので、塩味の効果は差し引かれている。ドレッシングの何(油・酢・卵黄・ごま)が効いたかは未検討と要旨が述べる。味認識装置の値はヒトの官能と同一視しない。炒めた後にドレッシングで調味した点は、できあがった料理に後から加える場面に近い。大会要旨のため査読を経ていない。
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ingredient-green-pepper-ja —has_perceived_bitterness_suppressed_by→ "深煎りごまドレッシング。ピーマン50 gを炒めたあと、深煎りごまドレッシング7.5 gで調味した試料は、食塩相当量で調味した対照より、20名の官能評価で苦味が有意に低かった。機器分析でも、炒めたピーマンの苦味と臭いが低減していた。ピーマンに等量の水を加えて粉砕しろ過した液(生)にドレッシングを加えると、味認識装置の苦味(特に苦味雑味)が低く、ピーマン特有の臭いが有意に減った(要旨のキーワードに2-イソブチル-3-メトキシピラジンが挙がる)。"