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研究ノート 038 — 2026-09-04

春の皿には苦味を盛れ——言い回しと山菜の実際

「春の皿には苦味を盛れ」という一文は、食文化・健康系のウェブメディアで繰り返し紹介される言い回しです。その出どころを辿ると、引用元は一様ではなく、同じ一句でも語尾の表記が資料によって揺れています。一方、この言い回しが指す食材——ふきのとう、菜の花、わらび、ぜんまい、こごみ、うど、たけのこ——には、それぞれ別の資料に記録された、苦味の成分やあく抜きの実際があります。このノートは、言い回しの来歴と、山菜の苦味の実際を、別の問いとして並べて読みます。

このページの内容(8 節)
  1. この頁でわかること
  2. 「春の皿には苦味を盛れ」を遡る
  3. 季語になった苦味、日記に残った苦味
  4. ふきのとうの苦味とあく抜き
  5. 菜の花・わらび・ぜんまい・こごみ、それぞれの実際
  6. うど・たけのこ、育て方と苦味の関係
  7. 分かっていないこと
  8. よく問われること
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この頁でわかること

「春の皿には苦味を盛れ」を遡る

複数の食文化・健康系ウェブメディアが、「春の皿には苦味を盛れ」ということわざを聞いたことがある人は多いのではないか、という調子でこの言い回しを紹介しています。

春の皿には苦味を盛れは次のように語られている: 春には苦い食材(主に山菜・春野菜)を食べようという趣旨の「ことわざ」として、複数の食文化・健康系ウェブメディアで繰り返し紹介される言い回し文脈資料

範囲: 日本語ウェブメディア(食文化・健康コラム)

「『春の皿には苦味を盛れ』ということわざを聞いたことがある人も多いのではないでしょうか」と紹介する
限界: 故事ことわざ辞典類での収録は確認できていない
出典: 春は苦味をたのしむ|日本の季節を楽しむ暮らし(暦生活編集部)・全文確認
「『春の皿には苦味を盛れ』ということわざがあります」と紹介する
限界: 同上
出典: 【春の皿には苦味を盛れ】春の味覚を楽しめる季節です。(職人.comブログ編集部)・全文確認
データを表示concept-spring-bitter-plate-saying —is_presented_as→ "春には苦い食材(主に山菜・春野菜)を食べようという趣旨の「ことわざ」として、複数の食文化・健康系ウェブメディアで繰り返し紹介される言い回し"
claim: clm-spring-bitter-saying-media-presented / type: cultural / 更新: 2026-09-02

その多くは、出どころを明治期の医師・薬剤師である石塚左玄の著書『食物養生法』(1898年刊)に求め、「春苦味、夏は酢の物、秋辛味、冬は油と合点して食え」という一節を引きます。ただし引用先によって、冬の語が「油」だったり「脂肪」だったりと表記が揺れ、原本のページ番号まではどのメディアも示していません。書誌情報を調べたレファレンス回答も、『食物養生法』が明治31年(1898年)刊・博文館・211ページという体裁を持つことは確認しますが、この一節が実際に本文に含まれるかどうかまでは確認していません。同じ見出し語を使いながら、本文には石塚左玄への言及がなく「主に春野菜を指す」という説明だけを載せる記事もあり、帰属の説明はメディアごとに一様ではありません。

春の皿には苦味を盛れの起源として語られる説: 明治期の医師・薬剤師である石塚左玄の著書『食物養生法』(1898年刊)の一節「春苦味、夏は酢の物、秋辛味、冬は油(資料により「脂肪」)と合点して食え」に由来すると、複数の食文化・健康系ウェブメディアや福井市公式サイトで説明されている文脈資料

範囲: 石塚左玄『食物養生法』(1898年)への帰属説

「石塚左玄の著書『食物養生法』には、『春苦味、夏は酢の物、秋辛味、冬は油と合点して食え。』…と記されています」
限界: 原本のページ番号未確認。孫引きの可能性がある
出典: 【春の皿には苦味を盛れ】春の味覚を楽しめる季節です。(職人.comブログ編集部)・全文確認
「春苦味、夏は酢の物、秋は辛味、冬は脂肪と合点して食え」
限界: 同じ一節でも「油」と「脂肪」など表記が資料間で異なる。原本のページ番号未確認
出典: 石塚左玄の紹介(食育)(福井市)・全文確認
文脈: 『食物養生法』は明治31年(1898年)1月・博文館刊、211ページ、22cmという書誌情報を持つが、この回答自体は「食育」の語の初出調査であり、「春苦味」一節の所在確認は行っていない
限界: この一節が実際に本書に含まれるかどうかは、このレファレンス回答からは確認できない
出典: 「食育」という言葉の初出といわれる石塚左玄『食物養生法』を探している。(国立国会図書館 レファレンス協同データベース)・全文確認
限定: 同じ「春の皿には苦味を盛れ」という表現を見出しに用いながら、本文には石塚左玄や『食物養生法』への言及がなく、「主に春野菜を指す」という説明のみが与えられている
限界: この記事単独では石塚左玄由来説を否定も肯定もできないが、この言い回しの帰属説明がメディアごとに一様でないことを示す
出典: 「春の皿には苦味を盛れ」の意味とは?(スポーツナビコラム編集部)・全文確認
データを表示concept-spring-bitter-plate-saying —has_historical_origin_narrative→ "明治期の医師・薬剤師である石塚左玄の著書『食物養生法』(1898年刊)の一節「春苦味、夏は酢の物、秋辛味、冬は油(資料により「脂肪」)と合点して食え」に由来すると、複数の食文化・健康系ウェブメディアや福井市公式サイトで説明されている"
claim: clm-spring-bitter-saying-ishizuka-origin / type: cultural / 更新: 2026-09-02

