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受容体

TRPA1

TRPA1は、ヒト transient receptor potential ankyrin 1(ANKTM1)陽イオンチャネル。三叉神経の感覚ニューロンに発現する化学感覚性刺激受容体。

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受容体 / receptor-trpa1

このページの内容(7 節)
  1. 説明
  2. この説明の根拠(2)
  3. 主題ハブ
  4. 関連をたどる
  5. 関連項目(10)
  6. 実測値(2)
  7. 機構・受容体(4)
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苦味を読む

TRPA1は、舌の味蕾ではなく主に三叉神経の感覚ニューロンに発現する、刺激やヒリヒリ感を感知するイオンチャネルである。オリーブオイルに含まれるオレオカンタールは、ヒトTRPA1を発現させた培養細胞でEC50約2.8マイクロモルという濃度でこのチャネルを活性化させる一方、TRPV1やTRPV2、TRPV4、TRPM8といった他の受容体は活性化しなかった。TRPA1を働かなくしたマウスの三叉神経ニューロンはオレオカンタールに反応せず、遮断薬を使うと通常のマウスの反応も消えたことから、この刺激感がTRPA1を介していることが確かめられている。

ヒトの口や鼻の組織を調べた同じ研究では、TRPA1陽性の細胞は咽頭の組織で多く見られた(0.12平方ミリメートルあたり平均80個)のに対し、舌の味蕾の組織ではほとんど見られなかった(0.05平方ミリメートルあたり平均0個)。この分布の偏りは、オレオカンタールの刺激が舌ではなく喉の奥に集中して感じられることの、解剖学的な裏づけとして提案されている。またこの活性化は、TRPA1が持つ特定のシステイン(硫黄を含むアミノ酸)を介した典型的な結合の仕組みによらないことも、変異体を使った実験で示されている。

ニンニク由来のアリシンや、ジアリルジスルフィドといった刺激成分も、TRPA1を持つように作った培養細胞や、感覚を伝える神経細胞を反応させることが確かめられている。TRPA1は刺激を神経信号に変えるセンサーの役割を担うタンパク質であり、こうした細胞実験は、人が実際に食べたときに感じる刺激の強さや、安全性を測ったものではない。TRPA1は苦味そのものを担う受容体ではなく、ヒリヒリ感や刺激感を伝える別系統の感覚として区別して扱う必要がある。

この説明の根拠

  1. Unusual pungency from extra-virgin olive oil is attributable to restricted spatial expression of the receptor of oleocanthal

    Peyrot des Gachons C; Uchida K; Bryant B; Shima A; Sperry JB; Dankulich-Nagrudny L; Tominaga M; Smith AB 3rd; Beauchamp GK; Breslin PA / 2011 / 学術論文 / 全文確認

    この本文で確認した範囲: オレオカンタールによるTRPA1選択的活性化を確認/TRPA1が舌の味蕾でなく咽頭組織に偏って発現する所見を確認/咽頭と舌でのTRPA1陽性細胞数の差を確認/システイン非依存の活性化機構を確認

  2. Pungent products from garlic activate the sensory ion channel TRPA1

    Bautista DM; Movahed P; Hinman A; Axelsson HE; Sterner O; Högestätt ED; Julius D; Jordt SE; Zygmunt PM / 2005 / 学術論文 / 全文確認

    この本文で確認した範囲: ニンニクのアリシンによるTRPA1反応を確認/ジアリルジスルフィドによるTRPA1依存応答を確認

関連をたどる

オレオカンタール →選択的に活性化する→ TRPA1

アリシン →活性化する→ TRPA1

ジアリルジスルフィド →活性化する→ TRPA1

実測値(2)

種別化合物対象値条件出典
受容体EC50オレオカンタールTRPA12.8 µMヒトTRPA1発現細胞Peyrot des Gachons C, 2011
受容体EC50サンショオールTRPA169 µM異種発現系(機構は係争中)Riera CE, 2009

値は各出典の報告値そのまま(単位・条件を併記)。閾値・EC50はパネル・手法依存で、単一の真値ではありません。

構造化された主張 — 節を開くと、主張ごとの確度・根拠・限界が読めます

機構・受容体(4)

オレオカンタールはTRPA1を選択的に活性化する支持あり

範囲: hTRPA1 発現 HEK 293 細胞(EC50 2.8 uM)およびげっ歯類三叉神経ニューロン。TRPV1, TRPV2, TRPV4, TRPM8 は活性化しない

注記: TRPA1-/- マウスの三叉神経ニューロンはオレオカンタールで興奮しなかった。活性化は求電子性 TRPA1 アゴニストに典型的な共有結合性システイン機構を使わない。

