受容体
TRPA1
TRPA1は、ヒト transient receptor potential ankyrin 1(ANKTM1)陽イオンチャネル。三叉神経の感覚ニューロンに発現する化学感覚性刺激受容体。
受容体 / receptor-trpa1
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TRPA1は、舌の味蕾ではなく主に三叉神経の感覚ニューロンに発現する、刺激やヒリヒリ感を感知するイオンチャネルである。オリーブオイルに含まれるオレオカンタールは、ヒトTRPA1を発現させた培養細胞でEC50約2.8マイクロモルという濃度でこのチャネルを活性化させる一方、TRPV1やTRPV2、TRPV4、TRPM8といった他の受容体は活性化しなかった。TRPA1を働かなくしたマウスの三叉神経ニューロンはオレオカンタールに反応せず、遮断薬を使うと通常のマウスの反応も消えたことから、この刺激感がTRPA1を介していることが確かめられている。
ヒトの口や鼻の組織を調べた同じ研究では、TRPA1陽性の細胞は咽頭の組織で多く見られた(0.12平方ミリメートルあたり平均80個)のに対し、舌の味蕾の組織ではほとんど見られなかった(0.05平方ミリメートルあたり平均0個)。この分布の偏りは、オレオカンタールの刺激が舌ではなく喉の奥に集中して感じられることの、解剖学的な裏づけとして提案されている。またこの活性化は、TRPA1が持つ特定のシステイン(硫黄を含むアミノ酸)を介した典型的な結合の仕組みによらないことも、変異体を使った実験で示されている。
ニンニク由来のアリシンや、ジアリルジスルフィドといった刺激成分も、TRPA1を持つように作った培養細胞や、感覚を伝える神経細胞を反応させることが確かめられている。TRPA1は刺激を神経信号に変えるセンサーの役割を担うタンパク質であり、こうした細胞実験は、人が実際に食べたときに感じる刺激の強さや、安全性を測ったものではない。TRPA1は苦味そのものを担う受容体ではなく、ヒリヒリ感や刺激感を伝える別系統の感覚として区別して扱う必要がある。
この説明の根拠
この本文で確認した範囲: オレオカンタールによるTRPA1選択的活性化を確認/TRPA1が舌の味蕾でなく咽頭組織に偏って発現する所見を確認/咽頭と舌でのTRPA1陽性細胞数の差を確認/システイン非依存の活性化機構を確認
Pungent products from garlic activate the sensory ion channel TRPA1
この本文で確認した範囲: ニンニクのアリシンによるTRPA1反応を確認/ジアリルジスルフィドによるTRPA1依存応答を確認
実測値(2)
| 種別 | 化合物 | 対象 | 値 | 条件 | 出典 |
|---|---|---|---|---|---|
| 受容体EC50 | オレオカンタール | TRPA1 | 2.8 µM | ヒトTRPA1発現細胞 | Peyrot des Gachons C, 2011 |
| 受容体EC50 | サンショオール | TRPA1 | 69 µM | 異種発現系(機構は係争中) | Riera CE, 2009 |
値は各出典の報告値そのまま(単位・条件を併記)。閾値・EC50はパネル・手法依存で、単一の真値ではありません。
構造化された主張 — 節を開くと、主張ごとの確度・根拠・限界が読めます
機構・受容体(4)
範囲: hTRPA1 発現 HEK 293 細胞(EC50 2.8 uM)およびげっ歯類三叉神経ニューロン。TRPV1, TRPV2, TRPV4, TRPM8 は活性化しない
注記: TRPA1-/- マウスの三叉神経ニューロンはオレオカンタールで興奮しなかった。活性化は求電子性 TRPA1 アゴニストに典型的な共有結合性システイン機構を使わない。
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compound-oleocanthal —selectively_activates→ receptor-trpa1範囲: 単一研究におけるヒト口腔・鼻腔組織の免疫組織化学
注記: オレオカンタールとイブプロフェンの喉限局性刺激感の解剖学的基盤として提案されたもの。
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receptor-trpa1 —is_expressed_preferentially_in→ "舌の味蕾組織に対するヒト咽頭組織(咽頭では 0.12 mm2 あたり平均 80 の TRPA1 陽性細胞、舌の味蕾では 0.05 mm2 あたり 0)"範囲: TRPA1を持つように作った培養細胞と、感覚を伝える神経細胞
注記: TRPA1は刺激を神経信号へ変えるセンサータンパク質。この細胞実験は、人が食べたときの刺激の強さや安全性を測っていない。
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compound-allicin —activates→ receptor-trpa1範囲: 発現細胞と培養感覚ニューロン
注記: ニンニクの刺激を苦味受容体活性へ読み替えない。
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compound-diallyl-disulfide —activates→ receptor-trpa1