この言い回しにより近い実物として、石塚左玄が詠み莵道春千代(木花園)が俗解を付した歌集『食養道歌俗解』上巻(食養新聞社、1906年)第45コマには、「春苦味」という語句が引用符付きで示され、同じ段落に「夏は酢のもの」「秋辛味」の語、季節と食養を結ぶ一首への俗解が確認できます。ただし、冬に配される一語(「油」か「脂肪」か)を含む具体的な一文は、高解像度の画像でも確定的には読み取れませんでした。

春の皿には苦味を盛れは石塚左玄が詠み莵道春千代(木花園)が俗解を付した歌集『食養道歌俗解』上巻(食養新聞社、1906年)第45コマに、季節と食養を結びつける一首が収められている。俗解文は当該歌の一句を『春苦味』と引用符付きで示し、続けて『夏は酢のもの』『秋辛味』の語、および『合点して食へ』に相当する句を用いて歌の趣旨を説明している。に記録されている文脈資料

範囲: 食養道歌俗解 上巻、第45コマ(国立国会図書館デジタルコレクション pid 836944)

俗解文中に『春苦味』という語句が引用符(『』)付きで示され、同じ段落内に『夏は酢のもの』『秋辛味』の語、および春・夏・秋・冬の四季と鹹を含む四味への言及、『合点して食へ』に相当する句が確認できる。冬に配される語(『油』か『脂肪』か)を含む具体的な一文は、今回の調査の時間内に高解像度画像でも確定的に読み取れなかった。
限界: 冬に配される一語(『油』/『脂肪』)を含む具体的箇所の逐語確認ができなかった。俗解文中の『合点』に相当する字も異体的に見え、標準字体での確定はできていない。同書全65コマのうち第45コマ周辺のみを閲読しており、歌全体の書き下し・現代語訳としての確定は行っていない。 統合者も第45コマの高解像度画像で「『春苦味』とある」「合点して食へ」「夏は酢のもの」「春、夏、秋…冬の四季」「鹹の四味」の各語を目視確認した。冬に配される一語は引き続き未確定。
出典: 食養道歌俗解 上巻 (食養叢書 ; 第1編)(石塚左玄 詠, 莵道春千代(木花園) 解, 1906)・全文確認
データを表示concept-spring-bitter-plate-saying —is_documented_in→ "石塚左玄が詠み莵道春千代(木花園)が俗解を付した歌集『食養道歌俗解』上巻(食養新聞社、1906年)第45コマに、季節と食養を結びつける一首が収められている。俗解文は当該歌の一句を『春苦味』と引用符付きで示し、続けて『夏は酢のもの』『秋辛味』の語、および『合点して食へ』に相当する句を用いて歌の趣旨を説明している。"
claim: clm-spring-bitter-saying-doka-zokukai-koma45 / type: cultural / 更新: 2026-09-02

この言い回しは、五行説の五味・五季対応表とは別の系統です。ある薬膳系ページは五行説の枠組みで苦味を夏・心に対応させ、別の東洋医学系ページは「木」の系列で酸味を春に対応させています。苦味と春を結ぶのは「春の皿には苦味を盛れ」の側であって、五行色体表そのものではありません。

範囲: 五行説の五味・五季対応表との比較

注記: 「春の皿には苦味を盛れ」およびその由来とされる石塚左玄の一節は苦味を春に配するが、中国伝統医学に由来する五行説の五味・五季対応表では、苦味は夏・心(心臓)に配され、春には酸味・肝が配される。石塚左玄の食養説と古典的な五行説の対応関係は、少なくとも苦味の季節配置において一致しない。この研究所はこの一致・不一致の当否を判定せず、両者がそれぞれの資料でどう述べられているかのみを記録する。

