化合物
L-アルギニン
L-arginine
L-アルギニンは、遊離アミノ酸。発芽ごまペースト研究では味活性値による苦味候補として扱われた。
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黒ごまペースト(粉末状)の写真。L-アルギニンの結晶・粉末そのものの写真は見つからなかったため、この化合物が味活性値による苦味候補として扱われた研究文脈(発芽ごまペーストの苦味研究)に関連する食品の写真を代替として採用した。
原料写っているもの: 該当なし(食品;アミノ酸そのものの結晶写真ではない)部位・状態: 黒ごまペースト粉末
写真: François Nguyen/ CC BY 2.0/ 原画像/ 台帳の原画像
写真の範囲と来歴
被写体の確認: 原典の記載による同定。アルギニンそのものを写した写真ではない。研究文脈上の関連食品であることをキャプションに明記。
掲載画像: Wikimedia Commons の原寸ファイル。苦味研究所では切り抜き・色調変更なし。 表示用には幅1200px上限のWebPを配信し、台帳の原画像は上のリンクから確認できます。
化合物 / compound-arginine
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L-アルギニンは食品中に遊離アミノ酸として存在し、複数の研究で苦味候補成分として検討されてきた。発芽ごまペーストを対象にした2021年の研究では、白ごまを2時間浸漬・36時間発芽させ130℃で約40分焙煎したペーストSG2-36中のアルギニン濃度が90.82 mg/100 gで、既報の閾値で割った味活性値(TAV)は1.82と算出され、苦味候補成分のひとつに挙げられた。ただしこの論文自体には官能試験の方法が示されておらず、このペーストが『最も苦い』という位置づけは先行実験の記述に依拠したもので、Arg単独の官能因果を確証するものではない。
清酒を対象にした2004年の研究では、エタノール・グルコース・コハク酸・乳酸・NaCl・KH2PO4・イソアミルアルコール・酢酸イソアミル・カプロン酸エチルを配合した純合成清酒に、市販清酒中のアミノ酸濃度の10倍にあたる1500ppmのアルギニンを添加し、3点識別試験を行った。25回の判定中23回で添加区が正しく識別され(有意水準0.1%)、3点嗜好試験では『苦味,甘味』の指摘が多く、有意水準0.1%で官能的に望ましくないアミノ酸と判定された。英語要旨は『Arginine was judged as the amino acid causing bitterness』と明記している。
ただしこの清酒での検討は、天然の清酒中濃度の10倍という高濃度条件下でのものであり、通常濃度でどの程度苦味に寄与するかを示すものではない。パネルも教官3名・卒論生2名の計5名による小規模かつ未訓練の構成で、5反復・25回判定という限られた試行数にとどまる。発芽ごまペーストの事例と合わせて見ると、アルギニンは複数の食品系で苦味候補として名前が挙がる一方、いずれの研究も因果を確定づける官能設計までは示していない。
L-アルギニンは、それ自体は味を生じない一方で、他の苦味物質の苦味を引き出す側にも回る。PROPを全く感じない非感受性型(AVI/AVIホモ接合)の被験者にPROP溶液へL-アルギニンを段階的に加えて与えると、苦味強度が用量依存的に有意に増し、感じ始めるまでの時間も短くなった。8名の非感受性者のうち6名は最も低い添加濃度(0.8 mM)で初めてPROPの苦味を感じている。
同じ研究では、カフェイン1.5 mM溶液にL-アルギニンを等モル(1:1)で添加すると、無添加時より苦味強度評点が有意に増加した(反復測定分散分析 F[1,40]=15.625、p=0.00031)。L-アルギニン単独では味を全く生じなかった。
この説明の根拠
Determination of Main Bitter Compounds in Soaked and Germinated Sesame Pastes
この本文で確認した範囲: 36時間発芽ペーストの濃度90.82 mg/100 gとTAV 1.82の算出を確認した
清酒の呈味性に影響を及ぼすアミノ酸の探索 (Search for amino acids affecting the taste of Japanese sake)
この本文で確認した範囲: 純合成清酒への1500ppm添加と23/25正解、苦味・甘味の嗜好試験結果を確認した/10倍濃度条件という限界と5名25回判定という小規模パネルの構成を確認した
この本文で確認した範囲: 非感受性者でPROPの苦味検出を可能にした濃度反応/カフェイン苦味を等モル添加が有意に増強
実測値(2)
| 種別 | 化合物 | 対象 | 値 | 条件 | 出典 |
|---|---|---|---|---|---|
| 含有濃度 | L-アルギニン | 発芽ごまペースト | 90.82 mg/100 g | SG2-36発芽ごまペースト(Table 4。) | Hou Lixia, 2021 |
| DoT | L-アルギニン | 発芽ごまペースト | 1.82 TAV | SG2-36発芽ごまペースト(濃度を既報閾値50 mg/100 gで割った値。官能因果の確証ではない。) | Hou Lixia, 2021 |
値は各出典の報告値そのまま(単位・条件を併記)。閾値・EC50はパネル・手法依存で、単一の真値ではありません。
構造化された主張 — 節を開くと、主張ごとの確度・根拠・限界が読めます
組成・含有(1)
範囲: 2時間浸漬・36時間発芽・130℃約40分焙煎後のペーストSG2-36
注記: ArgのTAVは1超だったが、現論文の官能試験設計は提示されず、『最も苦い』は先行実験の記述に依存する。
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seasoning-germinated-sesame-paste —has_candidate_bitterness_contributors→ compound-arginine感覚(3)
範囲: 純合成清酒(20%エタノール、グルコース、コハク酸、乳酸、NaCl、KH2PO4、イソアミルアルコール、酢酸イソアミル、カプロン酸エチルを配合)に市販清酒中アミノ酸濃度の10倍(1500ppm)のアルギニンを添加した3点識別試験で23/25正解(有意水準0.1%)。3点嗜好試験ではアルギニン添加区は『苦味,甘味』の指摘が多く,有意水準0.1%で官能的に望ましくないアミノ酸と判定された。
注記: 岩野ほか(2004)。パネルは教官3名・卒論生2名の計5名×5反復=25回判定という小規模・未訓練パネル。天然清酒中濃度の10倍という高濃度条件での検討であり、通常濃度での寄与の大きさを示すものではない。英語要旨は『Arginine was judged as the amino acid causing bitterness』と明記。
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ingredient-sake —has_perceived_bitterness_associated_with→ compound-arginine範囲: 層: 溶液。健常成人51名(TAS2R38遺伝子型判定・PROPテイスター状態分類済み)にLabeled Magnitude Scale(LMS)で苦味強度・潜時を反復測定。
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compound-prop —has_perceived_bitterness_affected_by→ compound-arginine範囲: 層: 溶液。健常成人45名(前述のPROP実験とは別群)によるLabeled Magnitude Scale(LMS)苦味強度評価。
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compound-arginine —increases→ compound-caffeine