オレオカンタールはヒトTRPA1発現HEK 293細胞で頑健な電流を誘発し(EC50は2.8 uMと記載)、TRPV1・TRPV2・TRPV4・TRPM8は活性化しなかった; TRPA1-/-マウスの三叉神経ニューロン(マウス5匹由来のニューロンn=187)は興奮せず、TRPA1遮断薬HC-030031は野生型の応答を消失させた。
限界: 受容体機構はin vitroと齧歯類で示されたもの; 本論文におけるヒトの証拠は解剖学的・精神物理学的なもの。
出典: Unusual pungency from extra-virgin olive oil is attributable to restricted spatial expression of the receptor of oleocanthal(Peyrot des Gachons C; Uchida K; Bryant B; Shima A; Sperry JB; Dankulich-Nagrudny L; Tominaga M; Smith AB 3rd; Beauchamp GK; Breslin PA, 2011)・全文確認
文脈: オレオカンタール(3 uM)とイブプロフェン(10 mM)は TRPA1 システイン変異体 C422S/C622S に野生型同様の内向き電流を誘発し、シンナムアルデヒドの活性は消失した。既知の共有結合的システイン修飾機構によらない活性化を示す。
限界: 代替の活性化部位は本論文では特定されていない。
出典: Unusual pungency from extra-virgin olive oil is attributable to restricted spatial expression of the receptor of oleocanthal(Peyrot des Gachons C; Uchida K; Bryant B; Shima A; Sperry JB; Dankulich-Nagrudny L; Tominaga M; Smith AB 3rd; Beauchamp GK; Breslin PA, 2011)・全文確認
データを表示compound-oleocanthal —selectively_activates→ receptor-trpa1
claim: clm-oleocanthal-activates-trpa1 / type: mechanism / 更新: 2026-08-30
TRPA1は次で優先的に発現する: 舌の味蕾組織に対するヒト咽頭組織(咽頭では 0.12 mm2 あたり平均 80 の TRPA1 陽性細胞、舌の味蕾では 0.05 mm2 あたり 0)支持あり

範囲: 単一研究におけるヒト口腔・鼻腔組織の免疫組織化学

注記: オレオカンタールとイブプロフェンの喉限局性刺激感の解剖学的基盤として提案されたもの。

咽頭組織では 0.12 mm2 あたり平均 80 個の TRPA1 陽性細胞が観察され、舌組織(味蕾)では 0.05 mm2 あたり平均 0 個だった。この分布はオレオカンタールが刺激する領域と重なっていた。
限界: 単一研究。カウントは記載面積あたりの平均値であり、組織ドナー数はここでは抽出していない。
出典: Unusual pungency from extra-virgin olive oil is attributable to restricted spatial expression of the receptor of oleocanthal(Peyrot des Gachons C; Uchida K; Bryant B; Shima A; Sperry JB; Dankulich-Nagrudny L; Tominaga M; Smith AB 3rd; Beauchamp GK; Breslin PA, 2011)・全文確認
データを表示receptor-trpa1 —is_expressed_preferentially_in→ "舌の味蕾組織に対するヒト咽頭組織(咽頭では 0.12 mm2 あたり平均 80 の TRPA1 陽性細胞、舌の味蕾では 0.05 mm2 あたり 0)"
claim: clm-trpa1-pharynx-restricted / type: mechanism / 更新: 2026-08-30
アリシンはTRPA1を活性化する支持あり

範囲: TRPA1を持つように作った培養細胞と、感覚を伝える神経細胞

注記: TRPA1は刺激を神経信号へ変えるセンサータンパク質。この細胞実験は、人が食べたときの刺激の強さや安全性を測っていない。

ニンニク由来のアリシンは、刺激センサーTRPA1を持つように作った培養細胞と、感覚を伝える神経細胞を反応させた。
限界: 人が食べたときに感じる刺激の強さや安全性は測っていない。
出典: Pungent products from garlic activate the sensory ion channel TRPA1(Bautista DM; Movahed P; Hinman A; Axelsson HE; Sterner O; Högestätt ED; Julius D; Jordt SE; Zygmunt PM, 2005)・全文確認
データを表示compound-allicin —activates→ receptor-trpa1
claim: clm-allicin-trpa1 / type: mechanism / 更新: 2026-08-31
ジアリルジスルフィドはTRPA1を活性化する支持あり

範囲: 発現細胞と培養感覚ニューロン

注記: ニンニクの刺激を苦味受容体活性へ読み替えない。

diallyl disulfideもTRPA1依存の応答を示した。
限界: ニンニク全体の風味を一化合物へ還元しない。
出典: Pungent products from garlic activate the sensory ion channel TRPA1(Bautista DM; Movahed P; Hinman A; Axelsson HE; Sterner O; Högestätt ED; Julius D; Jordt SE; Zygmunt PM, 2005)・全文確認
データを表示compound-diallyl-disulfide —activates→ receptor-trpa1
claim: clm-dads-trpa1 / type: mechanism / 更新: 2026-08-31

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