文脈: 「夏は心臓を傷めやすい季節で、適度な苦味を摂り心→脾を養生します」とあり、五行説の枠組みで苦味を夏・心に対応させる
限界: ページの五行色体表本体は画像で提供されており、表全体のテキストとしての確認はできていない
出典: 五行学説(五行色体)②(薬膳小町編集部)・全文確認
文脈: 「木」の系列を「肝―目―筋―青―酸―風―怒―涙―春」と示し、酸味を春に対応させる(苦味ではない)
限界: 「火」(苦味・夏に対応するはずの系列)についての本文テキストの記述は確認できず、図表画像のみで示されている
出典: 「五行」とは|東洋医学とは?(北海道鍼灸専門学校)・全文確認
データを表示concept-spring-bitter-plate-saying —differs_from→ concept-gogyou-five-taste-season-table
claim: clm-spring-bitter-saying-differs-gogyou / type: cultural / 更新: 2026-09-02

この言い回しを紹介する記事は、具体例としてふきのとう・たらの芽・うど・菜の花などの春の山菜・春野菜を挙げています。

春の皿には苦味を盛れはこの言い回しの具体例として、複数のウェブメディアがふきのとう・たらの芽・うど・菜の花などの春の山菜・春野菜を挙げるを含む文脈資料

範囲: 日本語ウェブメディア(食文化コラム)

「春の苦味といえば、ふきのとう、たらの芽、うどなどの山菜や菜の花などがありますね」と具体例を挙げる
出典: 【春の皿には苦味を盛れ】春の味覚を楽しめる季節です。(職人.comブログ編集部)・全文確認
データを表示concept-spring-bitter-plate-saying —includes→ "この言い回しの具体例として、複数のウェブメディアがふきのとう・たらの芽・うど・菜の花などの春の山菜・春野菜を挙げる"
claim: clm-spring-bitter-saying-food-list / type: cultural / 更新: 2026-09-02

季語になった苦味、日記に残った苦味

言い回しとは別の経路で、苦味は季語にもなっています。きごさい歳時記は、ふきのとうを初春の季語とし、特有の香気とほろ苦い風味が喜ばれると解説して、杉田久女の句「ほろ苦き恋の味なり蕗のたう」を収めます。

ふきのとうの文化的役割: 俳句における初春の季語。子季語に「蕗の芽」「蕗の花」「蕗のしゆうとめ」を持ち、きごさい歳時記は「特有の香気とほろ苦い風味が喜ばれる」と解説する。例句に杉田久女「ほろ苦き恋の味なり蕗のたう」を収録する文脈資料

範囲: きごさい歳時記

「早春、新葉が出る前に根茎から卵の形をした緑色の花茎を出す。花茎は数枚の大きな鱗のような葉で包まれ、特有の香気とほろ苦い風味が喜ばれる。」と解説し、季節区分を初春、子季語を「蕗の芽」「蕗の花」「蕗のしゆうとめ」とする。例句に杉田久女「ほろ苦き恋の味なり蕗のたう」を収録する
限界: 例句の出典(句集の版・ページ)は確認できていない
出典: 蕗の薹(ふきのとう、ふきのたう) 初春(きごさい歳時記編集部)・全文確認
データを表示ingredient-fukinoto —has_cultural_role_of→ "俳句における初春の季語。子季語に「蕗の芽」「蕗の花」「蕗のしゆうとめ」を持ち、きごさい歳時記は「特有の香気とほろ苦い風味が喜ばれる」と解説する。例句に杉田久女「ほろ苦き恋の味なり蕗のたう」を収録する"
claim: clm-fukinoto-haiku-kigo / type: cultural / 更新: 2026-09-02

たらの芽は仲春の季語で、同歳時記は「少し苦味のある若芽は春先の山菜の代表的なもの」と解説し、一茶の句「たらの芽のとげだらけでも喰はれけり」(『八番日記』)を例句に収めます。

タラの芽の文化的役割: 俳句における仲春の季語。きごさい歳時記は「少し苦味のある若芽は春先の山菜の代表的なもの」と解説する。例句に一茶「たらの芽のとげだらけでも喰はれけり」(『八番日記』)を収録する文脈資料

範囲: きごさい歳時記

季節区分を仲春とし、「少し苦味のある若芽は春先の山菜の代表的なもの」と解説する。一茶の句「たらの芽のとげだらけでも喰はれけり」(『八番日記』)を例句に収録する
限界: 『八番日記』の版・ページは確認できていない
出典: たらの芽(たらのめ)仲春(きごさい歳時記編集部)・全文確認
データを表示ingredient-taranome —has_cultural_role_of→ "俳句における仲春の季語。きごさい歳時記は「少し苦味のある若芽は春先の山菜の代表的なもの」と解説する。例句に一茶「たらの芽のとげだらけでも喰はれけり」(『八番日記』)を収録する"
claim: clm-taranome-haiku-kigo / type: cultural / 更新: 2026-09-02

