受容体
TAS2R14
TAS2R14は、著しく広いアゴニスト域をもつヒト苦味受容体サブタイプ。キニーネのアゴニズム(閾値 10 uM)は GtoPdb が Meyerhof 2010 からキュレーション。
模式図 — 写真ではなく、根拠をもとに苦味研究所が組んだ説明図

模式図(苦味研究所作成)· CC BY 4.0
TAS2R14 — 広く応答する苦味受容体に、何が効き、何が邪魔をするか
培養細胞に発現させた TAS2R14 についての試験管内の報告を、作動薬(キニーネ、茶カテキン類、臨床薬)と拮抗薬(正山小種の抽出物による活性化を弱めたグアヤコールと α-テルピネオール)に分けて並べた図。数値はすべて受容体アッセイの閾値や信号変化で、人が感じる苦味の直接測定ではない。
根拠: ev-quinine-tas2r14-gtopdb · ev-w35-catechins-tas2r14-roland · ev-levit-tas2r14-drugs · ev-guaiacol-tas2r14-antagonism-su2026 · ev-terpineol-tas2r14-antagonism-su2026
受容体 / receptor-tas2r14
↑苦味を読む
TAS2R14は、著しく広いアゴニスト域を持つヒト苦味受容体サブタイプの一つである。異種発現系を用いたスクリーニングでは、キニーネがヒトTAS2R14を閾値10マイクロモルで活性化することが記録されている。この値はIUPHAR/BPSのGuide to PHARMACOLOGYデータベースがキュレーションしたもので、単一の一次研究をデータベースのレベルで読み解いた情報である点に留意が必要である。
茶カテキン類についても、hTAS2R14発現培養細胞を用いたアッセイで応答が確認されている。この研究の著者らは「以前はhTAS2R39の活性化のみが報告されていた」と述べており、カテキン類がhTAS2R39だけでなくhTAS2R14も活性化する新知見として位置づけている。化合物ごとの応答は、カテキンが閾値500マイクロモルで活性を示し、エピカテキン(EC)は同じ閾値500マイクロモルで弱く不確実な活性、エピカテキンガレート(ECG)は閾値125マイクロモルで明確な活性、エピガロカテキン(EGC)は活性なし、エピガロカテキンガレート(EGCG)は閾値250マイクロモルで活性を示した。半数効果濃度(EC50)はいずれも算出不能だった。
TAS2R14は苦味を持つ臨床薬とも広く関わる。ファーマコフォアおよび形状ベースのバーチャルスクリーニングに続くTAS2R14トランスフェクトHEK293細胞のカルシウムイメージングでは、計算予測に基づく臨床薬15剤がTAS2R14を活性化することが確認され、in vitroでの予測成功率は30から80パーセントだったと報告されている。この報告はhERGカリウムチャネルが、これらの苦味薬物に共通するオフターゲットとして浮かび上がったとも述べている。抄録段階の情報であり、個々の薬剤名や試験濃度、効力値はこの資料からは確認できない。
松煙萎凋前の正山小種(ラプサンスーチョン)茶抽出物によるTAS2R14活性化を指標とした細胞アッセイでは、グアイアコールとアルファ-テルピネオールがそれぞれ拮抗作用を示すことが報告されている。細胞内カルシウムシグナルを、グアイアコールは37パーセント、アルファ-テルピネオールは21パーセント低下させたとされ、量子化学計算では水素結合とファンデルワールス力による非共有結合的な相互作用が示唆されている。単一研究の抄録段階の情報であり、全文は未確認である。
この説明の根拠
IUPHAR/BPS Guide to PHARMACOLOGY: quinine (ligand 2510) interaction records
この本文で確認した範囲: キニーネの閾値10マイクロモルという活性化記録の根拠に使用
この本文で確認した範囲: カテキン各種の化合物別の応答有無と閾値の根拠に使用
The bitter pill: clinical drugs that activate the human bitter taste receptor TAS2R14
この本文で確認した範囲: 臨床薬15剤の予測成功率30から80パーセントという記述の根拠に使用
Role of smoke withering process in the bitterness amelioration effect on smoked Lapsang Souchong tea
この本文で確認した範囲: グアイアコールによる37パーセント低下という拮抗率記述の根拠に使用/テルピネオールによる21パーセント低下という拮抗率記述の根拠に使用
構造化された主張 — 節を開くと、主張ごとの確度・根拠・限界が読めます
機構・受容体(6)
範囲: IUPHAR/BPS GtoPdb がキュレーションした異種発現スクリーニング(25 hTAS2R x 104 化合物)
注記: 単一の一次研究をキュレーションデータベースのレベルでのみ読解。Meyerhof 2010 の全文/補遺(有料)はより広いキニーネ受容体セットを特性評価しているとされるが、ここでは主張しない。
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compound-quinine —activates→ receptor-tas2r14範囲: 広いチューニングを持つ TAS2R14 に対する臨床薬のバーチャルスクリーニング。トランスフェクト HEK293 細胞で検証
注記: 抄録のみ。15剤の同定名・試験濃度・効力値は入手できていない。論文は PMC に収載されていない。抄録はさらに、hERG カリウムチャネルが苦味薬物に共通のオフターゲットとして浮上したと述べる。
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receptor-tas2r14 —is_activated_in_vitro_by→ "ファーマコフォアおよび形状ベースのバーチャルスクリーニングと、それに続く TAS2R14 トランスフェクト HEK293 細胞のカルシウムイメージングで同定された臨床薬15剤(計算予測の in vitro 成功率 30-80%)"範囲: 異種発現細胞受容体アッセイ(hTAS2R14発現培養細胞)
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compound-catechins —activate→ receptor-tas2r14範囲: 松煙萎凋前の正山小種抽出物によるTAS2R14活性化を指標とした細胞ベースアッセイ
注記: グアヤコールは松煙萎凋前の茶抽出物によるTAS2R14活性化を、細胞内カルシウムシグナルを37%低下させる形で拮抗阻害したと報告されている。量子化学計算では水素結合とファンデルワールス力による非共有結合的相互作用が示唆されている。単一研究・抄録段階の情報であり、全文は未確認。
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compound-guaiacol —antagonizes→ receptor-tas2r14範囲: 同上
注記: α-テルピネオールは同じアッセイでTAS2R14活性化によるカルシウムシグナルを21%低下させたと報告されている。単一研究・抄録段階の情報であり、全文は未確認。
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compound-alpha-terpineol —antagonizes→ receptor-tas2r14範囲: 層: 細胞。細胞ベースのカルシウムイメージングアッセイでTAS2R14への作用を測定。
注記: 全文未確認、Semantic Scholarに掲載された抄録全文から確認。既存の2主張(苦味低減の確認・苦味フェノール類の減少)とは別に、香気成分自体が受容体レベルで苦味シグナルを直接抑制する機構を追加するもの。
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process-pine-smoke-withering —reduces→ receptor-tas2r14