個人の記録にも、ふきの苦味を書き留めた例があります。種田山頭火は日記に「蕗のうまさ、ほろにがい味は何ともいへない。」と記し、別の日記では「蕗のほろにがさには日本的老心といつたやうな味がある。」とも書いています。標準化された官能パネルではなく、個人の主観的な味わいの記述です。

ふきのとうの感覚特性: 『蕗のうまさ、ほろにがい味は何ともいへない。』(種田山頭火の日記の一節。同年の別の日記にも『蕗のほろにがさには日本的老心といつたやうな味がある。』という一節がある)と記される、ふき・ふきのとうの味わい。文脈資料

範囲: 種田山頭火の日記(青空文庫収録、書誌データは出典参照)

注記: 個人の日記における主観的な味覚描写であり、標準化された官能パネル試験ではない。苦味を『うまさ』の語と並べて肯定的に形容している点を記録。

逐語:『蕗のうまさ、ほろにがい味は何ともいへない。』
限界: 個人の日記における主観的味覚描写であり、標準化された官能パネル試験ではない。
出典: 其中日記(三)— 種田山頭火(種田山頭火, 1933)・全文確認
逐語:『蕗のほろにがさには日本的老心といつたやうな味がある。』
限界: 個人の日記における主観的味覚描写であり、標準化された官能パネル試験ではない。この時期の蕗は佃煮用の葉柄(ふき)であり、四月の条のふきのとう(花蕾)とは部位が異なる可能性がある。
出典: 行乞記 大田 — 種田山頭火(種田山頭火, 1933)・全文確認
データを表示ingredient-fukinoto —has_sensory_attribute→ "『蕗のうまさ、ほろにがい味は何ともいへない。』(種田山頭火の日記の一節。同年の別の日記にも『蕗のほろにがさには日本的老心といつたやうな味がある。』という一節がある)と記される、ふき・ふきのとうの味わい。"
claim: clm-w41h-fukinoto-santoka-sensory / type: sensory / 更新: 2026-09-02

ふきのとうの苦味とあく抜き

ふきのとうの苦味成分は、実験室でも辿られています。仙台周辺で採取した風乾ふきのとうから、東北薬科大学のグループが主要苦味成分として単離した白色結晶があり、当初ペタシノリドと呼ばれた後にバッケノリドBと改名されました。

ふきのとうの主要苦味化合物: バッケノリドB支持あり

範囲: 仙台周辺で採取され、東北薬科大学のグループが研究した風乾ふきのとう(1960年代-1972年)

注記: 著者が Petasinolide と命名後、欧州産フキ成分との名称重複を避け阿部・北原と合議して Bakkenolide-B に改名。納谷らの Fukinolide と同一物質。単一グループの解説記事に基づき、一次実験論文は未読。

有機溶媒抽出物をアルミナでクロマトグラフィーし、苦味の主成分として単離された白色結晶 mp 101-102 C を得た。当初 Petasinolide と命名され Bakkenolide-B に改名。Naya の fukinolide は同一物質で、風乾植物の0.1%を占めるセスキテルペンラクトンジオールエステル。
限界: 解説記事であり一次実験論文は未読。苦味の官能評価法や強度の記載は無い。
出典: フキノトウの成分研究から(研究室)(栗原藤三郎, 1972)・全文確認
文脈: レビューは柴田・清水の報告を再掲し、フキ・フキノトウの主要テルペノイドを bakkenolide B と bakkenolide A・fukinone・isopetasin とし、bakkenolide B を酵母生育回復の活性物質と同定する。レビュー中に苦味自体の議論はどこにもない。
限界: 機能性中心のレビューで、成分の苦味への寄与は主題外。
データを表示ingredient-fukinoto —has_principal_bitter_compound→ compound-bakkenolide-b
claim: clm-fukinoto-bitter-bakkenolide-b / type: composition / 更新: 2026-08-30

同じ研究の過程では、熱水抽出物と希アルコール抽出物には苦味がほとんど移らないことも記されています。著者は当時有力だった苦味配糖体という見立てを離れ、有機溶媒抽出に切り替えたと記録されます。

ふきのとうの苦味は次にはあまり移行しない: 熱水抽出物と希アルコール抽出物には苦味がほとんど移行しない。著者は苦味配糖体仮説を放棄し有機溶媒抽出を用いた支持あり

範囲: 栗原(1972)が報告したふきのとうの抽出試験

フキノトウの熱水・希アルコール抽出物には苦味がほとんど移行しなかったため、著者は当時有力だった苦味配糖体仮説を捨てて有機溶媒抽出に切り替え、それが苦味主成分を与えた。
限界: 定量データは示されない。新鮮物の茹でこぼしでの苦味残存率とは条件が異なる。
出典: フキノトウの成分研究から(研究室)(栗原藤三郎, 1972)・全文確認
データを表示ingredient-fukinoto —has_bitterness_poorly_extracted_by→ "熱水抽出物と希アルコール抽出物には苦味がほとんど移行しない。著者は苦味配糖体仮説を放棄し有機溶媒抽出を用いた"
claim: clm-fukinoto-bitterness-low-water-transfer / type: processing / 更新: 2026-08-30

台所での実際の下処理は、この実験とは別の記録に残ります。島根のふきのとう味噌のレシピは、塩と重曹を入れた湯で茹でた後、水にさらしてえぐみを抜いてから味噌に混ぜ込むと記します。

ふきのとうは次の工程で調理される: あく抜き(茹でこぼし・水さらし)文脈資料

範囲: 農水省「うちの郷土料理」データベースの島根のふきのとう味噌レシピ

レシピは、フキノトウを塩と重曹入りの熱湯で茹で、しばらく水にさらしてあく抜きし、絞って刻み、味噌の調味料と合わせるよう指示する。
限界: 調理慣行の記録であり、この工程による苦味・成分低減の定量はこの資料に無い。
出典: ふきのとう味噌 島根県(うちの郷土料理)(農林水産省 大臣官房新事業・食品産業部外食・食文化課食文化室)・全文確認
データを表示ingredient-fukinoto —is_prepared_with→ process-aku-nuki
claim: clm-fukinoto-akunuki-practice / type: culinary / 更新: 2026-08-30

農林水産省の公開情報は、こうした茹でこぼしや水さらしという伝統的なあく抜きが、ふき・ふきのとうのピロリジジンアルカロイド含量を大きく減らせるとも述べています。低減率の数値そのものはこのページにはありません。

範囲: ふきとふきのとう。食品中 PA 調査に基づく農水省の公開情報

注記: PA類が水に溶けやすい性質によると説明される。低減率の数値は情報ページには示されず、数値を載せた含有実態調査第2報プレスリリースは取得できなかった(403)。

このページは、茹でこぼしや水さらしなどの伝統的なあく抜きがピロリジジンアルカロイド含量を大きく減らせること(アルカロイドの水溶性で説明される)、そのような下処理をすれば大量に食べ続けない限り健康上の懸念は想定されないことを述べる。
限界: 低減率の数値はページに無く、数値を含む第2報プレスリリースは403で読めなかったため定量は保留。
出典: 食品中のピロリジジンアルカロイド類に関する情報(農林水産省, 2026)・全文確認
データを表示process-aku-nuki —reduces→ compound-pyrrolizidine-alkaloids
claim: clm-akunuki-reduces-pa / type: processing / 更新: 2026-08-30

島根と宮城の郷土料理記録は、いずれもふきのとうを親しまれた春の味覚、あるいは春の訪れを告げる山菜として紹介しています。これは文化的な位置づけの記録であり、官能や成分の主張ではありません。

ふきのとうは次のように語られている: 親しまれた春の味覚であり、春の訪れを告げる山菜文脈資料

範囲: 農水省「うちの郷土料理」の島根(ふきのとう味噌)と宮城(ばっけ味噌)の記録

注記: 公的データベース上の文化的位置づけの記録。安全性・健康効果の主張ではない。

島根の記録はフキノトウを春の味覚として、また春の訪れを告げる山菜として紹介し、1月頃から4月上旬まで店頭に並び、ふきのとう味噌がご飯と酒の定番の供であるとする。
限界: 文化的位置づけの記録であり官能・成分の主張ではない。
出典: ふきのとう味噌 島根県(うちの郷土料理)(農林水産省 大臣官房新事業・食品産業部外食・食文化課食文化室)・全文確認
宮城の記録は、ばっけみそを春にフキノトウが出る季節と結びつけ、各家庭が毎年仕込むとする。
限界: 同上。
出典: ばっけ味噌 宮城県(うちの郷土料理)(農林水産省 大臣官房新事業・食品産業部外食・食文化課食文化室)・全文確認
データを表示ingredient-fukinoto —is_presented_as→ "親しまれた春の味覚であり、春の訪れを告げる山菜"
claim: clm-fukinoto-spring-taste / type: cultural / 更新: 2026-08-30

菜の花・わらび・ぜんまい・こごみ、それぞれの実際

菜の花の苦味は成分の側からも調べられています。日本市場のなばな(福島・香川で採取された試料)を対象にしたグルコシノレート組成の調査では、なばなは主要なグルコシノレートの含量が調査対象15野菜中で最も高く、脂肪族グルコシノレートが総量の大半を占めていました。

範囲: 日本市場のなばな(福島 2008年12月・2010年12月、香川 2011年2月)。脱硫 GSL の LC-MS 法

注記: 両GSLの含有量は調査した日本産アブラナ科15品目中で最大、総GSL量はブロッコリースプラウトに次ぐ。組成データであり、苦味との官能対応はこの論文では扱われない。

ナバナは gluconapin 23.21±8.06 umol/g DW(総量の49.7%)、glucobrassicanapin 18.55±4.59(39.7%)、glucoalyssin 2.10±1.73(4.5%)、gluconasturtiin 1.73±0.51(3.7%)を含み、脂肪族グルコシノレートが総量 46.73±13.04 umol/g DW の93.8%を占めた。gluconapin・glucobrassicanapin 含量は調査した15野菜中最高で、総量はブロッコリースプラウト(185.01±9.21)に次いで Brassica 中第2位だった。
限界: 品種不明の市販試料3ロットの事例分析であり、秋冬の市場調査。官能データなし。
データを表示ingredient-nanohana —contains→ compound-glucosinolates
claim: clm-nanohana-glucosinolate-profile / type: composition / 更新: 2026-08-30

農林水産省の一般向け食文化記事は、その独特の苦味を料理のアクセントとして紹介しています。

菜の花(なばな)の文化的役割: 独特の苦味を料理のアクセントとして味わう文脈資料

範囲: 農林水産省 aff の一般向け食文化記事

注記: 官能試験ではない。

独特の苦味が料理のアクセントになると紹介。
限界: 官能試験ではない。
出典: 菜の花(農林水産省, 2020)・全文確認
データを表示ingredient-nanohana —has_cultural_role_of→ "独特の苦味を料理のアクセントとして味わう"
claim: clm-nanohana-bitter-accent / type: cultural / 更新: 2026-08-31

わらびは、山形県の郷土料理記録では、あく抜きの後にたたき・おひたし・煮物・味噌汁などに用いられます。

わらびは次の工程で調理される: あく抜き(茹でこぼし・水さらし)文脈資料

範囲: 山形県のわらびに関する公的郷土料理記録

注記: 記録された調理慣行であり、あく抜きによる特定化合物または苦味の低減率は示さない。

MAFF記録はわらびを一般にあく抜き後、たたき・おひたし・煮物・味噌汁などにするという。
限界: 成分変化の測定ではない。
出典: わらびたたき 山形県(農林水産省 大臣官房新事業・食品産業部外食・食文化課食文化室)・全文確認
データを表示ingredient-warabi —is_prepared_with→ process-aku-nuki
claim: clm-jp-warabi-akunuki / type: culinary / 更新: 2026-08-31

ぜんまいは、高知県大豊町を含む山村の郷土料理記録では、茹でて乾燥させると長期保存がきく食材として記されています。

ぜんまいは次の方法で保存される: 茹でて乾燥させると長期保存がきく文脈資料

範囲: 高知県大豊町を含む山村のうちの郷土料理記録

注記: 公的記録の保存食に関する記述。乾燥条件や保存期間の定量値はない。

MAFF記録はぜんまいを茹でて乾燥すると長期保存がきく重要な食材だったと記す。
限界: 保存期間・条件のデータはない。
出典: ぜんまいの炒め煮 高知県(農林水産省 大臣官房新事業・食品産業部外食・食文化課食文化室)・全文確認
データを表示ingredient-zenmai —is_preserved_by→ "茹でて乾燥させると長期保存がきく"
claim: clm-jp-zenmai-preservation / type: processing / 更新: 2026-08-31

こごみの呼び名には、資料内部での揺れも記録されています。富山県立山町の郷土料理記録は、本文では「くごみ。クサソテツの新芽の別称で、地域によってはこごみとも呼ばれている」と記す一方、同じページのレシピ注記では「富山県ではこごめ、こごみ」と呼ぶとしており、呼称の県帰属が本文と注記で一致していません。

こごみの地域名: 資料本文は主材料を「くごみ」(クサソテツの新芽の別称)と呼び、地域によっては「こごみ」とも呼ばれると記す。同じ資料のレシピ注記は「富山県ではこごめ、こごみ」と呼ぶとしており、資料内で呼称の県帰属に揺れがある文脈資料

範囲: 富山県立山町芦峅寺のうちの郷土料理記録

注記: 出典はクサソテツの新芽の別称として記す。学名の直接記載はない。本文とレシピ注記で呼称の帰属が一致しない点は原文どおり両論保持(2026-09-01 原文再確認)。

MAFF記録の本文は「くごみ。クサソテツの新芽の別称で、地域によってはこごみとも呼ばれている」と記し、同ページのレシピ注記は「富山県ではこごめ、こごみ(ぜんまい)と呼ばれています」と記す。本文と注記で呼称の帰属に揺れがある。
限界: 名称の地域分布を調査した資料ではない。 同一ページ内で本文とレシピ注記の呼称記述が一致しない。
出典: つぼ煮 富山県(農林水産省 大臣官房新事業・食品産業部外食・食文化課食文化室)・全文確認
データを表示ingredient-kogomi —has_local_name→ "資料本文は主材料を「くごみ」(クサソテツの新芽の別称)と呼び、地域によっては「こごみ」とも呼ばれると記す。同じ資料のレシピ注記は「富山県ではこごめ、こごみ」と呼ぶとしており、資料内で呼称の県帰属に揺れがある"
claim: clm-jp-kogomi-regional-names / type: cultural / 更新: 2026-08-31

うど・たけのこ、育て方と苦味の関係

うどの苦味・えぐみは、育て方と結びつけて語られます。東京都立川市などの商業栽培では、光の入らない地下の室(むろ)と呼ばれる穴ぐらでうどを育てる工程が記録されています。

東京うどは伏せ込みで加工される支持あり

範囲: 東京都立川市等の商業栽培

『光の入らない室(むろ)と呼ばれる地下3mの穴ぐらで育てる』と記す。
限界: えぐみ・苦味への言及はページ内にない。
室(むろ)に根株を入れ土で覆い暗所で軟白させる工程を、生産者取材に基づき記述。
限界: 苦味・えぐみへの言及なし。
出典: 食材レポート第10回 東京ウド(田口さつき, 2023)・全文確認
データを表示ingredient-udo-tokyo —is_processed_by→ process-udo-muro-blanching
claim: clm-w37c-udo-tokyo-process / type: processing / 更新: 2026-09-02

大阪府茨木市千提寺に伝わる三島独活は、独活小屋に並べた根株の上にわらと干し草を重ね、発酵させた熱を利用して温度を保つという別の軟白方法で育てられます。茨木市公式ページは、一般的な軟白うどと比べて色が白い、アクが少ない、柔らかい、みずみずしい、甘い、という紹介文を載せていますが、これは測定値を伴わない紹介文であり、比較対象の「一般的な軟白うど」が何を指すかも本文には明記されていません。

三島独活は次を持つと記録されている: 『一般的な軟白うどと比べて、色が白い、アクが少ない、柔らかい、みずみずしい、甘いと言われている』(茨木市公式ページの記述、伝聞形)文脈資料

範囲: 茨木市公式ページによる、標準的な室軟白ウドとの比較の言い伝え

注記: 測定値を伴わない産地側の紹介文の記述。『アク』は苦味そのものと同一視せず、原語のまま記録する。

『一般的な軟白うどと比べて、色が白い、アクが少ない、柔らかい、みずみずしい、甘いと言われている』と記す。
限界: 測定値を伴わない伝聞・紹介文表現。『一般的な軟白うど』が何を指すか(東京うど等)は本文に明記されていない。
出典: 三島独活(2021)・全文確認
データを表示ingredient-udo-mishima —is_documented_as_having→ "『一般的な軟白うどと比べて、色が白い、アクが少ない、柔らかい、みずみずしい、甘いと言われている』(茨木市公式ページの記述、伝聞形)"
claim: clm-w37c-udo-mishima-less-aku / type: cultural / 更新: 2026-09-02

たけのこの苦味も、育つ段階と結びつけて調べられています。浙江省農業科学院の研究は、地下で育つ黄化状態、地上に萌出した直後、地上5〜8cmまで伸びて日光にさらされる段階という三段階を対象にし、苦味に関わる複数の化学物質がタンニン含量と有意な正の相関を示したと報告しています。この研究の対象種は温帯のモウソウチクなどとは別の種であり、そこへの外挿はできません。

リョクチクのたけのこの苦味の発生を左右する要因: 地下で成長する段階(黄化状態)→地上に萌出した直後→地上5〜8cmまで伸びて日光にさらされる段階、という3段階の生育進行。苦味関連化学物質7種(Amygdalin、Apigenin、Arbutin、Salicin、Hypoxanthine、L-arginine、Solanidine)はタンニン含量と有意な正相関を示した。支持あり

範囲: 浙江省農業科学院、先端部(約5cm)を対象とした3段階×3反復のトランスクリプトーム・メタボローム統合解析

注記: 絶対含量(mg/g等)の逐語データは今回の抽出範囲では確認できておらず、相関関係と定性的な増加傾向の記述にとどまる。ヒト官能評価は実施されていない。日本で一般的なモウソウチク(Phyllostachys edulis)とは属が異なる別種であり、直接の外挿はしない。

逐語: "Seven bitter chemicals (Amygdalin, Apigenin, Arbutin, Salicin, Hypoxanthine, L-arginine, and Solanidine) were significantly positively correlated with the contents of tannins." 対象は地下成長段階(黄化)・地上萌出直後・地上5-8cmまで伸びて日光にさらされた段階、の3段階。
限界: 絶対含量(mg/g等)の逐語データはこの抽出では確認できず、相関関係と定性的な増加傾向の記述にとどまる。ヒト官能評価は実施されていない。モウソウチク等の温帯種への外挿はできない。
「when the shoots erupt out of the soil surface with sunlight for days, the shoot has a little bitterness in the tip portion」「some bamboo shoots have their best taste when grown underground, such as B. oldhamii」との記述。ゲノム解読(1,446 Mb、遺伝子88,140個)とトランスクリプトーム・標的化代謝物解析により、苦味物質(アミノ酸・フラボノイド・テルペノイド・プリン等の各ファミリー)とbHLH・HB転写因子ファミリーの関与を報告。
限界: 第一著者はJiao et al. 2023(Scientific Reports、既存の第一根拠)と同一人物であり、完全に独立な研究グループによる追試ではない。苦味の記述は「a little bitterness」という定性的なもので、官能パネルによる定量評価ではない。
出典: Multi-omics approaches investigate the bitter flavor in the shoot of Bambusa oldhamii Munro(Jiao Y; Hu N; Xia H; Li X; Li J; Liu Y; Wang J, 2025)・全文確認
データを表示ingredient-bamboo-shoot-bambusa-oldhamii —develops_bitterness_depending_on→ "地下で成長する段階(黄化状態)→地上に萌出した直後→地上5〜8cmまで伸びて日光にさらされる段階、という3段階の生育進行。苦味関連化学物質7種(Amygdalin、Apigenin、Arbutin、Salicin、Hypoxanthine、L-arginine、Solanidine)はタンニン含量と有意な正相関を示した。"
claim: clm-w37h-bamboo-shoot-growth-stage-bitter / type: composition / 更新: 2026-09-02

台所での下処理は、たけのこでも記録されています。富山県のたけのこの味噌煮は、米ぬかと赤唐辛子を加えた湯で下ゆでし、ゆで汁に浸けたまま自然に冷ましてから皮をむいて輪切りにすると記されます。

範囲: 富山県のうちの郷土料理記録の作り方

注記: ふきのとうの重曹あく抜き(既存記録)とは異なる、米ぬか・赤唐辛子を用いる下ゆで方式。

米ぬかと赤唐辛子を加えた湯でやわらかくなるまでゆで、ゆで汁につけたまま自然に冷ます下処理が記される。
限界: 苦味・あく低減の定量データはこの資料には無い。
出典: たけのこの味噌煮 富山県(うちの郷土料理)(農林水産省 大臣官房新事業・食品産業部外食・食文化課食文化室)・全文確認
データを表示dish-takenoko-misoni-toyama —is_prepared_with→ process-aku-nuki
claim: clm-jp-takenoko-misoni-akunuki / type: culinary / 更新: 2026-09-02

分かっていないこと

よく問われること

「春の皿には苦味を盛れ」は本当にことわざとして辞典に載っているのか

食文化・健康系のウェブメディアはこの言い回しをことわざとして繰り返し紹介しているが、故事ことわざ辞典類での収録は今のところ確認できていない。多くの記事は出どころを明治期の『食物養生法』(1898年)に求め「春苦味、夏は酢の物、秋辛味、冬は油(または脂肪)と合点して食え」という一節を引くが、原本のページ番号を示す記事はなく、書誌を調べたレファレンス回答もこの一節が本文に実在するかまでは確認していない。関連する歌集の第45コマには「春苦味」という語句が引用符付きで確認できるが、冬に配される一語は高解像度の画像でも確定的には読み取れなかった。出どころは、今のところ一つに定まっていない。

ふきのとうの苦味は茹でこぼせば抜けるのか

風乾したふきのとうから苦味成分を取り出す実験では、熱水や薄いアルコールにはその成分がほとんど移らなかったと記録されている。一方、農林水産省の公開情報は、茹でこぼしや水にさらすといった伝統的な下処理によって、ふき・ふきのとうに含まれるピロリジジンアルカロイドの含量を大きく減らせるとしている。ただしこの二つは別の物質を指しており、苦味成分そのものが茹でこぼしでどれだけ減るかを数値で示した資料は、ここでは確認できていない。

関連する項目:ふきのとう /菜の花 /あく抜き /わらび /ぜんまい /こごみ /東京うど /三島独活 /たけのこ /春の皿には苦味を盛れ(言い回し)

関連する研究ノート:苦い葉は、どう食卓へ渡されるか /野草料理の名前は、一種類の植物を指さない /脱苦味の世界地図 /苦い、渋い、辛いの境界

主題ハブ: 苦味・渋味・えぐみ /苦味の言葉

出典は出典台帳を参照してください。

この頁の引用のしかた

青木大(NIGAMI LAB)(2026). 春の皿には苦味を盛れ——言い回しと山菜の実際. https://nigamilab.com/notes/spring-bitter-plate/

主張ごとの固定リンクは各カードの #clm-… です。データは CC BY 4.0、配布は データを使う。 データセットの DOI: 10.5281/zenodo.22739101